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板金加工とは:板金加工の基礎知識1

板金加工の基礎知識

更新日:2017年9月29日(初回投稿)
著者:塑性加工教育訓練研究所 小渡 邦昭

工場の機械カバーや自動車のボディ、建築物の内外装など、板金加工はさまざまな製品に使われています。かつては手作業が主流であり、技術の進歩とともに用途も広がっていきました。本連載では、板金加工を行う上で理解しておくべき基礎知識について解説していきます。第1回は、板金加工とは何か説明します。

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1. 板金加工とは

板金加工とは、平らな金属板材を切ったり、曲げたり、溶接することで指定の形状を作る加工方法です。板金加工は、大きく分けて建築板金と工場板金に分けられ、建築板金には内外装板金やダクト板金、工場板金には打ち出し板金や曲げ板金、機械板金などがあります。(図1)。

図1:板金加工の種類

図1:板金加工の種類

これらの板金加工は、工場板金技能士・建築板金技能士の区分に従うと、3つに分類できます(図2)。

・建築板金:主に手で加工する。内外装板金(屋根板金)、ダクト板金
・工場板金:主に手で加工する。曲げ板金、打ち出し板金
・工場板金:主に機械で加工する。機械板金、数値制御タレットパンチプレス板金

図2:板金加工の区分例と実際の加工方法・製品

図2:板金加工の区分例と実際の加工方法・製品

金属板を手作業でたたいて加工するには、道具、材料、材料を変形させる力の3つが必要です。道具は治具(金型)と呼ばれ、治具を動かすためには、人間の力が必要です。より大きな力が必要な場合には、テコの原理を利用した道具や、動力を利用した機械を用います。

2. 建築板金とは

建築板金とは、屋根・外壁・ダクトなどの建築構造物を、板金加工で作成することです。製品には、建築物の外側(屋根などの施工)と、内側(調理場など、設備を作る作業)の2種類があります。建築板金に使用する材料は、亜鉛鋼板、カラー鋼板、ステンレス鋼板などです。厚さ1mm以下の板材が利用され、施工後に塗装が行われることはありません。

・亜鉛めっき鋼板:亜鉛めっき加工された鋼板。亜鉛鉄板、トタン板とも呼ばれる。
・カラー鋼板:表面に塗料が塗布された鋼板。色調による意匠性や、耐食性などに富む。
・ステンレス鋼板:鉄に、クロムやクロムニッケルを添加した鋼板。高い耐食性を示す。

ダクト板金は、空調経路を構築する配管などの施工に利用され、主に薄い亜鉛鋼板を使用します。接合に溶接を用いることはほとんどなく、シーミング(ハゼ組)という手法を用います(図3)。

図3:シーミング(ハゼ組)

図3:シーミング(ハゼ組)

3. 工場板金とは

工場板金とは、さまざまな工業製品に使われる製品・部品を、板金加工で作成することです。工場板金の代表的な製品は、工場内部の機械カバーです。単品生産なので、図面や展開図の作成は個別に行います。展開図とは、立体の表面を切り開いて、平面状に広げた図です。展開図を折り曲げると、元の立体になります(図4)。板金加工では、金属板を折り曲げて製品の形状にするため、展開図を描く必要があります。

図4:展開形状と製品形状

図4:展開形状と製品形状

三次元形状を作る際には、打ち出し板金という手加工を用います(図2)。モーターショーなどに展示されるコンセプトカーの外板や、列車の先頭部分などは、打ち出し板金で作られます。一方、スチール家具や書棚などの量産品は、機械を利用した機械板金によって生産されます(図2)。数値制御で加工を行うため、精度に優れ、大量生産が可能です。板厚1mm以上の鋼板が利用されることが多く、加工後に塗装などの処理を行います。板厚が厚いことから、接合には溶接が利用されます。

4. 板金加工の本質

板金には多くの種類があります。それぞれの板金加工は、全く別のものなのでしょうか? 例えば、機械板金の技術者にとって、建築板金は専門外だから関係ないのでしょうか。

それぞれの板金作業の詳細を見てみましょう。まず、薄い板状の金属材料(板金材料)を平面で切断し、立体形状へ曲げていきます。加工の際、治具の間に挟んだ板金材料を、人間の腕の力や、機械の力によって変形させます。これが、板金作業の基本的な工程です。機械や建築という名称は、用途や加工の特徴を表現しただけで、基本的な工程は同じです。材料や道具が異なるだけで、加工現象には多くの共通点があります。

本来、板金加工は製品を作るための手段です。製品は、目的を果たすための機能を満足する必要があります。しかし、形を作り上げただけで満足な製品はできません。どのように材料を変形させ、それが材料や製品形状にどのような影響を及ぼすかを確認することで、目的に沿った製品に仕上げることができるのです。そのため、狭い範囲の専門にこだわるのではなく、板金加工全体に目を向け、本質を理解する必要があります。これが、製品設計のアイデアにもつながります。

いかがでしたか? 今回は、板金加工とは何かについて説明しました。次回は、板金加工に用いられる材料を紹介します。お楽しみに!

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