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有限要素法のテクニック:CAEの基礎知識6

CAEの基礎知識

更新日:2019年1月31日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 名誉教授・野村CAE技術士事務所 野村 大次

前回は有限要素法と他数値解法との比較を行いました。今回は最終回です。座標系、要素剛性マトリックスの全体座標系への変換、拘束ケースと荷重ケース、等価節点荷重について解説します。これらは有限要素解析を行う上で知っておいた方がよい項目です。

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1. 座標系

座標系とは、点や要素の位置を示すために定義する基準です。有限要素法で用いられる座標系には、全体座標系、節点座標系、要素座標系などがあります。

1:全体座標系(基準座標系)

全体座標系とは、基準となるように暗黙に仮定された座標系のことです。他の多くの座標系は全体座標系との関係で定義されます。

2:節点座標系

節点座標系とは、節点の位置または変位方向を定義する座標系のことです。直交座標系、円筒座標系、球座標系の3種類があります。変位方向を定義する座標系の場合には変位座標系と呼ばれることもあります。

・直交座標系
直交座標系とは、座標軸が直交している座標系のことです。図1では、2次元で全体座標系(x,y)に対して角度θ回転させた(xl,yl)を表わしています。変位方向は、(xl,yl)に対応して、(ul,vl)が定義されます。この変位を拘束することで、傾斜拘束が表現できます。

図1:直交座標系

図1:直交座標系

・円筒座標系
円筒座標系とは、円柱の半径方向の距離r、周方向の角度θ、軸方向の距離zの3つで位置を指定する座標系のことです(図2)。節点座標値は、解析時には直交座標系に変換されます。変位成分は半径方向のur、周方向の接線方向uθ、軸方向のuzになります。urを拘束することで、回転軸のベアリングなどをモデル化することができます。

図2:円筒座標系

図2:円筒座標系

・球面座標系
球面座標系とは、球の半径rと2つの角度θ、φで位置を指定する座標系のことです(図3)。変位成分は半径方向のur、緯線方向の接線uφ、経線方向の接線uθになります。

図3:球面座標系

図3:球面座標系

3:要素座標系

要素座標系とは、要素を定義する座標系のことです。全体座標系で定義された節点座標の値を、要素座標系の値に変換して要素剛性マトリックスを計算します。その後、要素剛性マトリックスを全体座標系での値に再変換し、全体剛性マトリックスに重ね合わせます。

要素座標系の原点は、一般に要素第1節点か、四角形要素では要素対角線の交点に置かれます。要素座標系の定義はCAEソフトウェアによって異なります。今回は、はり要素、三角形要素、四角形要素の3つを取り上げ、代表的な定義を示します。

・はり要素
はり要素の座標系を定義する場合、節点1(G1)に原点を置きます。長さ方向(G2方向)をxe軸とし、G1-G2線上にない第3の点G3と、G1・G2点とで作る平面の法線方向をze軸として、ze軸と xe軸との右手右ねじ系をye軸として定めます(図4)。

図4:はり要素の座標系

図4:はり要素の座標系

・三角形要素
三角形要素の座標系の決め方は、はり要素と同様です(図5)。

図5:三角形要素の座標系

図5:三角形要素の座標系

・四角形要素
G1-G3、G4-G2を結ぶ2対角線のなす角2αの2等分線の方向をxe軸とし、G1~G4で作る平面の法線方向をze軸として、ze軸とxe軸との右手右ねじ系をye軸として定めます(図6)。要素節点番号の附番順序が変わっても、xe軸とye軸が入れ替わるだけという特徴があります。任意の四角形では、一般に四節点が同一平面上に乗らないことがあります。その場合、Nastranでは平均平面という考えを用いて、力学的に等価になるよう工夫しています。

図6:四角形要素の座標系

図6:四角形要素の座標系

これまで解説した3つの要素では、応力は要素座標系で出力されます。三角形要素と四角形要素でメッシュを自動生成させると、要素座標系は要素ごとにさまざまな方向を向きます。そのため、応力成分のコンタ図を描く際には注意が必要です。コンタ図には通常、要素で計算された応力値を要素節点位置に外挿して、節点を共有する要素で平均した応力値を用います。

2. 要素剛性マトリックスの全体座標系への変換

全体座標系で定義された節点座標値を、局所座標系での値に変換する座標変換マトリックスと、それを用いた要素剛性マトリックスの全体座標系への変換について説明します。

1:座標変換マトリックス

座標変換マトリックスとは、全体座標系を局所座標系へ変換させるためのマトリックスのことです。節点座標と節点変位に適用できます。2次元平面での節点座標の座標変換(図7)は、次式で計算されます。

2次元平面での節点座標の座標変換

図7:2次元での直交座標変

図7:2次元での直交座標変

マトリックス表示をすると、次式となります。

マトリックス表示

[λ]を座標変換マトリックスといいます。三角形要素では節点数Nnode=3、四角形要素ではNnode=4なので、要素座標変換マトリックス[T]は[λ]を節点数分だけ対角に並べたマトリックスになります。次式は三角形要素の場合です。

三角形要素の場合のマトリックス

要素座標系での要素節点変位ベクトル{δl}は全体座標系での要素節点変位ベクトル{δe}を用いて、次式で計算されます。

要素節点変位ベクトル{δl}

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 拘束ケースと荷重ケース

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 等価節点荷重

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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