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VRの基礎知識

VRの基礎知識

著者:株式会社桜花一門 代表取締役 高橋 建滋

CGなどで描かれた、実際には存在しない物事を、あたかも目の前にあるかのように再現するVR―Virtual Reality。近年では、ゲームなどのエンターテインメント分野にとどまらず、医療や教育、自動車・建設業での研究開発や研修など、さまざまな分野での導入が始まっています。本連載では、6回にわたりこのVRに関する基礎知識を解説します。初回となる今回は、VRの定義について紹介します。

第1回:VRとは

1. VRを「仮想現実」と訳していませんか?

皆さんは、VR―Virtual Realityを、どのように訳しているでしょうか。ほとんどの人は、「仮想現実」と答えます。仮想とは、国語辞典では「実際にはない事物を、仮にあるものとして考えてみること。仮に想定すること」とあり、大方のイメージとしては、偽物のような感じがすると思います。しかし、実際のVirtualの正しい翻訳は、「事実上の」というものです。もう少し軟らかく、「ほぼ」と訳してもいいでしょう。「事実上の現実」「ほぼ現実」という訳が、Virtual Realityの本来に近い意味合いになります。

VR=ほぼ現実

そして、もう一歩踏み込んで「その人がほぼ現実と認識できれば、何でもVirtual Realityである」と考えて良いのではないでしょうか。今回は、このVRについて、広義での意味と狭義での意味、さらに近年話題となっているヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)について解説します。

2. 広義の意味でのVR

広義の意味でのVRとは、ほぼ現実と思える現実世界を模したものは、全てVRであるという考え方です。そして、現実だと思い込むためには、視覚だけでなく、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などのさまざまなアプローチがあります。

例えば、体感型(4D)を利用した映画館は、作品の映像や音声に合わせて座席が上下左右に移動したり、風、水、ミスト、香り、煙などを体感できます。映画をただ座って見る、という枠を超えて臨場感や、空気感などを味わって五感が刺激され、まるでそこにいるかのような感覚になります。

その他、サファリパークなども、そこが「ほぼアフリカ」だと認知できるのであれば、VRアフリカと名乗ってもいいでしょう。ただ、どのようにすれば、ほぼそうだと感じられるでしょうか。そのことは、人間の認知の分野になるので、こうすれば良いという正解は存在しないと思います。複数の人が同じ物を見ても違う感想が出るように、全ての人に「ほぼ現実」だと認知させるのは難しいことです。

3. 狭義の意味でのVR

狭義の意味でのVRとは、ここ数年話題に上るHMDを使ったVRです。VRを使うと、視覚的には「ほぼ現実」と思わせることが容易になります。人間は、視界の7割を映像に占められると、現実と映像の区別がつかなくなるという説があります(諸説あり)。例えば、電車に乗っていて、対面の列車が動いた時、自分の列車が動いているのか、向こうの列車が動いているのか曖昧になる、という生理現象があります。これを、視覚誘導性自己運動感覚といいます。そしてHMDは、ディスプレイと顔面をバンドなどで固定することによって、そのような感覚を簡単に作り出すことができます。

しかし、視覚だけで「ほぼ現実」と思うことは困難です。人間の認知には、他にさまざまな追加要素が必要になってくるからです。例えば、自分の体はどうでしょうか。視界の端に自分の手や足が入っていないと、何か違和感があります。鼻が高い海外の人は、視界の端に鼻が入っていないことに違和感を覚える、ということもあるようです。そのため、最近のVR HMDには、手の動きを取得できるコントローラが基本で付属しています(図1)。HMDとハンドルコントローラ。このセットが、狭義の意味でのVRの基本機材であり、このセットを使って何を作るか、またこのセットに何を足せば作れるかを考えるのが、狭義の意味でのVRの制作論になります。

図1:HMDと、付属するハンドルコントローラ

図1:HMDと、付属するハンドルコントローラ

4. AR、MR、xRとは

ここまで、VRの一般的な意味について解説しました。しかし、ひと口にVRといっても、その特性や位置付けによってARやMR、さらにxRなど、Rが付く呼び方が数多くあります。これらについて、まず各用語の説明をしてから、大筋の流れを解説していきます。

狭義の意味でのVRは、図2のように目の前にモニタを置き、外界を遮断してモニタだけを見せることで成立します。

図2:VRの概念図

図2:VRの概念図

では、ARとは何でしょうか。図3のように、まず外界を透かし見ることのできる透過式のモニタを使用、もしくはカメラで撮影した外界をモニタに投影します。さらに、CGで作成したデジタル映像を、モニタ上に重ね合わせて表示することで、現実をベースにしたVRを作ることができます。この方式を、AR(Augmented Reality)と呼びます。

図3:ARの概念図

図3:ARの概念図

次は、MRについて説明します。これは、提唱者Paul Milgramによると、リアル(R)からAR、VRまでの領域を全て表した概念、つまりMixed Realityということで、通称MRと呼ばれます。具体的には、前述の、外界(現実)を透過できるモニタがあるとして、現実とそれに重ね合わせるCGの量を調整していくと、現実にもVRにもなります。CGの量を減らしていけばARから現実になり、逆にCGの量を増やして現実を完全に無くせばVRになります。このように、RやVR、ARには、はっきりとした境界はなく、グラデーションのように調整できる、という概念を表したのが、MRなのです。

最後に、xRについてです。これは、VRの「R」につながる用語の頭文字として、AやM、V、Sなど、今後さまざまな用語が増えてくることが予測できるため、それらを全部まとめて「xR」と呼ぶことにしたものです。

いかがでしたか? 今回は、VRについての基本的な概念を解説しました。本連載では、主に狭義の意味でのVRをベースに話を進めて行きます。次回は、VRの歴史について解説します。お楽しみに!

 

第2回:第二次VRブームから2019年の流れ

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VRとは何か? 前回は、その広義の意味と狭義の意味について解説しました。今回は、2012年に始まる第二次VRブームから2019年に至る、VRの歴史について解説します(今回の内容につきましては、あくまで私、個人から見た視点であることをご承知おきください)。

1. OculusRiftデビュー

2012年夏、ゲームの中に入り込めるVR機材が、クラウドファンディングサービスであるキックスターターに登場、というニュースが、ツイッター上に投稿されました。ガジェット界に強い影響力を持つ人などは、こぞってこの記事を取り上げました。そのころ、スマートフォンの普及のため量産された液晶パネルとジャイロセンサを使った実働するデモが既にあったことや、ゲーム業界のレジェンド・エンジニア、ジョン・カーマックが推薦していること、そして、何より300ドル(当時の日本円で2.4万円)という安価であることなどが後押しとなって、全世界で9,522名もの人が事前購入をしました(この中には、10名ほどの日本人が含まれていました)。これによって、約1.6億円(当時のレート)の資金が集まり、OculusRiftDK(開発者バージョン)の量産が開始されました。

2. 2013年GW初日

OculusRiftDKの発売は、当初の予定では2012年の年末でした。そこから遅れること4ヶ月、2013年GW初日、やっとのことで現物が購入者の手元に届きました。製品を入手できた日本人10人のうち数名は開発者であり、OculusRiftDKで稼働する専用ソフトを作っては、ツイッター上で発表していきました。著者も、VRの中でテトリスが楽しめるソフトなど、さまざまなVRデモを制作しました。

各開発者が作ったデモは、ツイッターやニコニコ動画で発表されていきました。また、開発者自らPCと機材を持ち歩いて広めていった結果、徐々に拡散し、キックスターターでの登場後も、購入者と開発者が増えていきました。さらに、2013年夏には秋葉原で初のVRイベント、オキュフェス(現JapanVRFest.)が開催され、日本のVRシーンは本国アメリカとは違った進化を始めたのです。

3. 2016年VR元年

VRは瞬く間に世界中へ広がり、以下のように次々とメーカー各社が参入を開始しました。

・2014年、Facebook社がOculus社を2000億円で買収し、子会社化(後にFacebook社本体へ合流)。

・2015年春、Oculus社と韓国サムスン社の共同で、サムスン社のスマートフォンをはめ込むことでVRが楽しめるGearVRを販売開始。専用ソフトの販売プラットホーム、OculusStoreを開設。

・2016年春、Oculus社初の家庭用VR機器OculusRift CV1を販売開始。プラットホームは、OculusStoreを使用。

・同年春、台湾のスマートフォンメーカーHTC社が製造し、アメリカの最大手ゲームプラットホームValve社が協力したVR機器HTC Vive(図1)を販売開始。プラットホームは、Valve社のSTEAMを使用。

・同年秋、SONY(Sony Interactive Entertainment)がPlayStationVRを販売開始。プラットホームは、PlayStationの販売網を利用。

・2017年秋、Microsoft社がWindowsMRというハードウェアの共通仕様を発表。各社ハードメーカーが、仕様に沿った機器を順次発売。プラットホームは、MircofotStoreを利用。 

図1:HTC Vive

図1:HTC Vive

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4. 2018年

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5. 2019年

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第3回:VRソフトの作り方

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前回は、2012年に始まった第二次VRブームから2019年に至る、VR普及の歴史について解説しました。今回は、実際にVRのソフトを作るにはどうしたらいいか、その方法を具体的に紹介します。

1. VRの基本は3Dアクションゲームとほぼ同じ

VRブーム誕生のきっかけを作ったOculus社の創業者パルマー・ラッキーは、当初ゲーム用のデバイスとしてOculusDK1を設計しました。その関係もあったのか、VRはゲーム、特に3Dのアクションゲームの制作方法と相性が良く、また制作に関するノウハウも数多く蓄積されています。

3Dのアクションゲーム、と特に限定するには、次のような理由があります。

・VRでは、1秒間に60~90回も3Dモデル(3次元データ)のレンダリング(映像の計算)を行う

(同じレンダリングを必要とする映画などでは、数時間に1回の計算で済み、VRとは時間感覚が全く違うため)

・優れたVRの制作には、インタラクション(入力操作と、それに対する反応)デザインが必要

・VRと同等の頻度で計算を行い、インタラクションデザインも必要とするものは、3Dのアクションゲームしかない

CGによる映画や2Dゲーム、WEBも似たような制作方法であると思われるかもしれません。しかし、これらの3Dモデルのレンダリングの頻度は、VRのように多くはありません。

2. 3Dアクションゲームを作るための基礎知識

まず、3Dアクションゲームを稼働させるための過程を、説明します(図1)。

図1:3Dアクションゲーム制作の流れ

図1:3Dアクションゲーム制作の流れ

1:まず、コンピュータ上に物体(3Dモデル)を作ります

2:この3Dモデルをコントローラ操作などで動かした結果を、コンピュータ上で再現します

3:その動きは、ユーザーからどのように見えるのか、コンピュータで計算(レンダリング)します

4:これを、1秒間に60~90回繰り返します

3Dモデルは、基本的に専用の3Dソフト(CADソフト)で制作します。これを、モデリングと呼びます。3Dモデルの制作には非常に専門的な訓練とスキルが必要なので、本職のデザイナーではない場合は、既存の3Dモデルを購入するか、専門の3Dデザイナーに発注する、という選択肢をお勧めします。3Dモデルについてある程度の経験値があればTURBOSQUID(https://www.turbosquid.com/)やDIMENSIVA(https://dimensiva.com/)のような専用ウェブサイトから、自分のVRに必要でかつ使いやすい3Dモデルを探し、入手することができます。

次に、インタラクションの制作とレンダリングについて解説します。これは、大きく分けると、全てを自力でプログラムするか、あるいは、既存のゲームエンジンを使うか、という選択になります。ゲームエンジンとは、3Dのアクションゲームを作るために絶対に必要な基礎機能を、あらかじめ組み込んだゲーム制作ツール、ということになります。使用者は、その基礎機能を必要に応じて組み合わせることで、自分の欲しいゲームを作り上げていきます。これにより、全てを0から作るよりもずっと簡単に、短時間でゲームを制作できるようになります。

ゲームエンジンの世界において、2大巨頭といわれるのがUNITY(https://unity.com/)とUnrealEngine4(https://www.unrealengine.com/ja/what-is-unreal-engine-4)(以下UE4)です。どちらを選んで使うかは、基本的に好みの問題になります。UNITY、UE4ともに無料で始められます。VRなしでもダウンロードし、初心者向けの入門書などを参考にして実際に動かしてみることをお勧めします。私見としては、知人・友人がユーザーであるものを試した方が良いかと思います。作業に行き詰まった場合や、疑問点が発生した場合など、比較的気軽に相談できるからです。

どちらのゲームエンジンにも、VRに対応した基礎機能が組み込まれているため、少ない労力でVRソフトを作ることができます。前述のとおり、ゲームエンジンは3Dアクションゲームを効率的に制作するために設計されているので、高速レンダリングを行うための仕組みも実装されています。インタラクションもゲーム用のものを流用でき、UI(ユーザー・インタフェース)なども基礎機能を利用してすぐに実装できるため、0から作るよりずっと楽にVR制作が行うことができます。

3. VRならではのコントローラの勘所

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4. UIの配置

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5. 実写VRの利点と欠点

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第4回:VRに有用な今後の技術

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前回は、実際にVRソフトを作るために必要なノウハウについて解説しました。今回は、VR制作に関して、今後ますます発展していきそうな技術を紹介します。

1. Photogrammetry

まず、第一はPhotogrammetry(フォトグラメトリ)と呼ばれる技術です。簡単にいうと、さまざまな位置から撮影された複数の写真を合成することで、物体の輪郭と表面の様子を自動的に3Dモデル化する仕組みです(図1)。

図1:Photogrammetryの概念

図1:Photogrammetryの概念

Photogrammetryのプロセスは、複数の写真の中で、被写体に共通する箇所を特定することから始まります。特徴点と呼ばれるその箇所を、複数の写真から自動的に見つけ出し、その特徴点同士がどこに写っているか、どう位置が変わっているかを分析して、カメラの位置を特定するものです(図2)。

図2:写真の中から検出される特徴点の例

図2:写真の中から検出される特徴点の例

カメラの位置が判明し、その位置から撮影している物体の輪郭を複数箇所にわたって検出できれば、それらをつなぎ合わせていくことで、物体全体の輪郭が分かるという仕組みです。またその際、物体の表面の写真を貼り付けることで、表面の見た目の様子も再現できます。

また、ここに機械学習(システムが、集められたデータから学習し、そこにあるパターンを効率よく推論・実行する仕組み)を用いることで、より簡単で効率的に特徴点を導き出すこともできます。近年、特に人体などでは、機械学習に使われるデータが豊富に蓄積されているので、特徴点の抽出精度が高くなっています。最新のPhotogrammetry技術を用いれば、正面の顔写真が一枚あるだけで、人の顔の3Dモデル化が可能になっています。

前述のとおり、Photogrammetryは特徴点を検出することから始まるため、特徴のない物体は処理し難い、という短所もあります。極端な例を挙げると、豆腐のように全面が白く均質な形状のものは、撮影された写真が上下左右ともに全てほぼ同じなので、コンピュータ上でのカメラの位置を特定するのが困難です。

似たような例で、物体の全体に均一の模様があるような場合も、特徴点を導き出すことが難しくなります。適度にランダム性があるものの方が、Photogrammetryの処理が行いやすくなります。

また、事前に複数台のカメラが決められた位置に固定され、どの位置からどの角度で撮影したかが分かる状態で写真撮影を行う専門のスタジオもあります。こうした設備で撮影することで、特徴点のブレなどによる誤差が発生せず、正確な3Dモデルを作成することができます。ただし、このようなスタジオで撮影できるのは、搬入可能な大きさのものに限られ、当然ながら、巨大な建造物などの撮影には向きません。

Photogrammetryの短所としては、表面の模様は撮影可能であるものの、材質の再現まではできないという点があります。人体の場合、ガラス体である瞳の部分、エナメル質である歯、半透明の皮膚など、材質の変化までは対応していません。このため、Photogrammetryで作成したばかりの3Dデータを見ても、実物に忠実なものとは思えないかもしれません。現実のものに近づけるためには、もう一段、材質の質感を変更する手間が発生します。

2. 空間スキャン

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3. モーションキャプチャ

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第5回:VRの使われどころ(エンターテインメント編)

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前回は、VR開発に関して発展を続けるさまざまな技術を解説しました。今回から2回にわたって、実際にVRがどのような場所で、どう使われているのかについて解説します。今回はBtoC、エンターテインメント方面での使われ方を紹介していきます。

1. 家庭用VRゲーム

BtoC、エンターテインメント分野でのVR利用例として、真っ先にあがるのが家庭用VRゲームです。2014年にOculus社を買収したFacebook社も、自らVRゲーム専門のストアを立ち上げ、ゲーム方面を中心にビジネスを進めています。最新のOculus Questでは、わずか数ヶ月で総額2,000万ドル(約21億円)のゲームソフト売り上げを達成しました。それでは、世界のVRゲームマーケットの現状を紹介します。

・Sony PlayStation Store(PlayStation VR)
Sony(Sony Interactive Entertainment)が、PlayStation用ゲームを販売するために立ち上げている販売網です。VRに限らず、通常のPlayStationのソフトウェアも販売しています。2019年春の段階で、約500万台のPlayStation VRが販売されています。

・Valve Steam(HTC Vive、Valve Index)
アメリカの最大手ゲームプラットホーム・Valve社が運営する、世界最大のPCゲーム販売サイト。全世界に1億人のユーザーがおり、VR以外のPCゲームの販売を行っています。Valve Steamの発表では、全体のほぼ1%、100万人のPCにVR機器が接続されており、現在それだけのVRのアクティブユーザーがいると推測されています(図1)。

図1:HTC Vive

図1:HTC Vive

・Facebook Oculus Store(Oculusシリーズ)
Facebookが、自社のVR機器のために作ったVRゲームストアです。PlayStation Storeと同じく、自社の製品のみへの対応となっています。総販売本数は不明ですが、2016年のサービス開始以降、2019年秋までに約1億ドルのソフトを販売していることが公表されています。

 ・HTC Viveport(HTC Viveシリーズ)
中国向けにある、一定の月額料金で遊び放題(いわゆるサブスクリプション方式)のVRゲーム専門プラットホームで、日本ではあまり馴染(なじ)みがないかもしれません。もともとViveは、台湾のスマートフォンメーカーHTC社がハードを製造、Valve社がゲームプラットホームを提供するかたちで運営されています。しかし、自社のプラットホーム(流通)を確保していないと利益を上げにくいため、HTC社は中国国内向けに新たなプラットホーム、Viveportを設立し、運営しています。ただ、中国国内中心ということもあり、あまり日本には情報が入ってきていません。

・今売れている家庭用VRゲーム
VRゲームで今一番売れているのが、Beat Saberです。スターウォーズでお馴染みのライトセーバーのようなものを握り、目の前に流れてくるブロックを切っていく、音楽リズムゲームです。もともと東ヨーロッパの小さなスマートフォンゲームメーカーが3人ほどで制作したもので、数多くあるVRリズムゲームの中でも特にSNSでのプロモーションで成功を収め、開発1年で100万本(PlayStation VRなど全てのハードを合わせて)という、夢のある販売本数を達成しました。そして、このメーカーは2019年12月、Facebook社に買収されています。

この成功によって、ダイエット目的でVRゲームをプレイする需要が新たに掘り起こされ、他にも体を激しく動かすゲームが数多く発表されています。中でも、ボクシングなどは題材にしやすく、有名なところでも数本、インディーズを含めればさらに多くの本数が出ています(図2)。

図2:VRボクシングゲーム(例)

図2:VRボクシングゲーム(例)

2. ロケーションVR

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3. その他のエンターテインメントVR

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4. VTuber

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第6回:VRの使われどころ(業務編)

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前回は、VRの使われどころ(エンターテインメント編)を紹介しました。VRは、PlayStation VRやFacebookの戦略などから、ゲーム用途がメインと思われがちです。しかし、パソコンの歴史をひも解いてみると、実用で役立たないテクノロジーは普及しておらず、VRにも何かしらの実利、需要が必要です。例えば、世界最初期のパソコンApple2は、アメリカでの確定申告需要から、申告書類をより簡単・確実に作成するために普及しました。日本のパソコンも年賀状の宛名書きなどの需要により、プリンタとともに普及したのです。最終回となる今回は、業務に直結するVRの使い方について解説していきます。

1. 人材教育

実利を伴うVRの活用事例として、大きく取り上げられたのが社員教育分野です。2018年の段階で、アメリカのウォールマートは安価なOculus GO(200ドル)を使った社員向けのVR教育を発表。一気に1.7万台を配備し、アメリカ全土のウォールマートの従業員が新しい設備の使い方を覚えるために利用しました。

日本でも、コンビニなど各種店舗の運営マニュアルに代わる、VRマニュアルの試験的な開発事例があります。他の事例として、飛行機のエンジンを組み立てる工程や、エスプレッソマシンの使い方などを学べるVR教材もあります。こうしたVR教育の利点は、教える人がいなくても1人で学べる、ということです。今までの人対人の研修だと、1人の新人を教えている間に、熟練スタッフの手が完全に止まってしまいます。VRを利用し、新人が自分だけで研修できるのであれば、より低コストでの新人教育が可能になるというわけです(図1)。

図1:工場従業員のVR教育(イメージ)

図1:工場従業員のVR教育(イメージ)

2. 安全体感VR

教育において視覚情報は重要ですが、視覚のみではまだ教育効果が薄いと思います。人にとって、意識して見ているものの他に、無意識に感じている痛みや力覚、触覚、体感なども重要です。そこが欠けていると、真に「体験から学ぶ」ことにはなりません。これは、ホラーVRゲーム制作時の経験です。プレイヤーは、自分が一度死ぬまでは怖がるのですが、死んでも自分の身体に何の影響もないと分かると、VRの中での恐怖感が薄まっていくのです。同じことがVR教育で起こると、学習内容に真剣に向き合わなくなり、教育としての質が落ちてしまうと考えられます。

そのため、実際に痛みを与えるVR教育というものもあります。例えば、電気工事のVR教育です。VRの中で感電したとき、現実でも手に電流を流すことで痛みを発生させます(図2)。もちろん、現実で失敗したときよりずっと少ない電流ではあるものの、それによって感じる痛みがあるとないとでは、教育効果に大きな違いがあると考えています。

図2:感電をVRで体感できる「安全体感装置シリーズ」昭和電業社提供

図2:感電をVRで体感できる「安全体感装置シリーズ」昭和電業社提供(https://www.moguravr.com/vr-anzen-training-3/

このように、視覚中心のVRよりも、動かす・触る・持つ・痛みを感じるなど、複数の感覚を使ったVRの方が教育効果は高くなります。ただ、同時に感覚を与えるための装置も別途必要で、その分、価格も高くなってしまうという欠点もあります。

3. 会議システム

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4. 「すごい」から「便利」へ

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5. 未来のAR

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