メニュー

受発注部門による売値と買値の追求:原価管理の基礎知識6

原価管理の基礎知識

更新日:2018年8月7日(初回投稿)
著者:株式会社MEマネジメントサービス マネジメントコンサルタント 橋本 賢一

前回は、製造部門による理想的な標準原価の追求を解説しました。今回は、売値と買値を追求する受発注部門の原価管理を取り上げます。製造業の企業において、見積は、営業部門と技術部門で対立することもあるテーマではないでしょうか? まずは、原価見積と価格見積の違いから見ていきます。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. 価格見積と原価見積の違い

見積をめぐって、営業部門と技術部門・製造部門で社内摩擦が起きることがあります。一般的なケースとして、営業部門は価格見積を行い、原価見積を技術部門・製造部門に依頼します。技術・製造部門の原価見積に対して、営業は「高い。これでは受注できない」といって、原価を下げるよう依頼します。技術・製造部門も、営業部門が安値で受注しないように、意図的に高めの原価見積を出すこともあります。その結果、部門間での摩擦が起こるのです。原因は、原価見積と価格見積の混同です。

価格見積の目的は受注です。対して、原価見積は、価格決定時に、利益はいくら生まれるか算出するための情報です。実力値の見積原価を用いることが大切です。

原価見積なしでは利益が分からないので、受注するための価格交渉はできません。営業部門が決めるのは価格であり、原価が高ければ赤字覚悟で受注することもあります。原価見積は事務的に計算することができますが、価格見積は、自社と顧客との適正利益配分を決めるという判断が伴う業務です。営業部門は、価格見積にこそ時間を割かなければなりません。

2. 原価見積と価格見積の手順

営業部門が、顧客から依頼を受けて見積書を提示するまでの手順は、大きく7つに分けられます(図1)。

図1:営業が見積書を提出するまでの手順

図1:営業が見積書を提出するまでの手順

手順1受注検討依頼では、顧客から依頼を受けて、価格見積に必要な見積条件などの情報を得ます。顧客から、できるだけ詳細な仕様を入手することは、トラブルを防止するだけでなく、適正な価格見積に不可欠です。

手順2は原価見積です。価格を決定するためには、事前の原価計算が必要です。しかし、詳細な条件が決まらないまま、原価を算定することもあります。そのため、見積条件(変動要因・パラメータ)を入力するだけで、迅速かつ正確な原価見積ができるコストテーブルを整備しておくことが大切です。さらに、販管費(販売費と一般管理費)を見積もって、製造原価+販管費=総原価を算定します。製造業の企業で、売上高に対する販管費の比率が平均17%を超えるようになりました。そこで、販管費を一律ではなく、顧客別に算出し、原価見積に組み入れるようにしたいものです。

手順3は基準販売価格の計算です。価格決定に当たり、最も大切なのは営業利益です。営業利益は売上高から総原価を引いたもので、生産と販売活動の良否を示す利益です。基準販売価格は、積み上げ式に見積もった総原価に利益を乗せて計算した売価です。しかし、市場における価格は、需要と供給の関係で決まります。価格は、需要が供給を上回るときには売り手が有利に、供給が需要を上回るときには買い手が有利です。需給関係の有利不利を、商品技術力・市場成長性・競合関係・自社シェア・顧客購買力に分けて考えると、適正な営業利益率を算定することができます。

3. 適正価格の決め方

手順4は、損益シミュレーションです。今日の価格決定は、基準販売価格のような原価の積み上げより、需要と供給・競争・指値で決まります。これらは、市場価格・類似価格・希望価格に影響します。図2の左に、戦略的価格決定の模式図を示します。

図2:戦略的価格決定

図2:戦略的価格決定

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 限界利益・粗利益・営業利益の違い

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 売り手と買い手で利益を配分

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

株式会社MEマネジメントサービス
著者が執筆した原価管理に関する書籍一覧

  • 販促_無料出展
  • セミナー12月
  • 寄稿募集
  • 基礎知識一覧

ピックアップ記事

tags

  • 特集バナー1126_01
  • 特集バナー1126_02
  • 特集バナー1126_03
  • 特集バナー1126_04