高専生のエンジニアとしての能力と可能性
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オシロスコープは1人1台?高専は未来のエンジニアの宝庫!東京高専水戸研究室【Tech Note MAKERS COLLECTION Vol.11】

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製造業大好き女子が、ユニークかつ先端的な取り組みを行っているモノづくりの現場に直撃インタビューするコーナー「Tech Note MAKERS COLLECTION」 女子ならではの切り口と、笑顔、時には体当たりのパワーで、モノづくりの魅力をたっぷりご紹介します。

第11回は、IoTデバイスを開発している国立東京工業高等専門学校(東京都八王子市)の水戸研究室。学生主体で、さまざまなIoTデバイスを開発しています。その経緯や、高専生のエンジニアとしての能力と可能性について伺ってきました。

インタビュアー 土谷 梓(つちや あずさ)

インタビュアー 土谷 梓(つちや あずさ)

東京都出身。2013年度ミス成蹊大学の大学4年生。趣味は歌とダンス。「彼氏にするなら、誠実そうな製造業の人がいい」という製造業大好きっ子です。2016年1月より、チャンネルNEOの新番組「映画酒」にてレギュラーアシスタントMCを務める。

1. 計測器を作っていたら、いつの間にかIoTデバイスに!

左から、5年生の中村さんと山田さん、水戸先生、あずさ。最初はみなさん緊張していました

左から、5年生の中村さんと山田さん、水戸先生、あずさ。最初はみなさん緊張していました

土谷 梓(以下、あずさ):今日はよろしくお願いします。今回初めて高専に来ました。とてもワクワクしています。自由な雰囲気で、高校というより大学みたいな感じですね。

水戸 慎一郎氏(以下、水戸):はい。高専は高校と違って5年制です。研究室にも所属するので、大学のような印象を持たれても不思議ではありません。

あずさ:先生の研究室では、IoTデバイスの開発をされているのですよね?

水戸:本来は磁気や光などのアカデミックな研究がメインです。IoTデバイスの開発をするようになったのは、別の先生から「電力消費量を計測するようなデバイスを作れないか?」と相談されたのがきっかけです。利便性を考えて、データを無線でクラウドにアップするような仕組みにしていたら、いつの間にか今はやりのIoTをやっていたという感じです。

あずさ:いつの間にか、ですか。すごいですね。

水戸:技術的には、あまり難しいものではありません。無線機器やサーバー構築の経験が無い学生ばかりでしたが、約3ヶ月で無線電力消費計の仕組みを作ってしまいました。

学生が3ヶ月で作った、コンセントに取り付け可能な電力消費センサーデバイス。非接触のため安全性に優れ、電池不要。TWE-Lite(モノワイヤレス社製 小型無線モジュール)でデータをクラウドにリアルタイムでアップロード

学生が3ヶ月で作った、コンセントに取り付け可能な電力消費センサーデバイス。非接触のため安全性に優れ、電池不要。TWE-Lite(モノワイヤレス社製 小型無線モジュール)でデータをクラウドにリアルタイムでアップロード

右下:電源ケーブルにセットする電力消費センサー(マイコン兼無線モジュールとしてTWE-Liteを使用し、筐体は3Dプリンターで製作)、左下:TWE-Liteゲートウェイ、PC画面:クラウド経由で受信するリアルタイムのデータ

右下:電源ケーブルにセットする電力消費センサー(マイコン兼無線モジュールとしてTWE-Liteを使用し、筐体は3Dプリンターで製作)、左下:TWE-Liteゲートウェイ、PC画面:クラウド経由で受信するリアルタイムのデータ
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2. たった1週間でハードもソフトも作る19歳の学生たち

あずさ:3ヶ月で作ってしまったんですか?

水戸:はい。この後に作ったCO2センサーは1週間で作ってしまいました。教室の空気が新鮮かどうかを測って、正常であれば猫の人形が緑色に、空気が悪ければ黄色から赤に変わります。同時に、データをリアルタイムでクラウドにアップロードします。

あずさ:1週間! しかも、かわいいし、色で空気の状態を教えてくれるって、数字よりも分かりやすくていいです。これを、19や20歳の学生さんが作ってしまったんですよね?

学生たちが1週間で作ったCO2センサー。筐体は3Dプリンターで作成

学生たちが1週間で作ったCO2センサー。筐体は3Dプリンターで作成

水戸:高専の学生は、センター試験などの大学受験や、高校から大学に入るという大きな環境の変化を経験することがありません。一般的な大学生と比べ、電子工作やプログラミングに集中する時間があります。専門分野については、自然と実力が付きます。

あずさ:なるほど! 普通の大学生は、大学受験とその後の大学生活に相当のエネルギーをつぎ込みますね。同じ年の高専の学生さんは、そのエネルギーをモノづくりに注ぐのですね。文系大学生の私とは全くの別世界です。

水戸:さらに、最近はラズベリーパイなどのオープンソースマイコンや、3Dプリンターなど、学生が使える安価な設備が増えたのも、大きなメリットです。座学で学ぶ電子回路やプログラミングの基礎知識に加え、実践する環境が充実してきました。

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中村さんから難しいソースコードの説明を受けるあずさ。「よく分からないけどカッコイイ!」

山田さんにブレッドボードについて教えてもらうあずさ

山田さんにブレッドボードについて教えてもらうあずさ

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3. 企業と高専は、いかに協業できるか?

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山田さんのデスクには、オシロスコープ常備!

水戸:最近では、企業からの依頼も、少しずつ受けています。例えば、猪や鹿のわなを作る愛知県のメーカーから、「わなに動物が引っかかったときに、無線で通知する仕組みを作ってほしい」と頼まれ、現在学生と一緒に取り組んでいます。

あずさ:面白いですねー! すぐに作っちゃいそうですね!

水戸:学生たちにとっては、程よい難易度です。実社会で使われるものは、それなりに課題もあり、とてもやりがいがあります。

あずさ:優秀な学生さんたちなので、もっと企業とも協業できるといいですね。

水戸:高専は全国に57校ありますが、まだまだ認知度が低いです。最近は、全国的に高専がもっと社会や企業と連携していこうという気運が高まっています。このような事例が増えていけばいいなと思っています。

あずさ:どのような協業が、できるのでしょうか?

水戸:試作品などを短期間で作るのは得意です。例えば、企業としては、開発費を出すのが難しいけれども、社会的要求が大きいテーマです。CSR(企業の社会的責任)の取り組みとして、相談してもらえればと思います。また、われわれとしては、技術をビジネスにつなげる経験が不足しています。企業との協業を通じて、高専だけではできない教育や、就職先の企業とつながる機会になればうれしいです。

あずさ:素敵ですね。今日は実験装置にたくさん触れたり、優秀な学生さんたちとお話しできたり、とても楽しかったです。ありがとうございました!

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高専と企業はもっと協業できるはず!と語る水戸先生

アツく語る水戸先生、素敵です!

アツく語る水戸先生、素敵です!

あずさ‘sコメント

学生さんも先生も、自分たちの取り組みにとても自信を持っていると感じました。きっと、身に付ける専門知識や経験がしっかりしているからなのでしょう。これから、もっと高専や高専出身の学生さんが、世の中で活躍していく姿を見たいです!

学校プロフィール
東京工業高等専門学校 水戸研究室(東京都八王子市)

東京工業高等専門学校 水戸研究室

磁気との相互作用を利用した光のコントロールについて研究する傍ら、社会との共創による教育、社会貢献に取り組んでいます。

詳細は、こちら をご覧ください。

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