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静電気事故の原因:静電気対策の基礎知識2

静電気対策の基礎知識

更新日:2018年12月21日(初回投稿)
著者:工学院大学 工学部 電気システム工学科 准教授 市川 紀充

前回は、静電気の発生原理や防止方法、放電の種類について解説しました。静電気は、電子機器の性能に影響を与えるだけでなく、着火・爆発の大事故につながることがあります。今回は、静電気が起こす事故の傾向、事故事例、着火・爆発に至るケースを取り上げます。

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1. 静電気で生じる事故の傾向

静電気が原因で起こる電子機器の誤動作や故障、火災や爆発の事故は、冬に限ったものではありません。室内でエアコンを使用すると、相対湿度が低くなり、夏も静電気の事故が発生します。相対湿度が低い室内でPCのメモリを増設するとき、帯電した人が電子回路基板に手を近づけると、そこに誘導電圧が発生します(図1)。その誘導電圧が、電子部品が故障する電圧を超えると、壊れることがあります。帯電した人が手にドライバを持っていれば、そのドライバの先に静電気が発生しているので同じことが起こります。

図1:手の静電気による誘導電圧の発生イメージ

図1:手の静電気による誘導電圧の発生イメージ

また、電子機器の前を帯電した人が横切るだけでも、誘導電圧が発生し、機器の故障につながることもあります。電子部品に手を触れなくても、故障するのです。最先端の電子機器や燃料電池自動車の開発現場では、誘導電圧で起こる電子機器の誤動作・故障や、静電エネルギーで起こる火災や爆発を防止する対策を打つ必要があります。冬は、特にノートPCの動作不良が起きやすくなります。このような電子機器の動作不良も、静電気が原因となることが多いようです。

エアコンを付けた室内で誰かが動けば、静電気が発生します。室内で人が動いている限り、静電気による事故の可能性があります。液晶ディスプレイの製造工場では、静電気が原因で起こるほこりの付着の問題は無視することができません。エアコンがなかった頃と比べると、静電気の事故は増えています。静電気対策用のリストバンドを着用するなど、帯電予防をすることが大切です(図2)。

図2:静電気対策用リストバンドを付けた作業

図2:静電気対策用リストバンドを付けた作業

2. 静電気が原因の事故事例

静電気は人が動くことや、物を動かすことなどで発生するため、工場では、粉体を容器に投入するときや、灯油やガソリンを入れるとき、ドラム缶を持ち上げるときなどに静電気の事故が発生します。厚生労働省が公開している労働災害事例から、静電気が原因のもの10個示します。

事例1:カッター部プレスコンベヤ運転中、被災者が安全カバーを開け、ベルト上部の押さえガイドをハンマーで高さ調節を行っていた際、作業ジャンパーが駆動チェイン部に巻き込まれ、手首および第4指と第5指を損傷した。原因は、コンベヤベルトにあるペーパータオル(上部1枚)に静電気が発生したため。(2012年2月)

事例2:乾燥工場で、遠心分離工程において2人で作業中、遠心分離機から乾燥機への粉体のかき取り状況を見るため、シュータの上部に取り付けているのぞき窓を開け、粉体が滑り落ちる様子を確認している際に、爆発。やけどを負った。原因は、結晶粉体(有機溶剤約5%含有)を移送中に静電気が発生し、着火したため。(2012年2月)

事例3:作業台をゴム揮発油で湿らせた布で拭いていた掃除中、新しい布をゴム揮発油に入れた途端、静電気が起こり、発火。両手をやけどした。(2012年12月)

事例4:トルエンを1斗缶から別の1斗缶に移す作業中、缶同士が接触した際、静電気により発火。やけどを負った。(2013年4月)

事例5:サファイヤ結晶育成に用いる掃除機のごみ回収作業中、ごみをビニール袋に回収しようとしたところ、静電気が発生し、発火。首から顔にやけどを負った。(2013年5月)

事例6:飲料工場内の砂糖庫にて、ホッパーにグラニュー糖を投入中、コンテナバッグの下を閉じていたところ、静電気・漏電の電気が走ったような痛みを腕に感じた。(2013年5月)

事例7:静電気がシンナーに引火したため発火。火災につながった。(2014年4月)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 静電気が原因で着火・爆発するケース

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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