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太陽光発電こそ最廉価発電方式:太陽光発電の基礎知識5

太陽光発電の基礎知識

更新日:2019年11月19日(初回投稿)
著者:イー・エムケー・ワン協会 代表 小西 正暉

前回は、太陽光発電の特長と弱点を説明しました。太陽光発電は、世界的には最廉価発電方式になったにもかかわらず、日本では高額のままです。今回は、太陽光発電による発電単価の国内外の現状、発電単価を低減させるための方策、日本が取り残されている原因などを説明します。また、必要なとき必要な電力を取り出せないという、太陽光発電の最大の欠点を解消できる、蓄電池付き太陽光発電による発電単価の現状を推測します。

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1. 太陽光発電の経済性

太陽光発電による発電価格が、既存の電気料金を凌駕(りょうが)するのは難しいと思われた時代が長く続きました。しかし、温暖化対応として太陽光発電が注目され、ドイツで市中の電気料金より高額で買い取ってもらえるFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)がスタートしたことで、太陽光発電ビジネスは一気に広がりました。

FITはスペイン、イタリアと、ヨーロッパ全土に広がり、ソーラーパネルの生産量も急増しました。その結果、ソーラーパネルの価格は劇的に下がりました。現在では、0.3ドル/Wを切るまでに下がっています。1枚300Wのソーラーパネルなら約1万円です。発電単価は図1に示すとおり、2016~2017年頃より、日射量の多い地方では5セント/kWhを下回るようになりました。

図1:太陽光発電による発電単価の推移

図1:太陽光発電による発電単価の推移(出典:IRENA

一方、アメリカでもDOE(United States Department of Energy:アメリカエネルギー省)主導の下、Sun Shot 2030と題して、太陽光発電による発電単価を下げる努力がなされています。図2は、2016年時点での発電単価7セント/kWhを、2030年に3セント/kWhまで下げる具体的な手順を示したものです。

図2:アメリカ政府の7セント/kWhから2030年3セント/kWhに下げるための行動計画

図2:アメリカ政府の7セント/kWhから2030年3セント/kWhに下げるための行動計画(出典:アメリカエネルギー省

アメリカは、日射量が極端に多い砂漠からアラスカまでを有する広い国です。そのため、カリフォルニア州のダゲット(高日射地点)、ミズリー州のカンザスシティ(中日射地点)、ワシントン州のシアトル(低日射地点)の3地点を代表地点として選んでいます。中心値に示されている現状(Benchmark)の7セント/kWh、ゴールの3セント/kWhは、東京より少し日射量の多いカンサスシティの値です。

2. 日本の太陽光発電の実力

日本での発電単価はどうでしょう。図3に示すように、最新の値は15.2円/kWh(メガソーラー発電所の場合)です。日本より日射量が少ないドイツでさえ8.3円/kWhなので、2倍近い値です。なぜこんなに差が開いてしまったのでしょう。

図3:各国の太陽発電による発電単価

図3:各国の太陽発電による発電単価(出典:資源エネルギー庁・調達価格等算定委員会

かつてはソーラーパネルが高価でした。約20年前は太陽光発電システム全体の3/4のコストをパネルが占めていました。しかし、それが1/2になり、今ではパネルの占める割合は1/3~1/4です。

ヨーロッパは、コストの大きな部分を占めるパネルを設置するための架台や設置費用、あるいは配線の工事費を下げるべく努力を続けてきました。ヨーロッパには台風が来ない、という指摘があるかもしれません。しかし、彼らは巨大な扇風機を並べて耐風試験を行い、ぎりぎりのローコスト架台設計を試みました。図4は、ソーラーパネルとパワーコンディショナーを除いた周辺機器(BOS:Balance of system)の国別コスト比較です。驚くことに、日本はドイツの3倍以上です。

図4:ソーラーパネルとパワーコンディショナー以外(BOS)のコスト内訳

図4:ソーラーパネルとパワーコンディショナー以外(BOS)のコスト内訳(出典:IRENA

ソーラーパネル自体についても、彼らは純ビジネス的な対応を行いました。かつて日本のソーラーパネルが世界の半分以上を占めていた時代、安い中国製がヨーロッパに流入しました。その時点では、日本と中国の品質の差が歴然としていたため、中国製はメイン市場のヨーロッパから追い出されました。その後、当然のこととして、中国製のソーラーパネルの品質が向上しました。それでも日本製との品質の差は歴然だったものの、新しいビジネスモデルが考え出されました。

発電事業者にとって、最も重要なことは安いコストの電力を得ることです。ソーラーパネルの故障は確率的に発生するため、ある品質レベルに達したパネルであれば、故障による発電量の低下の差は大きくありません。そこで、発電量の低下を保険金で賄うことにしました(保険による発電保証)。

パネルの価格と故障発生確率、そして保険料の3つのパラメーターから、購入すべき最適なパネルとして中国製が選ばれる確率が増えました。その結果、中国製パネルの生産量は激増し、それに伴い生産コストが下がるという好循環を繰り返すようになりました。

3. 発電単価を左右するパラメーター

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 蓄電池付き太陽光発電システムによる発電単価

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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