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被加工材の特性:プレス加工の基礎知識2

プレス加工の基礎知識

更新日:2018年9月7日(第2版投稿)
著者:塑性加工教育訓練研究所 小渡 邦昭

前回は、プレス加工の概要と3要素(金型、プレス機械、被加工材)を解説しました。今回は、3要素から被加工材を取り上げ、その特性を3つの切り口で解説します。

紙を切るのと、金属を切るのとでは、明らかに異なります。切る対象(被加工材)によって、利用する道具も異なります。このように、プレス加工製品の設計や加工を行う前に、製品となる被加工材を知ることは大切です。

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1. 弾性と塑性

弾性と塑性は、身近な金属板を手で曲げることで実感できます。例えば、厚さ1mmの短冊状のアルミニウム板にわずかな力を加えると、板は曲がります。力を取り除くと、アルミニウム板は元の真っすぐな状態に戻ります。この戻る特性を、弾性といいます。材料が元の形状に戻ろうとする力です。ところが、さらに大きな力で曲げると、力を取り除いても板は元の真っすぐな状態には戻りません。このように、変形し元に戻らない性質を、塑性といいます。

次に、弾性と塑性が生じる流れを、引張試験(材料を引っ張って材料特性を検証する試験)を用いて解説します。図1に引張試験の概念図を、図2に引張試験で得られる荷重、伸び曲線を示します。

図1:引張試験の概念図

図1:引張試験の概念図

図2:引張試験で得られる荷重、伸び曲線

図2:引張試験で得られる荷重、伸び曲線

ここで押さえておきたいのは、塑性変形は、弾性変形が生じた後に起きる現象です。つまり、塑性変形を利用してプレス加工された製品には、弾性変形が含まれています。そのため、プレス加工が終了した製品が、元の形状に戻ろうとします。この現象(スプリングバック:弾性回復)は、プレス加工で作りたい形状の金型を作っても、金型と100%同じ形状の転写が難しい要因になります。また、プレス加工現場におけるトラブルにつながる場合もあります。

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2. 加工硬化

引張試験において引っ張り続けると、必要な力が増加します。例えば、引っ張り当初に1mmを伸ばすときと、10mm伸ばした後に1mmを伸ばすときとを比較すると、後者の方が明らかに大きな力を必要とします。このように、加工するにつれて材料が硬くなる現象を加工硬化といいます。硬くなった材料を変形するには、より大きな力が必要です。

実際に、引張試験の前後で硬度を測定してみると、加工後の硬度は上昇します。また、材料は硬くなるともろくなる傾向があります。身近な例として、針金を手で切断できることが挙げられます。そのため、形状を作るために力ずくで加工すると、もろくなることも、出来上がった製品は考慮しなければなりません(図3)。

図3:加工硬化の例

図3:加工硬化の例

3. 体積一定の原則と異方性

プレス加工材料の平板(被加工材)に引張試験を行うと、被加工材は引っ張り方向に伸び、同時に幅と厚さが減少します。この現象は、プレス加工の大原則です。塑性変形の前後における材料体積は変化しないというのが、体積一定の原則です。

引張試験では、長さが増加し、幅と厚さが減少します。その際、幅と板厚はどのような割合で変化するでしょう?

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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