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電気操作弁の構造と作動原理:油圧の基礎知識7

油圧の基礎知識

更新日:2018年7月6日(初回投稿)
著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は、油圧バルブの中から、機械制御によって作動する機械操作弁の構造と作動原理を解説しました。今回は、電気制御によって作動する電気操作弁を取り上げます。

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1. 電気操作弁とは

電気操作弁は、電気制御によって作動するバルブです。電気操作弁のうち、連続した入力信号に追従して、油圧システムの流体エネルギーを連続的に制御する弁を、連続制御弁と呼びます。連続制御弁には、比例制御弁とサーボ弁の2種類があります(図1)。

図1:比例制御弁(上)とサーボ弁(下)

図1:比例制御弁(上)とサーボ弁(下)

比例制御弁は、コントローラを経てアンプに指令信号が与えられると、信号に従って作動油の流れ方向と流量を比例制御弁が定め、シリンダを動かします。これに対してサーボ弁は、油圧アクチュエータ(シリンダ)に取り付けられたセンサ(位置、速度、圧力、力など)からのフィードバック信号を受け、指令信号との偏差に基づいて、サーボ弁を駆動します。比例制御弁は開ループ制御、サーボ弁は閉ループ制御です。

比例制御弁は構造が単純なので、安価かつ手軽に扱うことができます。また、作動油のコンタミネーション(汚染)管理をそれほど必要としません。一方、サーボ弁は高応答な動特性と、連続信号に対する優れた追従性を備えているため、高い制御精度と分解能を得ることができます。

2. 比例制御弁

比例制御弁は、入力信号に比例した圧力や流量を、出力として制御できるバルブです。通常の制御弁では調整ねじによって行う動作を電気信号に置き換えることで、圧力、流量、方向を、遠隔から連続的に制御できます。比例電磁式制御弁、あるいは比例弁とも呼ばれます。

図2に、比例制御弁の作動原理の一例として、電磁比例リリーフ弁の構造を示します。電磁比例リリーフ弁は、回路内の圧力を設定値に保持するために用います。直動形リリーフ弁の圧力調整ねじの代わりに、比例ソレノイドで圧力を調整します。

図2:電磁比例リリーフ弁の作動原理

図2:電磁比例リリーフ弁の作動原理

比例ソレノイド中のコイルに電流iが加わると、それに比例した吸引力Fが生じます。吸引力Fによって、アーマチュア(可動鉄心、電機子)はばねに抗してx軸方向に動き、ロッドを介して、ポペットを弁座に押し付けます。ポペットへの入口ポートの圧力pinによる力が、吸引力とばね力に打ち勝つと、ポペットは弁座から離れ、作動油は出口ポートに流れて油タンクに至ります。比例ソレノイドによる吸引力Fは、アーマチュアのストロークに依存せず、一定の範囲内に収まり、安定した性能が得られます。

3. サーボ弁

サーボ弁は、電気などの入力信号の関数として、流量や圧力を制御するバルブです。代表的なサーボ弁に、直動形サーボ弁と、2段形サーボ弁があります。

・直動形サーボ弁

直動形サーボ弁は、本体部、リニアモータ部、センサ部から構成されます(図3)。

図3:直動形サーボ弁の内部構造

図3:直動形サーボ弁の内部構造

本体部は、スプールおよびスリーブと5つのポート(図3ではP、T、A、B、Dr)によって構成されます。スプールは、流体力(油が通過する際に生じる力)の低減対策がなされ、ゼロラップ(スプールが中立点にあるときポートは閉じ、少しでも変位するとポートが開いて油が流れる状態)の加工が施されています。リニアモータ部にはボイスコイルモータ(ネオジウム・鉄・ホウ素の希土類永久磁石が作る磁界内を、可動コイルが往復運動するモータ)があり、本体部のスプールを直接駆動します。センサ部には、非接触・高応答な磁気式の位置検出器があります。位置検出器はスプールの動作を検出し、電気的なフィードバック信号を与えます。直動形サーボ弁の応答周波数は極めて高く、作動油の耐コンタミ性にも優れています。

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