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検査の自動化で燃費が良くなる!?:寸法・外観検査の技術トレンド2

寸法・外観検査の技術トレンド

更新日:2018年7月3日(初回投稿)
著者:株式会社光コム

前回は、光コムというノーベル賞技術と、検査工程の自動化とそれに伴い起きる変化について、解説しました。自動車の燃費にかかわるシリンダヘッドでは、容積も全数計算できるようになります。今回は、容積検査の自動化が、付加価値を生み、車の燃費改善にもつながる事例を紹介します。

1. 人の代わりとなる検査から、人を超える検査へ

現在、人に頼る検査は外観のキズなどを確認する外観検査、外観仕上がりの寸法を確認する寸法検査などがあります。こうした検査を自動化することにより、検査が安定化するだけでなく、品質保証体系から生産工程への定量的フィードバックが可能になることを前回解説しました。こうした検査は検査能力としては、あくまでも人の目を機械に置き換えたに過ぎません。

光コムによる測定器は、人の目を超える検査を可能にします。3次元データを測定できるため、サイズが測定できるだけでなく、容積も計算することが可能になります。これを車の製造現場に適用すると、例えば、シリンダヘッドのような複雑かつ大きな部品の容積を全数検査することが可能になります。これは人の目にはできない検査となります。これを全数検査できるため、検査工程の概念が変わります。

2. 車の燃費がよくなる容積全数検査

車のシリンダヘッドの容積が全数測定できるようになると、検査工程でも付加価値を創出することができます。工場は「製造」、「搬送」、「検査」の繰り返しです。製造工程で付加価値を創出し、検査工程で不良品を落とすというのが一般的な考え方です。検査工程は不良品を落とすだけであり、良品の性能を上げることはできません。

全数検査にて容量を定量評価できるようになると、この情報を次工程にフィードフォワードすることが可能になります。例えば、粗材の状態で容積を検査し、その情報を次工程に渡します。次の加工工程では、1台ずつその容量に合わせて加工条件を最適化すると、容積のばらつきそのものが低減されます。

図1:検査情報を次工程にフィードフォワード

図1:検査情報を次工程にフィードフォワード

モノづくりはワースト保証の考えに基づくので、容量のばらつきのワーストが、自動車エンジンの燃費の保証値となります。ばらつきが低減されると、容積としての保証値が追い込めるので、その結果燃費が向上します。また、品質もより安定するので、お客様の信頼感向上にもつながるでしょう。

図2:燃焼室容積ばらつき低減による燃費向上のイメージ図

図2:燃焼室容積ばらつき低減による燃費向上のイメージ図

さらに、シリンダヘッドとピストン部品との組み合わせマッチングにも、この考えは適用できます。シリンダヘッドと同様にピストン部品の3D形状を光コム測定器により測定を行い、シリンダヘッドとピストンの形状としてのマッチング特性が高いものを組み合わせる仕組みを構築すると、さらなる燃費向上につながります。

このように検査は不良品を落とすだけでなく、一つ一つの特性を定量化し、次工程にフィードフォワード、さらには組み合わせ部品とのベストマッチングをさせることで、良品をより高い性能にしていくことができます。光コム測定装置だからこそ、凹凸の大きい部品でも全数検査できる高速性と、データ解析に十分なデータ量の取得を実現できるのです。車業界を中心に、次々と活用が始まっています。

3. データで工場をつなげる

次工程へのフィードフォワードや、部品同士のマッチングを考慮したモノづくりができるようになってくると、工場間での全数データ連携が必要になります。光コムの測定データは1秒間に50万点という世界最速で取れる一方で、そのデータ量は膨大になります。シリンダヘッドでも1年間量産すれば10~20TB程度にまでデータ量が膨れ上がることもあります。

最近は、クラウドの産業プラットフォームが自由に使える環境が整ってきています。さらに、データを大量に取得方法と活用する方法も、光コム測定器により解決策が見えています。今後の課題は、工場内における次工程フィードフォワード、工場間での部品マッチングなど、データ活用の仕組みづくりです。次回は、データ活用方法の例として、検査工程の自動化により得られた検査データベースに機械学習を導入すると、どのようなことができるか説明していきます。

株式会社光コム ウェブページ(イプロス製造業)

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