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協力会社への安全徹底&大事故を防ぐ火気使用許可:プロセス安全管理の基礎知識2

化学プラントの安全管理とは?OSHAのPSMとは?:プロセス安全管理の基礎知識1

更新日:2016年5月20日(初回投稿)
著者:事故分析・コミュニケーション研究所代表 兼 化学工学会SCE・Net幹事 竹内 亮

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前回は、米国の労働安全衛生局(OSHA)のプロセス安全管理(PSM:Process Safety Management)14要素のうち、主軸を担う7要素について解説しました。今回は「6. 協力会社」と「9. 火気使用許可」について説明します。

図1:「安全な作業」を実現するには、「協力会社」と「火気使用許可」の徹底が欠かせない

図1:「安全な作業」を実現するには、「協力会社」と「火気使用許可」の徹底が欠かせない

1. 協力会社(Contractors)

化学プラントでは、自社だけでプラントの全業務を行うことは極めてまれです。ほとんどのプラントでは、業務の一部を協力会社に委託しています。例えば、タンクローリーに搭載した液体原料を原料タンクに移送する作業など、原料の輸送および荷卸しは運送会社に委託します。

また、設備の運転業務の一部を協力会社に委託することもあります。こうした専門的な作業に従事する協力会社の作業員には、安全な「作業手順」を知ってもらい、自社の従業員と同様に「トレーニング」を行う必要があります(PSMの要素「3. 作業手順」および「5. トレーニング」の詳細は、第1回を参照)。

また、プラントの工事や修理などで、請負会社の社員や下請けの作業員が、プラント内で監督や作業をすることも考えられます。たとえ一時的な入所作業だとしても、プラントの安全ルールに従って、安全に作業をしてもらいます。作業者が「火気使用許可」を知らずに火気を使用してしまった場合、大事故につながるかもしれません。

図2:協力会社にも作業手順とトレーニングを実施

図2:協力会社にも作業手順とトレーニングを実施

PSMの「6. 協力会社」の章には、協力会社に、プラント内で安全に作業をしてもらうため、プラント側と協力会社側の責任事項が記されています。PSMの主軸7要素に匹敵する、極めて重要な要素といえるでしょう。

プラント側の責任

  • 協力会社選定の際は、各協力会社候補について、安全の実績やプログラムを評価する
  • 協力会社に、請負作業に関連した火災、爆発、有害物質の流出の可能性を知らせる
  • 緊急時の行動計画の内容を説明する
  • 協力会社の従業員の入退場管理、エリア内の人員数の把握ができるように安全規則を定め、管理する
  • 定期的に、協力会社が義務を果たしているかどうかを評価する
  • 協力会社の業務災害の記録を保持する

協力会社側の責任

  • 安全に作業をするように、配下の全ての従業員・作業員を教育・訓練する
  • 全ての従業員・作業員に、作業中に発生する可能性のある火災、爆発、有害物質の流出について説明し、緊急時にはどのように行動すべきかを教える
  • 全ての従業員・作業員が安全教育を受け、その内容を理解したことを記録に残す。記録には、従業員・作業員の身元、安全教育の日程、内容理解の確認方法といった項目を含むこと
  • 全ての従業員・作業員にプラントの安全規則を守らせる
  • 万一、作業中に危険な事態が発生したり、発見したりした場合は、直ちにプラント側に報告する

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2. 火気使用許可(Hot Work Permit)

「火気使用許可」の位置付け

インドのボパール化学工場事故(1984年:最終的に1万5,000~2万5,000人が死亡したとされる)、米国テキサス州パサデナのプラスチック工場爆発事故(1989年:23人が死亡し213人が負傷)、オハイオ州シンシナティの樹脂工場爆発事故(1990年:1人が死亡し71人が負傷)、ルイジアナ州スターリントンのニトロパラフィン工場爆発事故(1991年:8人が死亡し約120人が負傷)などの大事故をきっかけに、OSHAは1991年にPSMを制定しました。

このときOSHAは、米国デュポン社のPSM(当時の呼称はPHM:Process Hazards Management)を参考にしたといわれています。

OSHAとデュポン社のPSMで異なる要素の1つに、「火気使用許可」の位置付けがあります。OSHAのPSMでは、「火気使用許可」は独立した要素であるのに対して、デュポン社では「作業手順と安全慣行(Operating Procedures & Safe Work Practice)」に含まれていました。

すなわち、「重機搬入許可」、「掘削作業許可」、「クレーン作業許可」などの許可制度と同様に扱われていたのです(もちろん、火気使用許可が軽んじられていたという意味ではありません)。

一方、OSHAのPSMが「9. 火気使用許可」を、独立した重要な要素として取り上げているのはなぜでしょうか? それは、OSHAがPSMを制定するきっかけとなった、複数の工場事故とも関係があります。

PSM制定の背景となった、米国テキサス州パサデナのプラスチック工場爆発事故、オハイオ州シンシナティの樹脂工場爆発事故、ルイジアナ州スターリントンのニトロパラフィン工場爆発事故など、大事故の多くが火災や爆発を伴うものでした。そのため、着火源としての火気使用は、他の作業許可以上に大切であると考えたのです。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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