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無線通信の仕組み:短距離無線通信(Wi-Fi)の基礎知識2

短距離無線通信(Wi-Fi)の基礎知識

更新日:2021年1月13日(初回投稿)
著者:若井テクノロジオフィス代表 第一工業大学 元教授 若井 一顕

前回は、ネットワークの全体像を紹介しました。今回は、無線通信の仕組みと変遷、身近な通信方式を解説します。また、高速大容量通信が全盛の時代における高速通信についても取り上げます。

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1. 地上波アナログ放送からの変遷

2011年7月、地上波テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送に本格移行されました。これにより、視聴者はデジタル放送による良質な画像や音声を享受することができるようになりました。一方で、ソーシャルメディアも著しく発展しています。情報発信の仕方だけでなく、受け手の視聴形態も変化しています。テレビやSNSは、もはや受信するだけではない時代に入りました。視聴者なら誰でも自ら発信でき、時間や場所に縛られることはありません。ソーシャルTVは、100%双方向といううたい文句を掲げています。

・スマートフォンの普及によるマルチメディア
地上波アナログ放送からの変遷に一役買っているのがスマートフォンの普及です。地上波アナログの跡地であるV-High帯は、地上アナログ放送の終了に伴い、未使用帯域となっていました。そこで総務省は、「携帯端末向けマルチメディア放送の実現に向けた制度整備に関する基本的方針」を2009年8月に公表し、無線局の免許や委託放送業務の認定などについての方針を示しました。そして、2012年4月には、地上アナログ終了後のVHF-High(周波数207.5~222MHz)を使った、スマートフォン向けの放送、モバキャスが開始されました。この周波数は電波の伝搬条件がよく、プラチナバンドとも呼ばれます。モバキャスは、ISDB-Tmm(Integrated Service Digital Broadcasting Terrestrial for mobile multimedia)方式を採用したことでも知られています。

マルチメディア発展には、無線LANと携帯電話の伝送速度の進化が大きく影響しています。図1は、無線LANと携帯電話における1Gbpsに至るまでの推移と伝送レートを表します。bps(bit per second)とは、1秒間に何bit(ビット)のデータを転送できるかを示したもので、1Gbpsの場合、1秒間に1ギガビットのデータを送ることができるということになります。無線LANにおいては、1997年に、無線LANの最初の規格IEEE 802.11が策定されて以降の推移です。IEEE 802.11bの最大伝送速度は11Mbpsであるのに対し、IEEE 802.11acの最大伝達速度は1Gbpsになっています。

一方、携帯電話においては、2000年頃の第3世代(3G)携帯電話W-CDMAは最大伝送速度が384kbpsであるのに対し、2014年第4世代(4G)携帯電話は1Gbpsです。第5世代(5G)については、次回以降説明します。

図1:1Gbpsに至るまでの推移と伝送レート

図1:1Gbpsに至るまでの推移と伝送レート

・スマートフォンが保有する電波
高機能携帯電話として知られるスマートフォンが普及したきっかけは、2007年1月のiPhoneの発表といわれています。移動帯通信機器のトラフィックは、年々増加している状況にあり、多くの人が携帯電話からスマートフォンに変更しています。

では、電波を使うデバイスであるあの小さな装置の中に、どのくらいの周波数が使われているのでしょう。携帯電話として使われている周波数は、700MHz~2GHz、3.5~3.9GHzです。また、GPS機能は1.5GHz、無線LAN(WI-FI)は2.4GHz、5GHz、ワンセグ放送を受信しているのであれば470~710MHz、おサイフケータイでは13.56MHz、ブルートゥース(Bluetooth)には2.4GHzの周波数が使われています。まさに、スマホは電波の百貨店です。図2に、スマートフォンで使われている電波の種類を示します。

図2:スマートフォンで使われている電波の種類

図2:スマートフォンで使われている電波の種類

2. 身近に使われている短距離無線通信

短距離無線通信のうち身近なブルートゥース、無線LAN、Wi-Fi、WiMAXについてそれぞれの特色を説明します。

・ブルートゥース(Bluetooth)
ブルートゥースとは、数百mの距離でデータ信号を送る超近距離の無線通信です。最近の携帯電話やスマホには無線LANとともにブルートゥース(Bluetooth)が搭載されています。表1にブルートゥースの伝送諸元を示します。

表1:ブルートゥースの伝送諸元

表1:ブルートゥースの伝送諸元

ブルートゥースは、2.4~2.5GHzの広い周波数帯を1MHzごとに分けて79個のチャンネルを作り、使用するチャンネルを625μsecごとに切り替えて信号を送る周波数ホッピングという方式を用いています。上り信号と下り信号は同じ周波数を用いて、時間的に交互に切り替えて送るTDD(Time Division Duplex)方式です。ブルートゥースの伝送速度は通常1~3Mbpsなので、情報量は少なく、使用できるのは音声伝送やハンズフリーに限られます。なお、Bluetooth 3.0+EDRという方式の伝送速度は、最大24Mbpsとされています。主に、イヤホンやスピーカー、キーボードやマウスに応用されています(図3)。

図3:ブルートゥースの応用例

図3:ブルートゥースの応用例

ところで、ブルートゥースという名称の由来を知っていますか? 10世紀ころ、デンマークにハラルドという王がいました。

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3. 高速通信の要

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