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セラミックスの作り方(単結晶など):セラミックスの基礎知識8

セラミックスの基礎知識

更新日:2021年1月14日(初回投稿)
著者:東海大学 工学部 材料科学科 教授 松下 純一

前回は、セラミックスの作り方の前編として、焼結体の作製方法を解説しました。今回は、単結晶の育成方法、粉末の合成方法、成膜の方法、繊維の合成方法、および多孔体の作製方法を取り上げます。

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1. 単結晶育成

セラミックスの単結晶を作ることは、通常、単結晶作製ではなく、単結晶育成(Crystal Growth)と呼びます。前回解説したように、単結晶の育成には、多結晶体(焼結体)の作製に使用する焼成炉を用いることはできません。一般的に、大口径、かつ長尺な単結晶を成長させるには、液相法を用います。

液相法は、溶液法と融液法に大別できます。溶液法には、水熱合成(Hydrothermal Crystallization)法やフラックス(Flux)法があります。図1に、高温化学反応が可能な高圧容器(オートクレーブ、Autoclave)を用いて水熱合成法により育成された単結晶SiO2(人工水晶)の一例を示します。

図1:水熱合成法により育成された人工水晶の一例

図1:水熱合成法により育成された人工水晶の一例

また、融液法には、容器を使用するチョクラルスキー(Czochralski)法、通称CZ法とブリッジマン(Bridgman)法、通称B法/ブッジマン-ストックバーガー(Bridgman-Stockbarger)法、通称BS法、および容器を使用しない火炎溶融法(ベルヌーイ(Verneuil)法)、通称V法、浮遊帯溶融(Floating-zone Melting)法/フローティングゾーン(Floating Zone)法、通称FZ法などがあります。図2に、磁場を印加したCZ法(Magnetic Field Applied Czochralski法、通称MCZ法)により結晶成長させたSi半導体用単結晶(インゴット、Ingot)の一例を示します。

図2:チョクラルスキー法により引き上げられたシリコン単結晶(インゴット)の一例

図2:チョクラルスキー法により引き上げられたシリコン単結晶(インゴット)の一例

テレビや携帯電話などの弾性表面波(Surface Acoustic Wave、SAW)フィルタなどに用いられるタンタル酸リチウムLiTaO3や、ニオブ酸リチウムLiNbO3の単結晶も、CZ法で育成されます。なお、気相法を用いて、大型の単結晶を育成することは、現時点で商用的には困難です。気相法は、エピタキシャル(Epitaxy)成長などによる単結晶薄膜の合成時などに用いられます。特に、炭化ケイ素SiCや、化合物半導体の作製などに応用されています。

2. 粉末合成

セラミック粉末の合成方法は、固相法、気相法、液相法に大別できます。これらの方法を組み合わせる場合もあります。固相法は、原料粉末同士の直接的な化学反応によって合成する方法です。気相法は、特にアークプラズマを用いた合成法により、高純度で超微粉の合成が容易です。なお、アークプラズマのアーク(Arc)とは、アーク放電(Electrical Arc)の意です。液相法による合成法としては、融液を用いる場合と溶液を用いる場合があります。

溶液を用いる液相法に分類される共沈(Coprecipitation)法と、アルコキシド(Alkoxide)法などのゾル-ゲル(Sol-Gel)法は、工業的にも広く利用されている粉末合成方法です。ゾル-ゲル法とは、ガラスをはじめとするセラミック粉末の合成法で、溶液から、加水分解、縮重合などの化学反応を経てゲル(ゼリー状の固体)を作製し、熱処理をして緻密化を促進させていく方法です。これらの合成方法で得られる超微粒子(Ultrafine Particle)、あるいは微粉末(Fine Powder)は、通常よりも低い焼成温度で焼結体を作製することが可能です。その主な理由は、粉体の粒径制御が可能(ほぼ単一粒径の球形粉体を得ることも可能)で、均一組成で超高純度の超微粉末を得ることができるためです。これらの粉末合成の手法を、ビルディングアップ(Building-up、またはビルドアップ(Build-up))法と呼びます。なお、Sol-Gelという用語は、水素イオン濃度指数pHのドイツ語読みのペーハーと同様に、ゾル-ゲルです。既解説のとおり、pHという学術用語は、文部科学省はピーエイチ、度量系分野(経済産業省)ではピーエッチという英語読みの表記です。英語読みの表記であれば、Sol-Gelはソル-ジェルです。

原子やイオンあるいは分子の集合体を化学反応により成長させて、微粒子を作るのをビルドアップ法というのに対し、粉砕工程を経て、粉末を細分化する合成手法を、ブレーキングダウン(Breaking-down、またはブレークダウン(Break-down))法と呼びます。図3に、固相法により合成した青色蛍光粉末の一例を示します。左が室内蛍光灯下で撮影した試料粉末(白色)、右が室内を暗くして撮影した同一の試料粉末(青色)です。

図3:青色蛍光性のセラミック粉末の一例

図3:青色蛍光性のセラミック粉末の一例

3. 成膜方法

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4. 繊維合成

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5. 多孔体作製

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