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分級機の選び方:装置・機器の選び方の基礎知識

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更新日:2015年5月(初回投稿)
著者:トリプルエーマシン株式会社 代表取締役 博士(工学) 石戸克典

1. はじめに

粉体粒度を揃えることを目的に、粒子径によって粉体を分ける操作を粒度分級といいます。この粒度分級の操作は、ふるい分けと流体分級に大別することができます。一般に分級機とはふるい網を使わないで粒度分けする機械を指すことが多く、ここでも狭義の分級機で説明します。

分級は確率であり、粗粉と微粉のオーバーラップがある確率で起こることを踏まえて使用する必要があります。

2. 分級機の種類と選定

分級は、乾式分級湿式分級に分類することができます。

乾式分級
乾式分級は、気流中粒子の力学的挙動の差を利用して粒径により粒子を分ける操作で、現在は工業的な微粒子分級の主流になっています。特殊な環境を除き空気流を用いて行うので風力分級と呼び、その装置を空気分級機と呼んでいます。

空気分級機を原理的に分類すると、重力分級機、慣性分級機、遠心分級機に、大別することができます。

重力場分級

  • 粒子の落下速度の違いによって分ける
  • 乾式では、精密分級には適さない

慣性力場分級

  • 粒子の慣性力を利用して分級する
  • 一般には、粒度の粗い(10~50 μm)分級に適する
  • 最近、粉体の分散を工夫し、ミクロン・サブミクロンオーダー(0.5~10μmカット)の高性能分級が可能となった。

遠心力場分級(自然渦流型・強制渦流型) 

  • 遠心力と空気の抗力の釣り合いで分級する
  • 大きくサイクロンに代表される自由渦型と、回転部分を持つ強制渦型の2種類がある
  • 自由渦型は一般には5~50 μmの分級に適し、精密分級には不適。しかし、ジェット粉砕機と直結しやすく、これによる性能向上が全体性能を押し上げるケースも多く報告されている
  • 強制渦型はローターなどの回転体で遠心力を得る。構造が複雑で動力も必要だが、自由渦型に比べ分級点が幅広く取れ(ミクロンオーダーから100μmまで)繰り返し分級による精密分級が可能
  • 特に強制渦の中の分級室回転型で、また自由渦型でもマイクロスピンでサブミクロン分級のデータも発表されている

湿式分級
湿式分級機は、大きく3種類に分けられます。

重力場分級

  • 粗い分級域(通常40~1000μm程度)処理量を落とすことで数ミクロン前後も可能
  • スラリー(泥しょう)中の粒子の沈降速度差(重力と液体抗力)を利用する
  • 主に、大処理液体処理に利用され、精密分級には向かない(ハイドロセパレータなど)
  • 昔より存在する水ひ法は、粒子の大きさにより水中での沈降速度が異なるのを利用して、大きさの違う粒子群に分ける操作。陶土を細粉と粗粉に分けたり、砂金を採集する場合などに用いられる
  • この方式を応用したのが、直立筒状湿式分級器で、垂直上昇流と沈降速度のバランスにより、精密に分級できる。液晶用スペーサなどの3~10μm直径のセラミックスやポリマー球形粒子を0.1μm単位で製造することも可能

遠心力場分級(自由渦型)

  • 細かい分級域(5~150μm)特定の粒度分布の粉体を得るために、湿式サイクロンが利用される
  • 乾式と原理は同じで、分級に用いる流体が液体(主として水)
  • 特に液体中では微粒子が容易に分散するため、乾式では凝集しやすい粉体に関して、湿式では高い分級精度が得られる
  • 液体の粘性や抵抗により、ミクロンオーダーの精密分級は難しい

遠心力場分級(強制渦型)

  • 分級域が幅広く、サブミクロンの分級点も取れる(0.5~30μm)
  • ローター等の回転体を使い、強制的に遠心力を生み出し、遠心力と液体渦による抗力の釣り合い条件を変えることで、分級条件を変更。固液分離によく用いられる(マイクロカット、ナノカットなど)

3. 分級機の種類

原理大分類小分類代表的な分級機名
重力場分級水平流 沈降槽
垂直上昇流湿式直立筒状湿式分級器、ハイドロセパレータ
空管型風ふるい器
流動層型多段流動層型分級器
多段屈曲型ジグザグ分級機
慣性力場分級直線型 テーブル式、ベルトコンベヤ式
曲線型インパクタ型カスケードインパクタ、バリアブルインパクタ
傾斜型ルーバ型エディクラシファイヤ(日清エンジニアリング製)、エアロファインクラシファイヤ(日清エンジニアリング製)
コアンダ効果利用型エルボージェット(マツボー/日鉄鉱業製)、K型分級器
遠心力場分級渦状流(自由渦型)湿式液体サイクロン
らせん渦状気流多段サイクロン
渦状気流(案内羽根なし)サイクロン、ファントンゲレン
渦状気流(案内羽根あり)ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業製)、マイクロスピン(日本ニューマチック工業製)、マイクロカット(ユーラステクノ製)
渦状流(強制渦型)湿式ナノカット/マイクロカット(マツボー)、ハイドロプレックス(ホソカワミクロン/独ホソカワアルピネ製)
気流式分級室回転型ターボクラシファイア(日清エンジニアリング製)、ドナセレック(晃栄産業製)
気流式回転羽根型O-SEPA(太平洋エンジニアリング製)、ミクロンセパレータ(ホソカワミクロン製)、ターボプレックス・TSPセパレータ・TTSPセパレータ(ホソカワミクロン/独ホソカワアルピネ製)

分級機をチェック!(イプロス製造業)

4. 粉砕・分級のシステム化

サブミクロンの細かい粒子を効率良く製造するために、通常は、粉砕・分級システムが用いられます。乾式粉砕機では平均粒径 0.8~1μm 程度が限界で、そのあと、分級機で0.3~0.5 μmのサブミクロン粒子を得ることができるとされています。

この用途には、ジェットミルが多く用いられます。またジェットミルと分級機のカップリングシステムにより、再凝集する前に分級することができ、効率の良いサブミクロン微粉製造が可能となることが過去に報告されています。

これに対し湿式法では、乾燥時に発生する凝集粒子の解砕あるいは除去することがポイントになります。

ジェットミルをチェック!(イプロス製造業)

5. 分級機を選定するにあたり考慮すべき事柄

空気分級機では取り扱う粒子径が小さくなるほど分級径も小さくなり、分級は困難になります。下記の項目を総合的に判断をして適切な機器を選定する必要があります。

  • 性能: 処理量、分級点、分級範囲、分級効率、安定性、再現性など
  • 操作面:分級径の調整法、遠隔操作、クリーニングの容易さなど
  • 運転コスト:消費動力費と消耗部品などのメンテナンス費
  • 設備コスト:分級機本体以外の空気源、集じん機などの周辺機器を含めたプラント一式で比較検討する
  • 安全性:発火性、爆発性粉体は空気の替わりに不活性ガスを使用
  • コンタミネーション:異物混入を嫌う高純度分級は、接粉部に耐磨耗材料を使用し、クリーンルーム内での作業が必要

最近の分級機

エルボージェット(マツボー/日鉄鉱業製)
慣性分級機。コアンダ効果を利用した装置です。特徴は非常に簡単な構造(ローターなし)で同時に多段分級が可能でかつスケールアップが容易。機械式粉砕機(ターボミル)と連結することで微粉の発生を抑えつつ、粗粉もクリーンカットできるという、一見矛盾する要求を1台の分級機で達成できるシステムです。特にトナー・粉体塗料で威力を発揮します。一般に軽い、粒子に遠心力のかかりにくい粉体(ポリマー、マイクロボール、シリカゲル、微粉シリカなど)の微粉分級にも優れた特性を発揮するといわれています。

ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業製)
遠心分級機。特徴は、微粉カット用のマイクロスピン同様、自由渦型の分級機で、衝突板式ジェット粉砕機との直結で粉砕に用いる圧縮空気を効率的に利用することと、回転体などの可動部分がないことです。トナーの分級機として、古くから現在にわたり、多くのトナーメーカーで利用されています。

マイクロカット(ユーラステクノ製)
自由渦型の分級機。特徴は、分級点の調整を主としてガイドベーンの角度の変更により行い、分級場における空気の整流のために壁面を回転させることです。

ドナセレック(晃栄産業製)
強制渦型の分級機。特徴は、圧縮空気を用いて分散状態で原料粉体を供給していることと、高速回転ローターを内蔵していることです。サブミクロン領域の微粉分級が可能です。

ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ
(ホソカワミクロン/独ホソカワアルピネ製)
強制渦型の分級機。TTSPでは2個のローターを利用するなど高性能分級に対応しており、特にトナー分野で最近よく利用される
ようになりました。

ターボクラシファイア(日清エンジニアリング製)
強制渦型の遠心分級機。特徴は、機内に供給粉体の分散機構を有していることと、分級場の空気整流機構を有していること。サブミクロン頒城の微粉分級が可能です。

スーパーセパレータ(ホソカワミクロン製)
強制渦型の遠心分級機で、前身のミクロンセパレータの改良型です。特徴はジェットエアーによる分散機や、繰り返し分級機構を有していることです。

6. ハイブリッドシステムの種類と選定

サブミクロン粉砕する上で重要なことは、粉砕された微粉だけを効率的に取り出し、粗粉は粉砕部に何度でも戻り、粉砕されるまで系から出ることができないようにすることがポイントになります。

これを実現するために、一般には、閉回路で粉砕機と分級機を連続させ、粉砕直後の製品を分級機に投入し、分級後の粗粉を粉砕機に戻すことが多いです。閉回路粉砕・分級では、それぞれ単独で使うよりもより効率化が図れるといわれており、トナーやセラミックスの粉砕では実際に多く使われている方法です。

粉砕機と分級機のハイブリッドシステムを
チェック!(イプロス製造業)

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