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自動運転に向けたサプライヤーの取り組みとは?:人とくるまのテクノロジー展2016 展示会レポート

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2016年5月25日~27日、パシフィコ横浜で「人とくるまのテクノロジー展2016」が開催されました。自動車関係の技術者や研究者向けの専門技術の展示会であるこのイベントでは、500を超える企業が出展し、合計8万人を超える来場者が集まりました。 今回の展示では、近年開発が加速する自動運転についての展示が目立ちました。クルマが周囲を把握するために必要な、高精度センサーやカメラなどを展示するサプライヤーが数多く出展していました。その中から注目した4社についてレポートします。

1. 低コスト化を実現したLiDAR:ヴァレオ

自動運転を実現するためには、障害物を検知するためのセンサーが不可欠です。自動車部品サプライヤーとして知られるヴァレオは、低コスト化を実現した「ソリッド・ステートLiDAR」を世界初出展しました。16個の独立した検知部がそれぞれ検知を行っており、機械的な可動部分がないため低価格化を実現しています。

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ソリッド・ステートLiDAR

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レーザースキャナーSCALA。こちらは約135度の範囲を検知できます

クルマなど大型の障害物であれば約60mまで検知でき、歩行者であっても約40mまで検知ができます。同時に展示された「レーザースキャナーSCALA」に比べると、検知角度や検知距離では劣りますが、ネックであったコスト面の問題を解決しており、SCALAの半額以下で販売が可能になるとのことです。

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ソリッド・ステートLiDARのデモの様子。16の検知部がそれぞれ対象物までの距離を計測しています

現段階では研究フェーズで、2018年に量産を開始する予定とのことです。自動運転の「レベル1」にあたるADAS(先進運転支援システム)への実用が想定されており、低コスト化によりAEB(自動緊急ブレーキ)の普及促進に期待が持てます。

2. 自動運転に対応した2系統EPS制御:デンソー

デンソーのブースの中でも目立っていたのは、2系統EPS制御の展示でした(EPS:電動パワーステアリング)。電子回路とモーター巻線を2系統にすることで、一方の系統に問題が生じても、もう一方の系統によりパワーステアリングを維持し、重ステ(ハンドルが重くなる状態)を回避するのが特徴です。

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2系統EPS制御のデモの様子

デンソーでは、マイコンや通信を含めた完全2系統EPSの展示が行われていました。これにより、自動運転のシステムを2系統で制御できるようになります。従来の1系統では、電子回路に問題が生じれば自動運転から手動の運転に切り替わり、さらに重ステの状態となっていました。

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2系統のEPSが作動している正常な状態

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電子回路に異常があった場合の表示。従来はアシストも自動運転も停止していました

2系統になれば、万が一問題が生じても自動運転を継続でき、シームレスに手動運転に切り替わることもできます。運転する主体が人から機械に変わる自動運転では、このような電子回路制御の予防安全にもっと注目するべきでしょう。

3. 情報をつなぐ、ワクワクするHMI:日立オートモーティブ

日立オートモーティブのブースでは、周辺環境の認識を行うレーダーやカメラ、そして運転を制御するECUが展示されていました。安全運転だけでなく、自動運転のためのECUも展示されていました。

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ステレオカメラ

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先進運転支援用ECU

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自動運転ECU

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車線変更支援用ミリ波レーダー

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サラウンドアイ用メガピクセルカメラ

センシングに加えて、通信とビッグデータ解析を融合させた先進運転支援システム開発の様子が展示されていました。中でも、得られた情報を運転者に的確に的確に伝えるために必要なHMI(Human Machine Interface)が目を引きました。

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クラリオンと共同で出展したHMI

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赤色のランプとともに車間距離を警告する表示

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手をかざして直感的にエアコンの温度操作ができます

モニター部分の表示内容は、フロント部分にAR(拡張現実)表示されます。前のクルマとの車間距離を感知し、赤色の表示とともに運転者に注意を促すことも可能です。特徴的なのは、手の動きをセンサーで感知し、手をかざしてエアコンなどの操作を行えるシステムです。ボタンを確認することがなく、よそ見による事故の防止につながりそうです。

4. ネットワーク化で運転支援:ボッシュ

ボッシュは、「電動化」「自動化」「ネットワーク化」の3つのキーワードで展示を行っていました。自動車部品のサプライヤーとして有名なボッシュ。部品そのものの販売だけでなく、コンポーネントの「ネットワーク化」により、安全支援システムや自動運転を実現しようとする展示が多く見られました。

二輪事業部では、バイクのトータルシステムの展示がありました。2気筒までの二輪車を制御できる小型のECUをはじめ、さまざまなパーツを通信によってシステムとして統合していくとのことです。例えば、超音波センサーで追い越しや接近する車両を検知し注意喚起を行う、アシスタンスシステムが可能になるとのことです。

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二輪車用の小型ECU

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二輪車のシステムイメージ。さまざまなセンサーをネットワーク化することで、運転支援を実現します

「自動化」に必要な各種センサーの展示もありました。ボッシュは、2025年に完全自動運転を実現することを目標としており、コンポーネントの「ネットワーク化」により安全性を高めるソリューションを提供しようとしています。

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周辺加速度センサー

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周辺圧力センサー

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長距離レーダーセンサー

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多目的カメラ

例えば、エアバッグはこれまで衝突を検知してから動作していました。カメラや周辺加速度センサー、周辺圧力センサーで衝突を未然に感知して、ECUと連携することで、エアバッグの展開を早めることができます。他にも、緊急衝突回避システムの構築も考えているとのことです。レーダーで衝突を未然に検知し、ブレーキや横滑り防止装置と協調制御することで、安全な回避が可能になります。

今回の展示では、自動運転を予見した部品やソリューションが多く見られました。さらに、カメラやセンサーを統合して、安全運転支援や自動駐車などのソリューションをサプライヤーが構築する形が増えています。自動運転の実現に向け、業界全体が動き出したという印象を強く受けました。

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