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トップが率先!業務機密の開示&監査:プロセス安全管理の基礎知識5

化学プラントの安全管理とは?OSHAのPSMとは?:プロセス安全管理の基礎知識1

更新日:2016年6月23日(初回投稿)
著者:事故分析・コミュニケーション研究所代表 兼 化学工学会SCE・Net幹事 竹内 亮

前回は、米国の労働安全衛生局(OSHA)のプロセス安全管理(PSM:Process Safety Management)14要素のうち、「11. 事故調査」と「12. 緊急時対応計画」について解説しました。今回は連載の最終回です。プラントを管理するトップに求められる安全管理項目、「13. 監査」と「14. 業務機密」について説明します。

組織のトップに求められる「監査」と「業務機密」がPSMを完成に導く

図1:組織のトップに求められる「監査」と「業務機密」がPSMを完成に導く

1. 業務機密(Trade Secrets)

連載の第1回で、「4. 従業員の参加」を取り上げた際、従業員一人一人の本気の取り組みがなければ、どんなに整った安全管理システムを作っても実行が伴わず、意味がないことを説明しました。従業員だけではありません。プラントの設備を管理するトップが本気で取り組まなければ、やはり安全管理システムは機能しません。

一例を挙げましょう。「1. プロセス安全情報」に、「ある物質が特定の条件で爆発する」という情報があったとします。しかし、その情報をトップが企業秘密に指定して、誰にも知らせなかったとすると、「2. プロセスハザード分析」で検討されないまま、プラント設計が進んでしまいます。当然、その物質の爆発に対する対策は講じられず、危険が潜んだ設備が作られることになります。情報は「3. 作業手順書」に書かれることもなく、運転員の教育やトレーニングに反映されることもありません。

企業にとって、重要な情報が外部に漏れてしまうと、長年かけて開発したプロセスの価値がなくなってしまう恐れがあるのは事実です。しかし、そのために安全を犠牲にしてはならないというのが、PSMの「14. 業務機密」の考え方です。「設備の安全管理システムに関わる全ての従業員には、安全上必要な情報を全て開示しなければならない」と定められています。また、従業員に情報開示をするために、企業は情報に触れる従業員と「秘密保持契約(NDA)」を結ぶことを認めています。

秘密保持契約を結んで、情報を開示する

図2:秘密保持契約を結んで、情報を開示する

メータをチェック!(イプロス製造業)

2. 監査(Compliance Audits)

「14. 業務機密」に加えて、トップの役割として重要なのは「13. 監査」です。「監査」には、「従業員は安全規則を守って作業をしているか」、「設備に安全上の欠陥は生じていないか」など、生産現場を見て歩く「安全パトロール」も含まれますが、PSMがトップに求めている「13. 監査」の大切なポイントは、「PSMが守られているか」、「PSMが機能しているか」の定期的なチェックと、PSMに弱点や欠陥があった場合の、「PSMの是正および維持管理」です。

PSMの弱点や欠陥を見つけるために重要なのは「メトリックス(基準)」です。PSMでは、メトリックスを次の2つに分類しています。

  • 遅行測定基準(Leading Metrics):実際に起きた事故の結果の指標
  • 先行測定基準(Leading Metrics):事故が起こる前の安全対策実施状況(将来の結果の予測)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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