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化学組成と結晶構造について:セラミックスの基礎知識2

セラミックスの基礎知識

更新日:2020年7月28日(初回投稿)
著者:東海大学 工学部 材料科学科 教授 松下 純一

前回は、セラミックの語源や、セラミック材料の性質などを紹介しました。今回は、広義のセラミックスとして扱うことができる無機非金属固体材料の化学組成と、結晶構造について解説します。

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1. セラミックスの化学組成

無機非金属固体材料は、広義のセラミックス(セラミック材料)として扱うことができます。では、無機非金属固体材料とは何でしょうか? 固体材料を化学成分で大別すると、有機材料(Organic Material)と無機材料(Inorganic Material)に分けられます。有機とは、生活機能(生命の営みが可能)という意味を含む「機」を有し、無機は「機」を持たないという意味です。このうち、無機材料は、金属材料とセラミック材料(セラミックス)に分けられます。このセラミック材料が、無機非金属固体材料です(図1)。

図1:固体材料の化学組織

図1:固体材料の化学組織

次に、素材の観点で固体材料を大別すると、単体材料、化合物材料、混合物材料、複合材料などに分けられます(図2)。

図2:固体材料の素材別の分類

図2:固体材料の素材別の分類

セラミックスの代表的な単体材料には、炭素、ホウ素、ケイ素などの工業材料があります。これらの単体材料は、単一の非金属原子で化学結合している単一分子の材料です。炭素C原子のみが共有結合しているダイヤモンドや、ケイ素Si原子のみがダイヤモンド構造を有するケイ素(工業的呼称はシリコン)などは有用な無機材料です(βスズ構造へ相転移したケイ素は、金属材料として扱われます)。

なお、ダイヤモンドやシリコンは、人為的に高温で焼き固めた無機固体材料(狭義のセラミック材料)ではありません。ただし、金属材料ではないため、本稿では広義のセラミック材料として扱います。

酸素や炭素などが、ある1種類以上の金属元素、あるいは非金属元素(酸素や炭素などよりも低い電気陰性度)と化学結合した化学組成である化合物材料(セラミック化合物)には、二酸化ケイ素や、炭化ケイ素などがあります。これらは有用な工業材料であり、さまざまな分野で利用されています。単体材料や化合物材料については、次回以降に詳しく解説します。

2. 結晶と非晶質

全ての固体材料は、構成粒子(原子配列(Atomic Arrangement))に秩序性があり、一定の3次元的な周期構造を有する状態の結晶(Crystal)と、一定の3次元的な周期構造を持たない状態の非晶質(Amorphous)に区分できます。非晶質は、アモルファス、あるいは無定形とも呼ばれます。

非晶質で、ガラス転移点(Glass Transition Point)を有するものは、ガラス(Glass)と呼ばれます。なお、有機材料である高分子が有するガラス転移点は、二次転移点とも呼ばれます。このガラス状態の典型的な例が無機ガラスです。ガラス状態の「ガラス」という言葉は、無機ガラスに由来しています。

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3. 単結晶と多結晶

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