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コンクリートの製造技術:コンクリートの基礎知識3

コンクリートの基礎知識

更新日:2016年11月30日(初回投稿)
著者:広島工業大学 工学部 環境土木工学科 教授 十河 茂幸

前回は、構造物に求められる性能を実現するための、コンクリートの配合設計技術を解説しました。今回は、コンクリートの製造技術について解説します。品質管理がしっかりしていても、実際に用いられるコンクリートの品質には、かなりの変動が生じます。配合設計通りのコンクリートを造るには、正しい製造技術を理解する必要があります。

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1. コンクリート材料の選定

コンクリートを構成する材料には、結合材(セメントおよび混和材)、水、骨材があります。これらに加えて、混和剤が使用されます。混和剤は、コンクリートの全体量からすると微量であるため、配合計算上は質量に加えません。以下に、コンクリート用の材料の詳細を説明します。

セメント

一般的にセメントには、普通ポルトランドセメントが用いられます。地中構造物や、耐久性が求められる場合には高炉セメントが、施工時に早く硬化させたい場合には、早強ポルトランドセメントを用いることがあります。その他にも、用途に応じた各種セメントがJIS(日本工業規格)に規定されています。しかし、生コン工場のサイロ数には限りがあり、希望のセメントを使えないことも多くあります。表1に、各種セメントの特徴と、生産量比率の統計結果を示します。

表1:各種セメントの特徴と生産量比率
区分種類性質略号生産量比率(%)
ポルトランドセメント普通ポルトランドセメント現場施工や製品に使用される最も一般的なセメントN69.6
早強ポルトランドセメント普通ポルトランドセメントの7日強度を3日で得られるセメントH5.5
超早強ポルトランドセメント早強ポルトランドセメントの3日強度を1日で得られるセメントUH
中庸熱ポルトランドセメント水和熱を低減し、マスコンクリートに使用されるセメントM1.3
低熱ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメントよりさらに水和熱を低減したセメントL0.3
耐硫酸塩ポルトランドセメント硫酸塩を含む土壌での工事に適し、耐海水性に優れたセメントSR0.01
混合セメント高炉セメントA種高炉スラグを混合したセメント
混合率5~30%
BA20.8
高炉セメントB種高炉スラグを混合したセメント
混合率30~60%
BB
高炉セメントC種高炉スラグを混合したセメント
混合率60~70%
BC
フライアッシュセメントA種フライアッシュを混合したセメント
混合率5~10%
FA0.2
フライアッシュセメントB種フライアッシュを混合したセメント
混合率10~20%
FB
フライアッシュセメントC種フライアッシュを混合したセメント
混合率20~30%
FC
*生産量比率は2015年度の統計をもとに算出

水は、セメントの水和反応(セメントが水と反応して、不溶性の水和物となって凝固・硬化する反応)に必要です。必要最低限の水量では水和反応がスムーズに進まず、硬く施工が困難なため、コンクリートの流動性確保に必要な量の水を加えます。ただし、水量が多すぎると硬化後に乾燥収縮が発生するため、単位水量は小さい方がよいとされています。水質は飲料に適するものであれば問題ありません。また、工業用水や生コン工場の回収水なども使用可能です。

骨材

骨材のうち、粒子が5mm以上のものを粗骨材、5mmより小さいものを細骨材と分類します。骨材はコンクリート容積の約7割を占め、運搬に大量のエネルギーやコストを要することから、施工現場の近隣で採取する傾向が強くあります。単位水量が大きいと、乾燥収縮が大きくなるため、骨材の品質は、単位水量を低減することを目標にしています。骨材自体の密度が大きく、吸水率が小さいほど、粒形が丸みを帯びて粒度が広く分布すると、実積率が大きくなります。実積率の大きい骨材ほど、品質がよいとされています。

混和材料

混和材料は、混和材と混和剤に分類されます。混和材は、セメントにプレミックスされると混合材と呼ばれ、混合セメントの材料となります。生コン工場で混入されると混和材と呼ばれます。ただし、貯蔵方法に問題があるため、一般には使用されません。混和剤は、少量でコンクリートの品質を改善する薬品です。生コンには頻繁に使用されます。表2に、生コンに使用される一般的な混和剤を示します。

表2:生コン工場で使用される主な混和剤の特徴
種類主成分効果
AE剤樹脂系、アルキルベンゼンスルホン酸系、高級アルコールエステル系などの界面活性剤微細な独立気泡を連行し、耐凍害性を向上させる。減水効果もある。
AE減水剤ポリオール複合体、リグニンスルホン酸塩並びにその誘導体、オキシカルボン酸塩などを主成分とする界面活性剤セメントの分散効果により、単位水量を低減することができる。
高性能AE減水剤ポリカルボン酸系、ナフタリンスルホン酸系、アミノスルホン酸系、メラミンスルホン酸系などの界面活性剤AE減水剤よりさらに減水効果が高い混和剤。スランプ保持性を持つ。

AE剤は、コンクリート中に微細な気泡(エントレインドエア)を連行することにより耐凍害性を確保します。また、気泡の混入による流動性の向上も期待できます。AE減水剤は、AE剤の効果の他にセメントの分散効果があり、流動性を改善します。同等の流動性を確保する条件では、単位水量の低減が期待できる混和剤です。高性能AE減水剤は、AE減水剤よりも、さらに減水効果が期待できます。

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2. コンクリート用材料の計量

コンクリートは型枠の中に打ち込まれるため、必要な容積だけ製造されます。しかし、容積だけで材料の計量を行うと、大きな誤差を生じます。そこで、容積が1m3のコンクリートを製造することを想定し、各材料の質量を算出します。これが計量の基本です。

練混ぜの結果、容積の誤差を生じやすいのが空気量です。空気量が1%変化すると、コンクリートの容積も1%変動します。型枠内の容積が1%減少すると、コスト面に大きな影響を与えます。生コンの製造業者は、目標空気量に4.5±1.5%の許容誤差を設定しています。上下3%もの幅を持たせているのは、生コン工場の製造管理上の問題であるとともに、混和剤の連行空気(練混ぜの際に、コンクリートが取り込む空気)の安定性にも課題があるためです。ほとんどの生コン工場では、購入者からの容積に関するクレームをなくすため、空気量が最小の3%となっても容積が確保できるように、1.5~2.0%の割り増し(容積補償)をしています。

セメントと骨材(粗骨材および細骨材)の計量は、ロードセル(荷重変換器)で行います。混和剤と水は容積で計量しても大きな誤差とはならないものの、通常はロードセルで計量します。水の必要量は、混和剤を計量後に、水に混和剤を加えた状態で計量します。細骨材と粗骨材は、累積計量が可能です。ただし、全体量に対して質量が大きいため、通常は個別に計量されます。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. コンクリートの練混ぜ方法

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 品質変動の小さいコンクリートの製造方法

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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