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世界をつなげて世界を変えるボッシュ:年次報告記者会見レポート2016

代表取締役ウド・ヴォルツ氏による会見風景

自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、エネルギー・建築関連テクノロジー、消費財の4事業を柱として、幅広いフィールドで世界展開する独ボッシュ。日本法人であるボッシュ・ジャパンは2016年6月8日に、渋谷にある本社で年次報告記者会見を行いました。その模様をレポートします。

はじめに、代表取締役社長であるウド・ヴォルツ氏(以下、ヴォルツ氏)から2015年度業績およびビジネスハイライト、ボッシュ最新の動向について説明がありました。次にカーマルチメディア部門 部門長である水野敬氏(以下、水野氏)より、モビリティのネットワーク化について、最後に、「ボッシュが構想するクルマとドライバーのインターフェイスのビジョン」と題されたコネクテッドカーのデモンストレーションが行われました。

1. ボッシュが魅せるコネクテッドな世界

コネクテッドな世界が秘める潜在性

ヴォルツ氏は、「スマートホーム、スマートシティ、コネクテッドインダストリー、コネクテッドモビリティはボッシュのカギとなる分野で、全てがつながっています」と述べ、スマートホームの事例を挙げました。スマートホームは出かける前に鍵を閉めたかどうかを確認する必要がない世界です。ドアや窓はセンサーを持っており、自動的に天気予報をチェックしたシステムが空調を管理し、エネルギーを節電してくれます。コネクテッドインダストリーについては、M2M(Machine to Machine)のコミュニケーションは国境を越え、現在、5,000台の機械が11カ所で通信しています。「関連するサービスが新しいビジネスモデルをつくり出している」とヴォルツ氏は述べています。

代表取締役 ウド・ヴォルツ氏

代表取締役 ウド・ヴォルツ氏

ボッシュIoTスイートとボッシュIoTクラウド

ボッシュIoTスイートは、ネットワーク化された世界の頭脳のような存在で、大量のデータを分析・処理し、管理しています。例えば、機械を修理するための予防措置など、自立的に決定を下すような規則性をボッシュIoTスイートに保存することもできます。現在、このソリューションプラットフォームには500万以上の機械や各種デバイスが接続されています。

また、拡大を続けるネットワーク化ソリューションに必要不可欠な技術インフラであるボッシュIoTクラウドについて、ヴォルツ氏は、「このソリューションは他のクラウドサービスとの接続も簡単に行うことができます。例えば、フルクラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドすべてに適用できます」と述べています。IoTクラウドはスマートな農業など新しいビジネスを切り開いています。同社は2015年、経産省が行うグローバル農商工連携推進事業に選出されており、千葉大学や筑波大学と連携しながら実験が行われています。

2. モビリティのネットワーク化がドライバーの負担を減らす

モビリティのネットワーク化

次に水野氏より、モビリティのネットワーク化について紹介がありました。クルマがネットワーク化されることにより、あらゆるセンサーよりも先を把握し、地図よりも最新の情報を入手することができます。これを可能にする技術が同社の「コネクテッドホライズン」です。「コネクテッドホライズン」はクルマの現在位置とクルマのマップデータ、クラウドを通じて得られるリアルタイムな情報を組み合わせ、ナビゲーションがドライバーに安全で最適なルートを提供するシステムです。例えば、ある地点で多数のクルマの横滑り防止装置が起動した情報を感知した場合、気象情報を参照しながら、周りの車両に路面凍結の可能性を知らせることができます。水野氏は「燃費の節約にもつながり、クルマの安全性を向上させます」と語ります。

危険を感知し知らせてくれる「eCall」と逆走警告システム

eCallは同社が手掛ける自動緊急通信サービスです。同社は通信デバイスとネットワークの他に、コールセンターも運営しています。当システムはエアバックを作動させる時に使用されるセンサーを通じて起動します。強い衝撃を感知した際に、コールセンターに自動的につながり、クルマが危険な状況にあることを知らせてくれます。具体的には、車両がeCallを介して事故に関するデータ・時刻・場所・走行方向などをコールセンターへ送信、さらにオペレータがドライバーにコンタクトし、必要に応じて警察・緊急車への通報を行うという手順です。現在、同社は世界41カ国でコールセンターサービスを展開しており、2016年の末より日本でもサービス提供を開始する予定です。

さらに、安全を支援する技術として、逆走を警告するシステムの運用が2016年のうちに開始されます。クルマに搭載されたソフトウェアと、クルマが管理するクラウドにより、逆走を感知した場合、周辺の走行車両に警告を発します。感知後10秒以内に周囲のクルマに警告することができるので、衝突の可能性を大きく減らすことにつながります。

カーマルチメディア部門 部門長 水野敬氏

カーマルチメディア部門 部門長 水野敬氏

ドライバーの負担を減らす駐車システム

「コミュニティベースパーキング」は、路上を走行する車両がパーキングスペースを検知するセンサーとなるシステムです。センサーが検知した空きスペースの情報はクラウドに送信され、クラウドがこの情報をベースにリアルタイムの駐車スペースマップを生成してサービス加入車両に伝えます。また、「自動バレットパーキング」はドライバーが駐車場の入り口にある降車ゾーンにクルマを止めて降車すると、クルマが自動的に駐車スペースまで移動・駐車してくれるシステムです。

製品の状況をクラウドがモニター

水野氏は、日本で180店舗を超える整備工場が同社ネットワークに加盟していることに触れた上で、「プレディクティブダイアグノースティック」についても説明しました。製品の状況をクラウドがモニターし、起こりうる製品トラブルを未然に防ぐシステムです。ドライバーの余計な来店を防ぎ、修理用品やツールを効率的に用意することができます。部品システムトラブルの情報を自動車メーカーへフィードバックし、他の車両にも影響があるとメーカーが判断した場合、この仕組みを使ってモバイル通信経由で他の車両のソフトウェアをアップデートしていくことも可能です。

3. 多機能なクルマと調和していく未来

クルマが自宅やオフィスのような空間をつくる

最後に、2021年の未来を想定し、「ボッシュが構想するクルマとドライバーのインターフェイスのビジョン」と題されたデモンストレーションが行われました。クルマがドライバーについて学習し、サポートするパーソナライゼーションや、クルマと人をつなぐHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)などのテーマを中心に「自宅にいるようにくつろぎ、オフィスにいるように仕事ができる」空間が再現されました。

デモンストレーションに使用されたクルマ

デモンストレーションに使用されたクルマ

デモンストレーションの様子

デモンストレーションの様子

クルマがますます多機能になっていく中では、適切な情報を適切なタイミングでドライバーに伝え、ドライバーが運転に集中することを妨げないようにさまざまな機能を使いこなす必要があります。注目すべき技術として紹介された「ハプティックディスプレイ」neoSense(ネオセンス)は、携帯電話の振動と同様に周波数をコントロールすることで、ディスプレイ中にあたかも本物のボタンやダイアルが動いているような感覚を振動でつくりだします。ディスプレイの操作に触感を与えることで、ドライバーの運転中のディスプレイ操作の負担を軽減できます。

ハプティックディスプレイ

ハプティックディスプレイ

2021年の未来には、クルマは人と「対話するように」動くデバイスとなります。ドライバーをサポートし、あらゆる情報を処理して伝える多機能なクルマを、人がどのように使いこなし、うまく調和していくかが課題となりそうです。

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