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主な包装貨物試験方法:段ボールの基礎知識6

段ボールの基礎知識

更新日:2020年8月6日(初回投稿)
著者:レンゴー株式会社 包装技術部 担当部長代理 東山 哲

前回は、段ボール箱の特性を説明しました。段ボールの包装設計は、形式、材質、寸法を決めて終わりではありません。輸送包装として問題がないことを、包装貨物試験などによって検証する必要があります。本連載の最終回は、段ボール包装においてよく行われる包装貨物試験について、JISの方法を中心に解説します。

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1. 圧縮試験

段ボール箱の圧縮試験は、一般に、JIS Z 0212 包装貨物および容器-圧縮試験方法に準じて行います。圧縮試験には、圧縮試験機を用いた方法と、所定時間、静的な積み重ね荷重を加える方法があります。

・圧縮試験機を用いた試験方法

試験機、段ボール箱の圧縮試験の様子、段ボール箱が座屈した状態を、図1、2、3に示します。また、JIS Z 0212では、方法A、方法Bの2つの試験方法を規定しています(表1)。いずれも圧縮速度は10±3mmで、供試品の数は、方法Aでは3個以上、方法Bでは5個以上が望ましいとされています。

図1:圧縮試験機

図1:圧縮試験機

図2:圧縮試験

図2:圧縮試験

図3:座屈

図3:座屈
表1:試験方法(参考:JIS Z 0212 試験方法、1998年、P.2)

表1:試験方法(参考:JIS Z 0212 試験方法、1998年、P.2)

方法Aでは、圧縮試験機で所定荷重を加えた後、直ちに包装貨物を取り外して、内容品の破損などを調べます。方法Bでは、最大圧縮荷重(N)や圧縮量(mm)を測定します。段ボール箱では、特に空箱の圧縮強さを知ることが重要なので、方法Bを行うことが多くなります。また、静的な荷重を所定時間加える積み重ね荷重試験(後述)を行って、内容品や段ボール箱の状態も調べます。

・初期荷重

圧縮試験では、圧縮量の起点(初期荷重)を定めておくことが必要です。圧縮量とは、圧縮荷重-変位曲線における初期荷重からピークトップ(最大圧縮荷重)までの変位を意味します(図4)。初期荷重は、方法Aでは、適用荷重の範囲によってそれぞれ決められており(表2)、方法Bでは、両面段ボール箱と複両面段ボール箱でそれぞれ決められています(表3)。その他については、当事者間で決めるとされています。

図4:圧縮荷重-変位曲線の例

図4:圧縮荷重-変位曲線の例
表2:方法Aにおける段ボール箱の初期荷重(参考:JIS Z 0212 初期荷重、1998年、P.3)

表2:方法Aにおける段ボール箱の初期荷重(参考:JIS Z 0212 初期荷重、1998年、P.3)

表3:方法Bにおける段ボール箱の初期荷重(参考:JIS Z 0212 初期荷重、1998年、P.3)

表3:方法Bにおける段ボール箱の初期荷重(参考:JIS Z 0212 初期荷重、1998年、P.3)

・方法Aにおける負荷係数

方法Aでは、所定の圧縮荷重が必要です。JIS Z 0200 包装貨物-性能試験方法一般通則の圧縮試験のページには、圧縮荷重を求めるために必要な負荷係数が記載されています(表4)。なお、この負荷係数は、保管期間や湿度などによって圧縮強さが変化する段ボールなど紙製包装を対象としています。圧縮荷重は、式1で求めます。

F=9.8×K×M×n   …式1

 F:圧縮荷重(N)
 K:負荷係数
 M:供試品の総質量(kg)
 n:流通時の最大積み重ね段数(最下段を含まない最上段までの段数)

表4:方法Aにおける負荷係数(参考:JIS Z 0200負荷係数、2013年、P.9)

表4:方法Aにおける負荷係数(参考:JIS Z 0200負荷係数、2013年、P.9)

負荷係数は、3つの荷重係数の積です。例えば、保証レベル1の場合、保管条件は、管理:悪い、期間:6か月、湿度:90%RHであり、荷重係数はそれぞれ2.0、1.9、1.9と示されています。そして、それらを掛け合わせた数値(2.0×1.9×1.9=7.2)が負荷係数となります。また、保管条件がある程度想定できる場合、荷重係数の組み合わせを変更して、受け渡し当事者間で負荷係数を決めても構いません。例えば、管理:普通、期間:1か月、湿度:75%RHを想定しているとすれば、1.5×1.7×1.4≒3.6が負荷係数となります。負荷係数が分かれば、保管時に最下段の箱が支える荷重にそれを掛けることで、圧縮荷重を求めることができます。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

2. 衝撃試験

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 振動試験

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