メニュー

内燃機関のサイクル:熱工学の基礎知識2

熱工学の基礎知識

更新日:2020年7月31日(初回投稿)
著者:信州大学 名誉教授 平田 哲夫

前回は、熱エネルギーを運動エネルギーに変換する熱機関の原理を説明しました。今回は、ピストン式内燃機関とガスタービンのサイクルを解説します。熱エネルギーを仕事に変換して、動力を生み出す装置を、熱機関といいます。熱機関は、外燃機関と内燃機関に分類されます。外燃機関とは、機関の外部から熱を加えて作動流体を加熱するものを指します。一方、内燃機関は、自動車のエンジンのように機関の内部で燃料を燃焼させ、作動流体を加熱するものを指します。本稿では、内燃機関の動作原理やサイクルについて取り上げます。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. ピストン式内燃機関の動作原理

自動車などのエンジンは、ピストンとシリンダなどから構成されます。図1に、ガソリンエンジンの構造を示します。ピストンは、上死点と下死点の間を往復運動し、クランク機構を用いて回転運動に変えます。上死点とは、ピストンが最も左に移動し、ガスが最も圧縮された状態の点をいいます。下死点とは、ピストンが最も右に移動し、ガスが最も膨張した状態の点をいいます。

吸気弁と排気弁、および点火プラグなどは、シリンダ頭部に設置されています。吸気弁は、ガソリンと空気の混合気をシリンダ内へ導きます。点火プラグは、圧縮された混合気に電気火花で着火します。このとき混合気は爆発的に燃焼し、その燃焼ガスはピストンを押し出して動力を生み出した後、排気弁を通って外部へ排出されます。

図1:ピストン式内燃機関の構造

図1:ピストン式内燃機関の構造

内燃機関は、吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の過程を繰り返します。図2に、4サイクルガソリンエンジンの動作を示します。ここでいう4サイクルとは、ピストンの上死点から下死点(または下死点から上死点)の動作を1つのサイクル(行程)として、4つの行程から構成されるものをいい、2往復に1回の燃焼を行います。

図2:4サイクルガソリンエンジンの動作原理(引用:平田哲夫、他2名、例題でわかる工業熱力学(第2版)、森北出版、2019年、P.31)

図2:4サイクルガソリンエンジンの動作原理(引用:平田哲夫、他2名、例題でわかる工業熱力学(第2版)、森北出版、2019年、P.31)

4サイクルガソリンエンジン動作原理を、図2の(1)~(4)を用いて説明します。

(1) 吸気過程
ピストンは上死点から下死点に移動し、空気とガソリンの混合気を吸気弁から吸入します。このとき排気弁は閉じています。

(2) 圧縮過程
ピストンは下死点から上死点に移動し、吸入した混合気を圧縮します。このとき吸気弁と排気弁は閉じています。

(3) 燃焼・膨張過程
圧縮された混合気に、点火プラグで着火します。そうすると混合気は爆発的に燃焼し、シリンダ内の圧力と温度は急激に上昇します。燃焼ガスはこのとき発生する高圧力により、ピストンを上死点から下死点に押し出し、仕事(動力)を外部へ生み出します。このとき吸気弁と排気弁は閉じています。

(4) 排気過程
燃焼したガスは再び燃えることはないので、ピストンは下死点から上死点に移動して、排気弁を開いて外部へ放出します。このとき吸気弁は閉じています。

内燃機関の動作は、(1)→(2)→(3)→(4)を連続的に繰り返します。仕事を生み出すのは(3)の膨張過程だけです。その他の過程で必要となる仕事は、(3)の膨張過程で生み出された仕事の一部を用います。

2. ピストン式内燃機関のサイクル

前項で説明したガソリンエンジンの動作を、p-V線図に表します(図3)。なお、図2図3(a)の4つの過程はそれぞれ対応しています。

図3:ガソリンエンジンのサイクル

図3:ガソリンエンジンのサイクル

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. ピストン式内燃機関の効率向上法

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. ガスタービンの動作原理

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. ガスタービンのサイクル

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

    ピックアップ記事

    tags