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ねじ締付試験とは

ねじ締付試験

更新日:2018年10月9日(初回投稿)
著者:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 事業化支援本部 技術開発支援部 実証試験セクター 製品・材料強度試験技術担当 研究員 新垣 翔

私たちの日常生活には、ねじを使用した製品が数多くあります。ねじは締付時や、締付後一定の時間が経過すると締付不良が生じる恐れがあり、さまざまな不具合や事故につながります。特に、自動車や鉄道車両、建築物などでは、締付不良を確実に防がなければなりません。ねじの締付不良を防ぐには、ねじの締付軸力・締付トルクを適切に管理する必要があります。本コラムでは、締付軸力・締付トルクの関係と、適切な締付軸力・締付トルクを計測するための試験方法について解説します。

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1. ねじの締付軸力と締付トルク

ねじの締付不良が引き起こす不具合には、締付時に生じるものと、一定時間経過後に生じるものがあります。締付時に生じる不具合は、締付ボルト破断、ねじ山破壊、被締結体の破損、締付軸力不足による性能不良などです。一定時間経過後に生じる不具合は、締結体への大荷重負荷による静的破壊、繰り返し微小荷重負荷による疲労破壊、振動などです。これらの締付不良が生じる原因は、ねじ締結時の締付軸力の過不足です。しかし、作業現場において締付軸力を測定することは非常に困難です。そのため、多くの場合、締付トルクで締付軸力を管理します。

JIS B 1083 ねじの締付け通則において、締付管理方法の一つとしてトルク法が記載されています。これは、弾性域締付における締付トルクと締付軸力との関係を利用したものです。その関係を下式に示します。

締付トルクと締付軸力との関係式

Tは締付トルク(Nm)、Tthはねじ部トルク(Nm)、Tbは座面摩擦トルク(Nm)、Kはトルク係数、Fは締付軸力(N)、dはねじの呼び径(m)です。トルク係数Kが一定の場合、トルクと締付軸力の関係は図1のようになります。ある締結体に必要な締付軸力FAが分かれば、必要な締付トルクTAを見積もることができます。

図1:トルク係数が一定の場合の締付トルクと締付軸力

図1:トルク係数が一定の場合の締付トルクと締付軸力

上式で、締付トルクTはねじ山で発生するねじ部トルクTthと、ボルト頭部座面に生じる座面摩擦トルクTbに分けることができます。これらのトルクは、それぞれ下式で表されます。

ねじ山で発生するねじ部トルク

ボルト頭部座面に生じる座面摩擦トルク

Pはねじのピッチ(m)、μthはねじ面の摩擦係数、d2はねじの有効径の基準寸法(m)、μbは座面の摩擦係数、Dbは座面の摩擦に対する直径(m)です。締付トルクは摩擦に大きく影響を受けることが分かります。今までの式から導いたトルク係数Kは、下式の通りです。

トルク係数K

トルク係数も摩擦係数に影響を受けるため、締付作業ごとに摩擦係数によるばらつきが生じます。締付トルクTとトルク係数Kがばらつくと、締付軸力Fの値もばらつきが生じます。図2は、締付トルクがTmin~Tmax、トルク係数がKmin~Kmaxまでばらつく場合の、締付トルクと締付軸力の関係です。締付軸力はFmin~Fmaxの範囲でばらつき、必要な締付軸力FAから過不足を起こす可能性があります。トルク法による締付管理を行う場合、摩擦係数のばらつきをできるだけ正確に把握することが重要です。

図2:トルク係数と締付トルクがばらつく場合の締付軸力

図2:トルク係数と締付トルクがばらつく場合の締付軸力

2. ねじ締付試験

締付時の摩擦係数を測定する方法は、JIS B 1084 締結用部品-締付け試験方法に記載されています。締付試験機の概略断面図の一例を図3に示します。

図3:ねじ締付試験機の断面図

図3:ねじ締付試験機の断面図

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

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