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九州・福岡から、日本のIoT業界をけん引!ブレイブリッジ 小橋氏【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.8】

九州・福岡から、日本のIoT業界をけん引!ブレイブリッジ 小橋氏【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.8】

製造業大好き女子が、ユニークかつ先端的な取り組みを行っているモノづくりの現場に直撃インタビューするコーナー「Tech Note MAKERS COLLECTION」 女子ならではの切り口と、笑顔、時には体当たりのパワーで、モノづくりの魅力をたっぷりご紹介します。

第8回は、元大手総合電機メーカーの技術者で、近年のハードウェアベンチャーの陰の立役者である株式会社ブレイブリッジ創業者 兼COO小橋 泰成氏にお話を伺いました。

Tech Noteで初めてのレポートとなる石井 千夏は、最初は難しい話題に戸惑いつつも、小橋氏の熱意に圧倒され、モノづくりの話に魅了されていきます。 

インタビュアー 石井 千夏(いしい ちなつ

インタビュアー 
石井 千夏(いしい ちなつ)

熊本県出身、静岡文化芸術大学4年生。趣味は家電量販店巡りで、好きな家電は高機能電子レンジ。震災支援のNPO法人に所属する、アクティブ女子です。

<もくじ>

  1.  IoTデバイスといえば、ブレイブリッジ?
  2.  「量産スキル」とは何か?部品の値下げ要求、禁止!
  3.  日本から失われつつある「量産スキル」
  4.  今後のモノづくりとIoTデバイスは、どうなる?

1. IoTデバイスといえば、ブレイブリッジ

インタビュースタート。最初は、緊張しました

インタビュースタート。最初は、緊張しました

石井 千夏(以下、千夏):ブレイブリッジさんは、数多くのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)製品を受託製造していると伺いました。どのような製品を作っているのでしょうか?

小橋 泰成氏(以下、小橋): 最近は、ハードウェアベンチャーから相談を受けることが増えました。例えば、この「雰囲気メガネ」は、当社が設計と製造を行っています。メガネ型のハードウェアに、LED、BLE(Bluetooth Low Energy:低消費電力のBluetooth通信規格)チップ、加速度センサー、スピーカー、バッテリーなどが搭載されています。スマートフォンと連動して、LEDの色やパターンで各種通知をしてくれるデバイスです。

雰囲気メガネをかけて、スマートフォンを操作する千夏

雰囲気メガネをかけて、スマートフォンを操作する千夏


雰囲気メガネの動画(出典:YouTube)

千夏:見た目は、普通のメガネと同じですね。いろいろな部品が入っていとは思えません。すごく軽いです!

小橋: どのように細いフレームにバッテリーを収めるか、いかにケーブルを見えないようにするか、弊社の設計技術が詰まっています。

千夏: ベンチャー企業は、そういった技術を持っていないのでしょうか?

小橋: 最近のハードウェアベンチャーは、スマホアプリなど、ソフトウェアを専門とする方が多く、ハードウェアに詳しい方は少ないのが現状です。ただ、製品やサービスのアイデアは、すばらしい。そういったベンチャーとは、企画の段階から議論を重ね、一緒に製品開発をしています。

千夏:なるほど! ベンチャー企業にとって、ブレイブリッジさんは、とても頼もしい存在なんですね。協業は、ベンチャー企業だけなのでしょうか?

小橋:大企業との協業もあります。最近だと、デンソーさんと、自動車のハンドルを握りながら、スマートフォンを操作することができるBLEリモコン「KKP(くるくるピ)」を開発しました。こちらは、クラウドファンディング(インターネット経由で、不特定多数の人から資金調達すること)サイトで出資を募り、無事に目標額を達成しました。

クラウドファンディングサイト「Makuake」に出品された「KKP(くるくるピ)」

クラウドファンディングサイト「Makuake」に出品された「KKP(くるくるピ)  

千夏:モノづくりのプロともいえる大企業が、ブレイブリッジさんの力を必要とするのは、どのような場面なのでしょうか?

小橋:大手のメーカーでも、分野により、得手不得手があります。最近は、自社製品のIoT化を検討する企業が多く、BLE機器の開発・製造が得意な当社へ相談するといったケースがあります。モノをインターネットにつなげるだけといえば簡単ですが、通信モジュール、電波利用の法規制、アプリ開発、提供サービス内容など、多くの課題が発生するのです。当社は、総合的に対応することができます。

千夏:なるほど! IoTって、大変なのですね。クラウドファンディングを利用したのも、何か狙いがあったのですか?

小橋:クラウドファンディングは、コンセプトや製品の仕様を紹介して、実際にお金を出してくれる人が集まるかどうかを確認することができます。モノづくりの会社は、マーケティングリサーチやプロモーションに利用することができます。多額の資金を投入する前に、市場に製品化の是非や改善点を問いかけることができ、メリットが多くあります。 

2.「量産スキル」とは何か?部品の値下げ要求、禁止!

千夏:ブレイブリッジさんは、現在国内で販売されているIoT機器のうち、かなりの数を手がけられたと伺っています。なぜ、ブレイブリッジさんのところに、依頼が来るのでしょうか?

小橋:当社の「量産スキル」に強みがあるからと考えています。

千夏:「量産スキル」とは、どういったものですか?

小橋:生産コストを抑えるためのノウハウも、その一つです。弊社では、部品メーカーに対して値下げの依頼はしません。最終製品のコストダウンが必要な場合、部品の値段を抑えるだけでは、結局は他社に対する競争力を失ってしまいます。

それよりも、少しでも金型が少なくて済む設計にしたり、工場で組み立てやすい設計にしたり、コストを下げる方法は、数多く存在するのです。部品の原価を数パーセント削減するより、生産効率を2倍3倍にする方がコスト削減につながります。これが「量産スキル」です。

千夏:なるほど。単純に部品の値段を下げることは、大学生の私でも思いつきます。同じことをやっても、他の会社に勝てないことは分かりました。ブレイブリッジさんでは、どのような仕事の進め方をしているのですか?

小橋:一般的な言葉でいうと、「コンカレント開発」を実践しています。開発の段階から、製造や購買の人を巻き込んで、一緒に計画するというやり方です。

コンカレント開発?

コンカレント開発?

千夏:コンカレント開発は、どのようなメリットがあるのですか?

小橋:工場の人が作業しづらい設計は、コスト増と不良品の発生につながります。例えば、部品の装着で、作業者の手が入りづらい場所だと、作業に時間がかかったり、専用の工具が必要になったりします。その結果、作業ミスが発生するなど、何らかのかたちでコストが増加します。

当社では、このようなことが極力発生しないように、工場の人も巻き込んで、開発をしています。そのため、工場とオフィスが近くにあります。製造しづらい設計があれば、工場のおばちゃんに、すぐに怒られるということが大事です。実際、「あんた、ほんとにこの作業を私にさせるとね?」と怒られることがあります(笑)

千夏:博多弁ですね(笑) 工場の人の意見が、尊重されているのですね。

工場のパートさんの意見を、とっても大事にされています!

工場のパートさんの意見を、とっても大事にされています!
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