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スマートメーターがグリッド制御の要に:スマートグリッドの基礎知識5

スマートグリッドの基礎知識

更新日:2020年7月31日(初回投稿)
著者:YSエネルギー・リサーチ 代表 山藤 泰

これまでの電気メーターは、電力の消費で発生する磁界によって金属の円盤を回転させ、その回転数を電力消費量として数字(kWh)で表示していました。電気料金を徴収するためには、検針員がこの数値を確認し、記録しなければなりません。最近では、この電気の流れをセンサで測定してデジタルデータとして保存し、一定時間ごとに無線通信で送るスマートメーターに切り替わりつつあります。これにより、検針員が不要になるだけでなく、需要家ごとの電力消費量の変化を正確に把握できるようになります。今回は、グリッド制御の要となるスマートメーターについて解説します。

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1. スマートメーターの機能

電気料金は、電気の消費量を計量することによって、一定間隔(日本では毎月・国によって隔月、半年ごとなど)で徴収されます。従来、計量に使われてきたアナログ方式のメーターは、積算された数値(kWh)だけを表示します。それを検針員が見て記録し、その戸別データをコンピュータに入力して、料金計算をしていました。スマートメーターの場合は、電力の消費によって変化する電圧・電流をセンサで測定し、内蔵の半導体メモリ(記憶装置)にデジタルデータとして保存します。そのデータを、無線通信機能によって一定間隔(日本では30分)で地域ごとに設置された受信装置に送り、さらにそこから、戸別のデジタル情報を全体処理するデータセンターに送ります。隣にあるスマートメーター経由で、地域の受信装置に伝送することもあります。

図1:従来型電気メーターとスマートメーター

図1:従来型電気メーターとスマートメーター(引用:東京電力パワーグリッド株式会社ウェブサイト

スマートメーターの取り付けは、アメリカから始まりました。世界的に見ると、その普及はいまだ途上段階といえます。日本の取り付け進捗状況を、図2に示します。2024年頃までには取り付けが完了する予定です。諸外国での取り付け状況は、図3で示すように、国によって大きな差があります。

スマートメーターの取り付けがアメリカで始まったとき、プライバシーの侵害になる、メーターからの電波で健康を損なう、などの理由で拒絶事例が発生し、訴訟になったものもあります。しかし、今ではスマートメーターの取り付けは、ほぼ義務化されています。拒否することもできますが、その場合は一定額の費用の支払いが必要となります。

ヨーロッパでは、EUが加盟国に対して早期取り付けを要請しています。イタリアでは取り付けが100%近くである一方、ドイツでは議会が個人情報を侵害すると反対し、導入が進んでいません。イギリスはEUを離脱しましたが、早期取り付け目標を変えていません。しかし、メーターが建物内に設置されていて立ち入りを拒まれることも多いため、政府担当部局の想定よりもかなり少ない取り付け数になっています。

イタリアで導入が進んだ背景には、多発していた盗電がスマートメーターの取り付けによって激減し、電力事業の収支が向上したことがあるといわれています。盗電を行うには、メーターが回らないように、メーターを一時的にバイパスして配線します。その時には電気メーターに電気が流れないため、1日に何回も電力消費を測定するスマートメーターの場合、すぐ異常な消費として見つかってしまうのです。

図2:スマートメーターの導入状況〈低圧、2016年11月末時点〉

図2:スマートメーターの導入状況〈低圧、2016年11月末時点〉
(引用:電力・ガス取引監視等委員会、第15回制度設計専門会合事務局提出資料~「電力市場における競争状況の評価」の概要について~、2017、P.85)

図3:諸外国のスマートメーター普及率

図3:諸外国のスマートメーター普及率
引用:資源エネルギー庁(三菱総合研究所作成資料)「スマートメーターのデータ活用の促進等に関する調査」P.74

2. 電力需要が正確に把握でき、検針員も不要になる

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 電力消費を的確に予測し、制御もできる

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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