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流行の長期化:職場の感染症対策の基礎知識2

職場の感染症対策の基礎知識

更新日:2021年1月26日(初回投稿)
著者:ミネルヴァベリタス株式会社 顧問 信州大学 特任教授 本田 茂樹

前回は、感染症を正しく知ることの大切さを説明しました。今回は、新型コロナウイルス感染症流行の長期化に対する備えについて解説します。新型コロナウイルス感染症は、この先も流行が続くことが想定されています。しかも、その間に地震や水害などの災害に見舞われると、それは間違いなく複合災害となります。新型コロナウイルス感染症の流行が長期化することを認識した上で、今、企業として何をやるべきか考えます。

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1. なぜ長期化が想定されているか~長期化することを認識して準備を進める

新型コロナウイルス感染症の流行が続いています。実際、この冬にはさらに感染が拡大しています。経済産業省が、2020年6月24日に発表した「第19回産業構造審議会、産業技術環境分科会、研究開発・イノベーション小委員会資料」では、流行長期化に関する今後のシナリオを3つ提示しています。どのシナリオにおいても、流行が18~24か月続くことを想定し、備えておくことが重要であるとしています。

長期化が想定される要因としては、次のことが考えられています。まず、新型コロナウイルス感染症の無症状者の割合は数%~60%とされており、季節性インフルエンザの10%に比べてかなり高くなっています。このことから、症状のない人が、自分でも気付かずに感染を拡大させていくことが予測されます。また、ワクチンは海外では接種が始まった国もありますが、日本で多くの国民が接種できるのは少し先になりそうです(図1)。加えて、治療薬がある季節性インフルエンザとは違い、新型コロナウイルス感染症の場合、現状では確立された治療薬がなく、多くの薬剤が今も臨床治験中という状況にあることも、流行の終息が遅れる理由となります。

図1:COVID-19ワクチン(イメージ)

図1:COVID-19ワクチン(イメージ)

2. 複合災害への懸念~地震・水害に見舞われればそれは複合災害になる

今後、新型コロナウイルス感染症の流行が続いている間に地震などの自然災害が発生すると、それは感染症との複合災害となり、これまでとは違う準備が求められます。感染症の流行下において、地震が発生した場合を例に考えてみましょう。

・職場に従業員がとどまることを想定する
大規模地震の発生時には、救命・救急活動、消火活動などが広範囲で行われます。その際、多くの帰宅困難者が一斉に徒歩で帰宅を開始すると、緊急車両の通行が妨げられるなど、応急活動が困難となります。そこで、これらの状況を回避するとともに、帰宅困難者自身の安全を確保するため、企業は従業員の帰宅を抑制し、自社の施設内に待機させることが求められています。災害時に従業員を施設内にとどまらせる場合、会議室などを宿泊場所にして対応する企業が多くみられます。しかし、感染症の流行中となれば、いわゆる「3密(密集・密接・密閉)」を避ける観点から、より広いスペースを確保するとともに、適切な換気を実施することが必要です。

・防災備蓄の見直しを行う
企業によっては、地震などの自然災害を想定した防災備蓄を行っていても、感染症を前提とした備蓄が十分ではないところがあります。従業員が一定期間、施設内にとどまる可能性を踏まえて備蓄を見直し、感染防止対策に必要なマスク、アルコール性手指消毒剤なども従業員数に見合うだけ準備することを検討しましょう。また、既にマスクなどを備蓄している企業でも、新型コロナウイルス感染症が流行した結果、それらの備蓄が足りなくなっていないかを確認しておくことが大切です。

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3. 従業員の意識レベルを落とさない~新型コロナウイルス感染症はこっそり忍び寄る

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