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室内音場とは:防音の基礎知識6

防音の基礎知識

更新日:2018年8月30日(初回投稿)
著者:日本音響エンジニアリング株式会社 音空間事業本部 企画営業部 副部長(一般社団法人日本音響材料協会 音響基礎講習会 第4講 講師)津金 孝光

前回は、騒音・振動の防止設計と、遮音構造の落とし穴になる事例を紹介しました。今回は、室内音場を取り上げます。コンサートホール、テレビスタジオ、教会、会議室、大型スタジアムなど、空間の用途に応じて、残響と反響を設計する必要性とその方法を学びましょう。

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1. 室内音場とは

室内音場とは、床・壁・天井などによって閉ざされた室内空間における、音の振る舞いです。特徴的な現象に、残響(Reverberation)と反響(Echo)が挙げられます。

残響とは、室内で音を出した時、その音を止めた後も響きがしばらく残る現象(音のエネルギーが滑らかに減衰)です。コンサートホールで、音楽を潤い豊かに聞くためには、不可欠です。しかし残響が多くなると、一般的に音の明瞭性が悪くなります。そのため、講堂や会議室など、人の会話を聞くことが主途となる室内では、過度な残響は使い勝手を悪くしてしまいます。

反響とは、短い音を出した時に、その音に遅れて、1つまたは連続した多数の反射音が分離して聞こえる現象です。馴染みのあるところでは、山びこも反響の一種です。室内で、特に反射面が平行している場合には、その間で反射が繰り返され、連続的なエコーが生じます。これをフラッターエコーといいます。天井に荘厳な竜の絵が描かれた日光東照宮の薬師堂では、絵の真下で手をたたくと起こるフラッターエコーを鳴き竜と称し、名所となっています。しかしホールや会議室、教会など、音響特性が重視される室内では、音響障害となるため、極力防ぐ必要があります。

2. 吸音と室内音場

室内の残響の長さを表す指標として、残響時間(Reverberation Time)があります。残響時間とは、音の響きの長さを示す量のことです(図1)。室内音場として拡散音場(音のエネルギー密度がほぼ均一で、かつエネルギーの流れが等方的な音場)を仮定した時に、室内で音源から音を出し、音のエネルギー密度が定常状態になった後に音源を停止させ、エネルギー密度が1/106(100万分の1、-60dB)に減衰するまでの時間です。拡散音場の仮定に基づけば、残響時間は吸音材の配置、音源点・受音点の位置によらず、一定になります。実際には、音場の拡散の程度によって、多少変化します。

図1:残響時間の定義

図1:残響時間の定義(引用:一般社団法人日本音響材料協会、音響技術No.54、1986年6月、P.52)

残響時間を示す式はいくつかあります。ここでは、アメリカの物理学者ウォーレス・クレメント・セイビン(以下Sabine)の残響式を図2に示します。

図2:Sabineの残響式

図2:Sabineの残響式

このSabineの残響式には、2つのポイントがあります。1つ目のポイントに、室内空間の室容積が大きいと、必然的に残響時間は長くなることが挙げられます。第2に、平均吸音率と室内空間の総表面積を乗法した等価吸音面積(吸音力)が大きいと、残響時間は短くなることです。つまり残響時間を短くするためには、第1に室内空間の室容積を小さくし、第2に吸音率の大きい材料を床・壁・天井などの表面に多く配置することが必要となります。

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3. 室内音場の問題が起きやすい3事例

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:一般社団法人日本音響材料協会

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