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振動試験とは

振動試験とは

更新日:2018年9月25日(初回投稿)
著者:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 開発第一部 機械技術グループ 岩田 雄介

振動試験は、製品へ振動を与えて影響を調べる試験です。振動により、装置の誤動作やねじの緩み、見栄えの悪化など、さまざまな問題が発生します。そのため、品質管理の観点から、振動試験の実施を求められることが増えています。振動試験を行う上で役立つことや、注意点などを解説します。

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1. なぜ振動試験が必要なのか

身の回りのあらゆる製品は、製造から廃棄までの間に振動を受けます。製品が振動を受け続けると、さまざまな悪影響が生じます。例えば、製品を構成する金属などの部材は、振動を受け続けることで疲労し、最悪の場合破損します。他にも、装置が動作しない、意図しない動作をする、ねじの緩みが生じるなどの問題が起こります。近年では、振動によって見栄えが悪くなり、製品価値が低下する問題も増えています。例として、果物の変色や印刷の擦れなどがあり、消費者からのクレームにつながります。

製品が市場に出回ったあとに、これらの問題が起こることは好ましくありません。製品によっては命に関わる事故につながるため、振動による問題が起こらないかを事前に調べる必要があります。そこで実施されるのが振動試験です。振動試験は、図1のように加振台の上に試験体を載せ、加振機によって振動を起こします。電子機器に限らず、日用品や食品などにも適用されます。

図1:振動試験のイメージ

図1:振動試験のイメージ

2. 振動試験条件とJIS規格

検査を自動化するには、いくつもの壁があります。製造の現場では、多くの場合、部品検査のタクトタイムは1分程度です。外観のサイズを測定する方法は、針などをワークに接触させてなぞることで測定する接触検査法と、レーザーなどを利用して測定する非接触検査法の2つがあります。接触検査法は応用範囲が広い一方で、測定にとても時間がかかるため、全数検査に持ち込むことはできません。

振動試験は環境試験に分類されます。環境試験とは、製品が被るとされる環境ストレスにさらされても、不具合を起こさずに機能を果たすかを評価する試験です。温湿度サイクル試験や耐候性試験なども、環境試験です。従って、振動試験の試験条件を決める際には、製品が実際にさらされる環境を明確に想定することが重要です。

製品が振動を受ける環境は、大きく分けると2つあります。1つ目は、製品が使用されているときの環境(使用環境)です。例えば、鉄道や自動車は走行中に振動します。これらの車両に搭載されている機器や使用されている部材も、振動を受け続けます。使用環境としては他にも、発電機など振動を発生する装置がある工場や、大型トラックの通る道路に面した建物などがあります。2つ目は、製品が輸送されているときの環境(輸送環境)です。ほとんどの製品はトラックで輸送され、走行中の振動で荷台の製品も振動を受けます。使用時には振動を受けない製品も、輸送時の振動を考慮する必要があります。

それぞれの環境下で発生する振動は、振動数などの特性が異なるため、どの環境を想定するかが大切です。しかし、環境を想定してもゼロから試験条件を決めることは困難です。そのようなときは、JISなどの試験規格を参考にすることをお勧めします。鉄道や自動車に搭載される製品、輸送される製品など、それぞれの環境を想定した試験条件が記載された規格があり、試験条件を決める上での指針になります。例えば、JIS E 4031 鉄道車両用品−振動及び衝撃試験方法や、JIS E 3014鉄道信号保安部品−振動試験方法では、鉄道の機器・部品への振動試験方法が記載されています。また、JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−第 2-6 部:正弦波振動試験方法は、正弦波振動に耐える能力を決定するための標準的な試験手順が記載されています。

3. 振動試験機

振動試験機は駆動方式によって分類されます。例えば、機械式の振動試験機、油圧式の振動試験機、動電式の振動試験機などがあります。ここでは動電式の振動試験機を説明します。

動電式振動試験機は、磁界中の導線に電流を流すと発生するローレンツ力を利用する方式です。励磁コイルが作る磁界中に設置した駆動コイルに交流電流を流すことで、駆動コイルを電流に応じて往復運動させます。この方式は、加振振動数範囲が広く、特に高い振動数まで加振できます。

全体の仕組みは音響機器と似た構造になっています(図2)。音響機器では、CDに記録された電気信号をアンプで増幅し、スピーカから音を出します。一方、振動試験機では、任意の加振条件を設定した振動制御器の電気信号をアンプで増幅し、加振機を振動させます。振動試験機では、加振機の振動をピックアップなどで随時観測して、制御器にフィードバックし、加振機の振動が設定した加振条件に近くなるよう常に制御を行います。

図2:音響機器と振動試験機

図2:音響機器と振動試験機

振動試験機の性能は、加振力や加振振動数範囲などで表します。力は質量と加速度の積なので、積載質量が大きくなると、試験機が出力できる最大加速度は小さくなります。もちろん、加振台の質量も計算に含めます。また、加振台が対応可能な振動数や積載可能なサイズ、最大積載質量や最大振幅、出力できる波形の種類、加振方向(垂直、水平)などを考慮する必要があります。考慮する項目が多いので、加振試験が実施可能かの判断は、注意を必要とします。

4. 振動の種類と共振現象

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 振動試験実施時の注意点

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

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