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アキュムレータとフィルタ:油圧の基礎知識8

油圧の基礎知識

更新日:2018年8月3日(初回投稿)
著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は、電気操作弁を紹介しました。これまで取り扱ってきた油圧ポンプ、油圧アクチュエータ、油圧バルブのほかにも、油圧システムにはさまざまな油圧機器が組み込まれ、流体動力の伝達機構を支えています。補助的な役割を担う油圧機器を、油圧補機といいます。今回は、油圧補機の中から、アキュムレータとフィルタを解説します。

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1. アキュムレータとは

アキュムレータとは、作動油の流体エネルギーを蓄えるための圧力容器です。アキュムレータは蓄圧方式によって分類され、気体の圧縮性で加圧する気体式アキュムレータ、重りなど重量物の重力で加圧する重り式アキュムレータ、ピストンを介してばねの弾性で加圧するばね式アキュムレータなどがあります。気体式アキュムレータは、作動油と気体の隔離構造の違いにより、ブラダ形、ダイアフラム形、ピストン形の種類があります。図1に、気体式アキュムレータの構造とJIS図記号を示します。

図1:気体式アキュムレータの構造とJIS図記号

図1:気体式アキュムレータの構造とJIS図記号

2. ブラダ形アキュムレータ

ブラダ形アキュムレータは、気体式アキュムレータで最も一般的な形式です。ブラダとはゴム袋のことで、ブラダ形アキュムレータの本体内には、窒素ガスなどの不活性ガスを給気するブラダが組み込まれています。ポペット弁から作動油が流入すると、ブラダを圧縮してエネルギーを蓄積します。アキュムレータが作動していない状態では、本体内の作動油にも、ブラダ内の窒素ガスにも圧力は加えられていません(作動油の圧力ph=窒素ガスの圧力p=大気圧p0)。アキュムレータを作動させると、図2に示すように窒素ガスの圧力と体積、作動油の圧力が変化します。

図2:ブラダ形アキュムレータの作動状況

図2:ブラダ形アキュムレータの作動状況

ガス封入時(図2の左)、給気弁からブラダに封入される窒素ガスの圧力p=p1は、作動油の圧力phより高いので、ブラダは膨張します。

流体エネルギー蓄積時(図2の中)は、油圧回路内の圧力phがガス封入圧力pより高くなり、ポペット弁が開いて作動油が流入します。作動油によりブラダ内の窒素ガスは圧縮され、作動油の流体エネルギーがアキュムレータに蓄積され始めます。設定された最高作動圧力p3に達すると、ブラダのガス体積Vは最も収縮して、V=V3となります。このとき、作動油の圧力phと窒素ガスの圧力pは釣り合います(ph=p=p3)。

流体エネルギー放出時は、油圧回路内の圧力phがガス封入圧力pより低くなり、ブラダ内の窒素ガスが膨張して蓄えられた流体エネルギーがアキュムレータから放出されます(図2の右)。設定された最低作動圧力p2まで下降すると、ブラダのガス体積VはV=V2、両者の圧力はph=p=p2となります。

3. アキュムレータの用途

アキュムレータの用途には、流体エネルギーの蓄積、衝撃の緩衝、管内圧力上昇の緩衝などがあります。

・流体エネルギーの蓄積

油圧アクチュエータが間欠的に作動しているとき、ポンプからの余剰流量をアキュムレータに蓄積し、必要に応じて放出します。これにより、ポンプ動力(電動機の容量)を下げ、イニシャルコストの低減、消費電力の節減による省エネルギー化を実現します。図3に、アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路を示します。

図3:アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路

図3:アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路

油圧源から流入した高圧油は、電磁方向切換弁が閉じた状態の時、アキュムレータへ流入します。アキュムレータには流体エネルギーが蓄積され、圧力スイッチ(設定圧力になると信号を出力する機器)が最高作動圧力を検知すると、電磁方向切換弁が開きます。アキュムレータから放出された高圧油は、シリンダのキャップ側へ流れ、ピストンロッドが右側に移動します。

・衝撃の緩衝

方向制御弁によって油圧回路が急激に閉鎖されると、アキュムレータは衝撃圧力を吸収・緩衝し、機器の損傷などを防止します(図4)。

図4:アキュムレータによる衝撃緩衝回路

図4:アキュムレータによる衝撃緩衝回路

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. フィルタとは

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. フィルタの性能

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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