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空圧源:空圧の基礎知識2

空圧の基礎知識
更新日:2019年7月26日(初回投稿)
著者:東京電機大学 教授 藤田壽憲

前回は、空圧システムの概要と特徴、空気の性質について解説しました。今回は空圧源側で使用される機器について、基本的な構造と原理を解説するとともに、空圧システムを利用する上で知っておくべき事項について解説します。

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1. 空気圧縮機(エアコンプレッサ)

図1に、主に使用されている空気圧縮機を示します。図1a)の往復圧縮機(レシプロ圧縮機)は、ピストン-クランク機構を用いてピストンを往復運動させることにより、シリンダ内の容積を変化させます。ピストン下降時には大気から吸込み弁を介して空気を吸い込み、上昇時には空気を圧縮し吐出弁より圧縮空気を送り出します。構造が単純で安価である反面、騒音・振動が大きく効率も悪いという欠点があります。

図1b)のスクリュー圧縮機は、オス型とメス型のねじ(スクリュー)をロータとし、ねじのすきま容積を回転とともに徐々に小さくすることにより圧縮空気を作り出します。振動体がないため騒音・振動を小さくでき、往復圧縮機より高効率です。しかし、ねじの精度もあり、小型の空気圧縮機には不向きです。

図1:主に使用されている空気圧縮機(エアコンプレッサ)

図1:主に使用されている空気圧縮機(エアコンプレッサ)(引用:SMC(株)、セミナー資料「空気圧の基礎」)

両者とも空気圧縮機の動力には、電気モータまたはエンジンが使われます。使用されるモータ容量と、1kW当たりの吐出される空気流量について、両者を比較したものを表1に示します。

表示されている流量は、空気圧縮機から吐出される高い圧力のときの流量ではなく、それを0.1MPaに戻したときの体積に換算した流量になります。高圧時の空気圧縮機からの吐出流量はボイル・シャルルの法則より求められ、吐出流量は小さくなります。往復圧縮機は効率が悪く1kW当たりの吐出空気流量は小さいですが、モータ容量の小さいものがあり、小規模な空気圧駆動システムの駆動に使われます。一方、スクリュー圧縮機は、モータ容量の大きいものがあり、効率も高いため、現在、工場で最も普及している空気圧縮機となります。

表1:往復圧縮機とスクリュー圧縮機の比較(ANR: 標準参考空気状態。20℃、0.1MPa、相対湿度65%)

表1:往復圧縮機とスクリュー圧縮機の比較(ANR: 標準参考空気状態。20℃、0.1MPa、相対湿度65%)

これらの数値はピストンやねじのシール、潤滑、冷却のために油を用いた給油タイプの空気圧縮機のものです。医療、食品工業や半導体産業などでは油分を含まない清浄空気が求められ、その場合には無給油タイプの空気圧縮機が使用されます。無給油タイプは給油式より効率が低く、吐出空気流量は低下します。

無給油タイプの空気圧縮機には、図2に示すような種類の空気圧縮機もあります。図2a)のスクロール空気圧縮機は、インボリュート曲線を持つ固定スクロールと旋回スクロールで囲まれた空間が、旋回スクロールを偏心運動させることにより、中心に向かって徐々に小さくなり圧縮するものです。騒音・振動が低く、小流量の空気圧縮機の中では効率が高いのが特徴です。

図2b)のクロー空気圧縮機はオスとメスのクロー(かぎ爪)をロータとし、クローとハウジングの間の容積が変化することにより圧縮します。スクロール型より大流量であり、2段圧縮を採用していることもあって高効率です。非接触でロータが回転するため耐久性も高いです。

図2:無給油タイプの空気圧縮機

図2:無給油タイプの空気圧縮機(引用:アネスト岩田(株)HP)

空気圧縮機の直後には、空気圧縮機により発生する圧力脈動の平滑化と、圧縮空気の冷却を目的としてエアタンクを設置します。エアタンクの容量は空気圧縮機の流量の15~25%を目安とします。また、空気圧縮機は以下を満たすように選定します。1kW当たりの吐出空気流量は表1を参考にしてください。7.5kW以下では100L/min(ANR)とします。

空気圧縮機の吐出流量 (=モータ容量×1kW当たりの吐出空気流量) ≧ 空圧機器の平均消費流量

選定条件を満たしていればエアタンクの圧力が上昇します。空気圧縮機の設定にもよりますが、0.8MPa程度になると空気圧縮機は停止となり上昇が止まります。圧縮空気が消費され圧力が0.6MPa程度まで下がると、空気圧縮機は運転状態となり再び圧力が上昇します。発停間隔が短いと圧縮機に良くないので、アンロード運転を行う(アンロード式空気圧縮機を選定する)、またはエアタンクを大きくする必要があります。

圧力が高くなるほど圧縮空気を製造するエネルギーが増えます。空気圧縮機を駆動するモータの回転数を、消費流量と釣り合うようにインバータで制御を行い、必要最低の圧力で一定に保つことで省エネルギーを実現しているインバータ搭載の空気圧縮機もあります。

2. エアドライヤ

圧縮空気は多量の水蒸気を含んでおり、水分を除去して乾燥空気にするのがエアドライヤです。単位体積当たりに水蒸気で存在できる量、すなわち飽和水蒸気量は圧力によらず一定のため、多量の水分が発生します。圧力が0.6~0.8MPaとなる空気圧縮機では湿度が100%を超えるので、水分が凝縮しドレンが発生します。ドレンとは、大気中から取り込んだ粉塵や、空気圧縮機で発生した潤滑油や金属粉などが水分に混じったものをいいます。空気圧縮機と空気タンクで発生したドレンは、フィルタやドレンセパレータなどで取り除かれますが、湿度はほぼ100%のままです。この状態で空圧機器を動作させると、下流で水が発生して空圧機器の腐食やバルブの凍結がおこり、動作不良を引き起こします。これらのトラブル回避するためにエアドライヤが設置されます。

冷凍式エアドライヤの構造を図3に示します。飽和水蒸気量は温度が低いほど少なくなります。冷凍式の原理は、冷凍機により一旦冷やすことによって水蒸気を凝縮させるものです。空気圧縮機からの空気は熱交換器で冷却された空気により予冷されます。その後、熱交換器に入り露点10℃程度まで冷却し水蒸気を液化させます。この液体はドレンとなり、ドレンセパレータで分離され排出されます。冷却された乾燥空気は再加熱器で入口の圧縮空気の予冷に使われ、再加熱されてから送り出されます。露点10℃は圧力下ですので、膨張すればさらに湿度は下がります。圧力を0.7MPaとすれば、大気圧では体積は約8倍に膨張しますので露点-17℃となります。この値は温度が20℃のときの相対湿度に換算すると8%となり、かなり乾燥している状態となります。冷凍式は電気が必要ですが大量の圧縮空気を処理でき、経済性も高いので一般的な空圧供給ラインに使用されます。

図3:冷凍式エアドライヤ

図3:冷凍式エアドライヤ(引用:SMC(株)、セミナー資料「空気圧の基礎」)

一般的な使用では、冷凍式で得られる露点10℃で水滴は発生せず問題ありませんが、断熱変化の場合はこれより低くなり、一時的に-17℃以下になることもあります。このため水分を嫌う半導体産業ではさらに乾燥した圧縮空気が求められます。このようなときには吸着式や膜式のエアドライヤが用いられます。

吸着式は水蒸気を乾燥剤に吸着することで乾燥させるものです。吸着式では大気圧下で-30~-70℃の露店が得られます。膜式は高分子膜でできた中空糸を使用します。中空糸の内側に湿った圧縮空気を流すと、中空糸の内側と外側の分圧差により、水蒸気のみが中空糸の外側に移動し、中空糸中の空気を除湿します。膜式では-60℃の露点が得られます。膜式は小型で電源も不要であることから、露点を-20℃に変更した膜式を冷凍式の代わりに使うことがあります。

3. エアフィルタ

エアフィルタは圧縮空気中のごみやドレンを除去する機器です。図4にエアフィルタの構造を示します。フィルタに入った空気流はディフレクタにより旋回流となります。サイクロン効果を使って比較的大きなごみとドレンを遠心力によりケースに叩きつけて下に落とします。取り切れなかったごみはフィルタエレメントによりろ過され、清浄な空気となって送り出されます。

図4:エアフィルタ

図4:エアフィルタ(引用:SMC(株)、セミナー資料「空気圧の基礎」)

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4. 減圧弁(レギュレータ)

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