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食品業界に新たなマーケットを作れるか?「お雑煮やさん」の挑戦

食品業界に新たなマーケットを作れるか?「お雑煮屋さん」の挑戦

地方創生の波に乗り、大手百貨店・コンビニチェーンなどに販路を拡大、各種メディアから取材が殺到する話題の食品メーカー株式会社お雑煮やさん。

家庭や地域によって異なる日本のソウル・フード「お雑煮」を「スープ+おもち」と定義し、各地のお雑煮をレトルト食品として商品化。年間を通して食べることができる軽食としてマーケットを広げています。2014年に創業し、今や製造が追いつかず、インターネット経由の販売を一時停止するまでの反響だとのこと。

今回は、株式会社お雑煮やさんの粕谷 浩子社長に、お雑煮を商品化するまでの取り組みや今後の展望について伺いました!

お雑煮に込める地方創生への想い

――異業種から食品業界に飛び込んだと伺いました。なぜ、お雑煮だったのですか?

粕谷 浩子氏(以下、粕谷氏):私、お雑煮マニアなんです(笑)お雑煮は代表的なものだけでも100種類くらいあります。丸もちだったり角もちだったり、だしやみその種類だったり、地方や家庭によって本当にさまざま。「うちのお雑煮はこんなのだよ!」「このお雑煮面白いね!」といった話をみんなでしながら「お雑煮マーケット」を作っていきたいんです。

株式会社 お雑煮やさん 代表取締役 粕谷 浩子氏

株式会社 お雑煮やさん 代表取締役 粕谷 浩子氏

――お雑煮マーケットとはどんなものでしょう?

粕谷氏:私の考えるお雑煮マーケットは、「ご当地お雑煮」と「日常生活で食べるお雑煮」です。「ご当地お雑煮」は、いわば日本庶民の食文化。料理人の文化というよりも、もっと土地に密着したものです。いろいろな種類のお雑煮を食べる機会があったら、面白いと思いませんか?

具材の多くはその土地で採れるものが使われていますし、今は、まちおこしへの展開を考えています。例えば、各地域でその土地の人たちが作ったお雑煮を、当社のパッケージで統一して売り出すことも検討しています。その輪が全国に広がれば、大きな一つのお雑煮マーケットになるのではないかと。そのため、「自分たちもやりたい」と思っていただけるような自社商品作りを目指しました。

その地方の野菜を使い、地元の加工業者さんが、地元のお雑煮を製造する――。自分だけがお雑煮を作るつもりはありません。「まねっこ ウエルカム ビジネス」と私は言っていて、さまざまなお雑煮商品が生まれてマーケットが広がれば、きっと楽しいですよ!

「自分の地元でもやりたい」と思ってもらえるよう、こだわったパッケージ

「自分の地元でもやりたい」と思ってもらえるよう、こだわったパッケージ

「日常生活で食べるお雑煮」とは、軽食として気軽に食べることのできるお雑煮です。お店のレトルトコーナーにカレーやスープなどと並んで、お雑煮があってもいいと思うんです。実際に仮設住宅や介護施設でも食べていただくなど、ニーズもあります。

うどんやお茶漬けなどのように手軽に食べることができれば、年間を通して日常的に食べていただけると思っています。カレーやラーメンも日常的な食べ物ですが、ご当地ものも食べたいじゃないですか。お雑煮は地域による特色もはっきり出せますし、なじみ深い食べ物です。

直談判の連続?原料調達からのスタート

――食品業界は未経験。最初に何から取り組まれたのでしょうか?

粕谷氏:最初に大手食品メーカーに電話しました。人脈もない中、「まず最大手から攻めろ」と思い、「私はお雑煮やさんなんだ! 社長につないで!」ってね(笑)そこからその会社の経営室長とやりとりが始まりました。「お雑煮マーケットを作ったら御社がもうかりますよ?」と口説き、もちの提供を受けることになりました。

――大手食品メーカーにもちの提供をしてもらえるとは、順調なスタートだったのでしょうか?

粕谷氏:もち以外の原料調達は大変でした。レトルト食品でも、できる限り地域野菜を使いたいのですが、その地域でしか作られていない。季節のものが多く流通していない時期もあります。県庁に問い合わせ、生産農家を紹介してもらい、直接お願いに伺うということも何度もありました。地方の皆さんの協力のおかげでなんとかなっています。

原料の調達と並行して、加工工場も探しました。地域野菜などあまり流通していない原料を使う場合、加工してくれる工場も少ないのです。特に、あんもちを加工してくれる工場を探すのには時間がかかりました。50社以上のもちの加工工場に電話して、お願いして…。ようやく長崎に見つけたときには、とてもうれしかったですね。あんもちをレトルト加工して日持ちさせることは、本当に難しいのです。

各地域のお雑煮。原材料の調達、加工工場探しには多大な苦労が

各地域のお雑煮。原材料の調達、加工工場探しには多大な苦労が

資金繰りの苦労は当たり前と割り切る

――中小企業診断士という肩書をお持ちですね。資金繰りの面で苦労しましたか?

粕谷:製造業の立ち上げには資金の心配が尽きません。私はかつて中小企業向けのコンサルタントをやっていたので、在庫を持つリスクや苦労については分かっていたつもりです。それでも、いざやってみると本当に大変だと痛感しています。在庫を持ち、しかも季節変動が大きなお雑煮という分野に飛び込むなんて無鉄砲すぎますよね(笑)

メディアで取り上げられる機会が増え、販路が広がるにつれてより多く製造したい。でも製造するためには、まずお金が必要です。まわりが「すごいね」と言ってくれます。しかし、裏では火の車で、今でも資金繰りが大変です。

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在庫に囲まれて発送作業に追われる

――資金繰りが大変と言ってしまって、大丈夫ですか?

粕谷氏:いいんですよ。危ない会社だと思うなら、「創業ほやほやの会社とは付き合うな」という話です(笑) お雑煮の面白さを理解してくれる人たちと仕事がしたいですね。それくらい可能性のあるマーケットです。

――この先、どんな面白いことが待っていると思いますか?

粕谷氏:今、当社ではご当地お雑煮に積極的に取り組んでいます。この取り組みから、地方の人たちが地域のお雑煮の製造を始めると面白いことが起こりそうと思っています。実際に酒蔵の人(編集部注:お雑煮はお酒とも相性が良い)、その地域の青年部の人たちなど、いろんな人が集まって新たな展開が見えています。違う反応、視点が混ざり合うことで、想像を超える化学反応が起きることを期待しています。

海外に向けては、「ZOUNI」という言葉を広げていきたいです。「スープ+おもち=お雑煮」ですね。こちらもまねは大歓迎。世界中、そして宇宙でも食べられる食品にしていきたいですね。

会社プロフィール
株式会社お雑煮やさん(東京都)

株式会社お雑煮やさん
雑煮詰め合わせお歳暮ギフトの開発・販売から、土産物としての商品開発、お雑煮のファストフード店舗の開発、そしてお雑煮を海外に輸出するといった「雑煮マーケット」の創出を目指しています。
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