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力制御とインピーダンス制御:ロボット工学の基礎知識6

ロボット工学の基礎知識

更新日:2018年1月31日(初回投稿)
著者:福岡工業大学 工学部 教授 木野 仁

前回は、ロボットマニピュレータの運動学と位置制御について取り上げました。いよいよ最終回となる今回は、マニピュレータの力制御とインピーダンス制御を解説します。人間とロボットの握手を可能にした技術を学びましょう。

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1. 力制御とは

ロボットマニピュレータには、前回解説した位置制御のみでなく、エンドエフェクタに特定の力を発生させる動作も要求されます。エンドエフェクタの力を制御することを、力制御といいます。

エンドエフェクタが壁に接触して静止した状態で、力制御を行う場合を考えてみましょう(図1)。壁面と力の発生する方向が直交しており、力を与えてもエンドエフェクタの位置は変化しません。

図1:力制御のイメージ図

図1:力制御のイメージ図

マニピュレータの力制御を行う際には、各関節に発生するトルクと、エンドエフェクタに発生する力の関係をあらかじめ計算しておきます。この計算式は、各関節の角度とリンクの長さから幾何学的(図形的)に導き出せます。この式によって、目標の力を実現させるために必要な関節トルクを求めます。動かす際は、算出したトルクを各関節に再現させることで、目標の力を実現させます。

連載2回目に紹介した、関節駆動に直流モータを用いたマニピュレータの場合、直流モータの発生トルクは、入力電流の大きさに比例します。直流モータのトルクと関節のトルクは、ギア比などから一定の関係があるため、これを逆算して、関節の動作に必要な電流を直流モータに入力することで、エンドエフェクタの力制御を行えます。

しかし、この方法のみで力制御を行うと、実際には摩擦などの影響で、手先の発生力の精度が落ちます。精度の高い力制御を行うには、エンドエフェクタに力センサ(参照:第3回)を搭載し、計測した手先力をアクチュエータにフィードバックして、発生トルクを制御します。

図1の例では、エンドエフェクタが壁を押して静止している状態でした。実際には、エンドエフェクタを位置制御しながら、同時に力制御を行う作業が想定されます。このような場合には、位置制御と力制御を組み合わせ、同時に制御します。ただし、位置制御と力制御のそれぞれの成分が、もう一方の制御に影響を与えないように工夫する必要があります。

2. インピーダンス制御とは

次に、力制御を拡張したインピーダンス制御について紹介します。工場内の産業用ロボットのように、マニピュレータの作業現場が人間の作業現場と隔離されている場合には、人間の安全性は確立されています。しかしながら、昨今注目されているサービスロボットは、人間がいる空間での作業を前提としています。人間とロボットの運動が接触したり、協調的に行われたりする場合、ロボットが人間を考慮せず、力制御や位置制御などを行うと、接触する人間や周囲の人間に危害を与えてしまう可能性があります。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

参考文献:木野仁(著)、谷口忠大(監修)、イラストで学ぶロボット工学、講談社、2017年

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