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水質汚濁防止法とは?:水質汚染対策の基礎知識4

水質汚染対策の基礎知識

更新日:2016年12月7日(初回投稿)
著者:株式会社プリディクション郷事務所 兼 化学工学会SCE・Net 郷 茂夫
編集:Tech Note編集部

前回は、有害物質の種類と健康への影響について、解説しました。今回は、水質法令と公共用水域の水質の現状を説明します。

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1. はじめに

今回は水質に関わる法令と、基準の決め方を解説します。基準値は、しばしば混同されるので、まず確認しておきましょう。水質基準には、環境基準、公共用水域への排出基準、下水道への排除基準と水道水の水質基準があります。基準項目は共通するものがかなりありますが、基準値の数字はそれぞれで異なります。環境基準は、広い範囲の水域環境にとって、維持することが望ましい基準です。公共用水域への排出基準は、工場や排水処理場の排水出口(局所)の基準です。水道水の水質基準は、毎日飲む水道水の水質基準です。大きく分けると、水道水の水質基準が一番厳しく、環境基準、排出基準、排除基準の順に緩くなります。他方で、違反時の罰則があるのは、排出基準と排除基準だけです。大気や水質の環境基準を満たしていない地域は、改善努力はされているものの、日本中に少なからず存在しています。

2. 水環境の法令体系

今までの連載で、水質汚濁物質、有害な化学物質、さらにその健康影響について見てきました。今回は、これらをカバーする法令体系を見ていきます。図1には、関連する法律と付随する環境基準、排出基準の有無を書いています。今回は、環境基準と水質汚濁防止法および下水道法について解説します。土壌汚染対策法とダイオキシン類に関わる法令については、触れません。

図1:水環境の法令体系

図1:水環境の法令体系

3. 水質の環境基準

1971年に初めての水質汚濁に関わる環境基準ができて以来、さまざまな改定が行われてきました。近年では、環境基本法の健康項目に1、4-ジオキサン追加、地下水環境基準項目に1、4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーなどが追加され、水生生物保全項目に全亜鉛、ノニルフェノールなどが追加されました。また、基準値の変更もありました。

 環境基準の設定の仕方

環境基本法で定める環境基準は、健康項目と生活環境項目に分かれています。その設定の考え方については表1を見てください。また、環境基準の項目は連載第3回で記述しており、その環境基準値は環境省のウェブサイトを参照してください。

表1:健康項目と生活環境項目の設定の仕方
分類 対象水域 項目数、留意事項
健康保護に関する項目 全公共用水域 現在27項目(全国一律の基準)
地下水 現在28項目(上記とほぼ同様。塩ビモノマーなど、数点差異あり)
生活環境の保全に関する項目 類型に分けて設定 公共用水域を類型ごとに基準を設定(全国一律ではない)
公共用水域 6項目が設定
水生生物 保全項目の3項目が設定
注:環境省ウェブサイトの環境基準値表の下に注意すべき備考があります。
類型:河川、湖沼→水利用の等級および水生生物の生息等級で区分、海域→水産等級および水生生物の生息・産卵分類で区分。

予備の項目(環境基準値ではない控え)
表1の健康項目と生活環境項目以外に、予備の項目として、要監視項目と要調査項目があります。前者は、すぐに環境基準に含めず、知見の集積に努めるべき物質です。指針値で表され、現在は26項目あります。後者は、優先的に知見の集積を図るべき物質であす。現在は208項目あります。詳細は環境省ウェブサイトを参照してください。

基準値の達成期間
環境基準の達成期間は、具体的には明示されていません。ただし、健康項目については、設定後直ちに達成され、維持されるように努めるものとされています(いわば努力目標)。

図2:排水のイメージ

図2:排水のイメージ

4. 水質汚濁防止法

水質汚濁防止法(以下、水濁法と略します)は、1970年に成立し、水質汚濁物質の排出規制基準ができました。最近の改正としては、2010年に事故時の措置規定の強化、2011年に工場施設基準の強化、2014年に放射性物質による汚染の監視の追加などがありました。なお、土壌やダイオキシンは水濁法の対象外です。

法の目的と留意すべき用語

水濁法の目的は、公共用水域および地下水の水質汚濁の防止を図り、国民の健康を保護、生活環境を保全することです。地下水も対象であることに注意してください。用語の定義で重要なものは、下記になります。下記の物質と施設の定義による違いは、分かりにくいので法令書で確認してください。

・物質の用語:対象は、有害物質、生活環境項目、指定物質の3分類の物質群と、油などのいずれかを含む排水です。これらのうち、指定物質(現在56種類)は、その排水基準はなく、直接的排水規制は、水濁法では定められていません。事故時の対応などで考慮するものと、理解しておいてください。

・施設の用語:特定施設、指定地域特定施設、有害物質使用特定施設、指定施設、貯油施設、有害物質貯蔵指定施設があります。

・特定地下浸透水:これは、有害物質使用特定施設を設置する特定事業場から地下に浸透する水のことです。水濁法では、地上表面の水域への排水だけでなく、有害物質を含む地下への浸透水も規制します。

排出水の排出規制

工場からの排水が外に出る経路は、排出水(排出口から公共用水域へ)と地下への浸透水の2つのルートがあります。法の目的は、この2つを抑えることです。また、対象となるのは、特定施設を設置する特定事業場です。

(1) 排水基準の適用区分
排出水の汚染状態の許容限度を定めた基準は、3つあります。(a)全国一律排水基準、(b)地方条例による排水基準(都道府県は、水質汚濁防止が不十分な水域について、国が定める一律排水基準より厳しい排水基準を設定でき、上乗せ基準という)と(c)総量規制基準です。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 下水道法

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

6. 公共用水の水質の現状

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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