メニュー

音響測定の方法:防音の基礎知識7

防音の基礎知識

更新日:2018年10月17日(初回投稿)
著者:日本音響エンジニアリング株式会社 音空間事業本部 企画営業部 音響グループ シニアエンジニア(一般社団法人日本音響材料協会 音響基礎講習会 第5講 講師)福満 英章

前回は、音への特別な配慮が必要な空間で重要となる室内音場を解説しました。最終回となる今回は、建築現場における音響測定の方法を説明します。騒音計・振動レベル計・測定用ノイズ発生装置などの計器の使用方法にも言及します。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. 建築音響分野の音響測定

建築音響分野では、さまざまな音響測定が行われます。音響測定の目的は、あいまいな人の感覚を人の聴感に対応する物理特性に置き換えることで、音響特性を客観的に評価することです。本来、人の耳は微妙な音の変化を聴き分けられる、非常に高度な能力を持っています。しかし、それは人の聴覚を通した記憶であり、音源の停止とともに音が消えてしまえば、音の正確な比較は容易ではありません。

音響測定に使用する測定機器、測定方法、評価方法に関する規格は、JIS(日本工業規格)、ISO(国際標準化機構が発行する規格)、IEC(国際電気標準会議が発行する規格)などによって厳密に整備されています。その規格を守ることにより、音響特性を同一条件下で客観的に評価することが可能になっています。

建築現場での代表的な音響測定には3つの測定方法があります。騒音測定(JIS Z 8731 環境騒音の表示・測定方法)、遮音測定(JIS A 1417 建築物の空気音遮断性能の測定方法)、床衝撃音測定(JIS A 1418-1建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法:標準軽量衝撃源による方法、-2 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法:標準重量衝撃源による方法)の3つです。なお、遮音測定の評価方法はJIS A 1419-1により、床衝撃音測定の評価方法はJIS A 1419-2により規格化されています。各測定方法、評価方法の詳細は、第4章で解説します。

音響測定で重要なポイントは3つあります。騒音や音源の特性に合わせて音の物理的な大きさを正しく測定すること、その周波数特性(音色の特徴)を知ること、測定規格に沿うことにより正確で再現性の良い音響測定データを取得することの3つです。

2. 騒音計、振動レベル計

音響測定に使用する計器として、騒音計と振動レベル計を紹介します。騒音計とは、マイクロホンにより音圧レベルを計測する測定器です(図1)。振動レベル計とは、振動ピックアップにより振動レベル(振動加速度レベル)を計測する測定器です(図2)。近年はほぼデジタル化されており、いずれもセンサに入力される音や振動の電気信号の変化を、音圧レベルや振動加速度レベルの変化として表示・出力するものです。

図1:騒音計(左から2機がリオン株式会社製、右1機が株式会社小野測器製)

図1:騒音計(左から2機がリオン株式会社製、右1機が株式会社小野測器製)

図2:振動レベル計(リオン株式会社製)

図2:振動レベル計(リオン株式会社製)

1:騒音計の設定と使用方法

騒音計(JIS C 1509-1 サウンドレベルメータ(騒音計):仕様、-2 サウンドレベルメータ(騒音計):型式評価試験)を使用する場合、測定前に、測定目的に合わせた3つの基本設定を行う必要があります。まずは周波数重み特性の設定です。dB(A)、dB(C)の聴感補正回路、dB(F)のフラット特性回路の選択を行います。次に、時間重み特性の設定を行います。音源の特性に合わせ、メータの動特性(Fast、Slow)を選択します。なお、人の聴感特性は、Fastに近いといわれています。最後に、ダイナミックレンジを設定します。ノイズに埋もれない、またオーバーロードしない最適な測定レンジに設定しましょう。

ここで、周波数重み特性について、詳しく説明します(図3)。人が感じる聴感上の音の大きさ(ラウドネス)は、同じ音圧であっても音の周波数によって異なり、通常は低音域に対して鈍感な感度特性をしています。さらに、人の耳の特徴として、音の大きさによってその周波数特性が異なることが知られています。音の聴感的な大きさが一定となる純音の音圧レベルを結んで得られる等感度曲線を、等ラウドネス曲線と呼んでいます。dB(A)は、1kHzで40phonの大きさに聞こえる等感度曲線の逆特性に近似した聴感補正回路で、一般的な騒音測定の評価に使用されています。一方、dB(C)は90phonの等感度曲線の逆特性に近似し、低音域の感度が上昇した聴感補正回路で、大きな音の騒音評価の際に使用されます。dB(F)は、周波数特性がフラットで、音の物理特性をそのまま周波数分析する時に使用します。

図3:周波数重み特性 dB(A)、dB(C)、dB(F)

図3:周波数重み特性 dB(A)、dB(C)、dB(F)

なお音響測定前には、音圧レベルを正しく計測するために、音響校正器を用い、騒音計の指示値が正しい値を示しているか確認する必要があります(JIS C 1515 音響校正器)。

音は時間により変動するので、音源の種類や特徴によって、指示値の平均値、エネルギー平均値(Leq.)、ピーク値の平均値、時間率騒音レベルなど(L50、 L95など)、適切な分析方法で測定します(JIS Z 8731環境騒音の表示・測定方法)。現在は、デジタル式の積分型騒音計が主流です。計測したサンプリングデータからエネルギー平均値や時間率騒音レベルを演算・表示するので、数値を簡単に得ることができます。図4は、積分型騒音計の表示画面イメージです。

図4:リアルタイムアナライザ機能付き積分型騒音計の表示画面イメージ(リオン株式会社製、左:騒音レベル表示画面、右:オクターブRTA表示画面)

図4:リアルタイムアナライザ機能付き積分型騒音計の表示画面イメージ(リオン株式会社製、左:騒音レベル表示画面、右:オクターブRTA表示画面)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 周波数分析

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 現場における実務的な音響測定

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:一般社団法人日本音響材料協会

  • セミナー12月
  • 寄稿募集
  • 基礎知識一覧

ピックアップ記事

tags

  • 特集バナー1029_01
  • 特集バナー1029_02
  • 特集バナー1029_03
  • 特集バナー1029_04