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からくり改善への取り組み方と組織:からくり改善の基礎知識5

からくり改善の基礎知識
更新日:2015年11月10日(初回投稿)
著者:公益社団法人日本プラントメンテナンス協会 技術アドバイザー 髙橋 正喜

第3回第4回では、からくり改善の事例を見てきました。今回は組織として、どのように、からくり改善に取り組むのか、どのようにアイデアを出すのかを解説します。

1. からくり改善への取り組み方

からくり改善の活動は、2段階で進めます。第1段階は、入門期として問題解決型の活動を進めます。ねらいは2つあります。

  • オペレーターが楽に、早く作業できるようになることで、所要工数を減らすこと
  • オペレーターが「やればできる」と自信と達成感を持ち、前向きに改善を継続すること

これにより、「生きがい、やりがいのある職場づくり」を実現し、目標である「もうける活動」に一歩近づきます。

第2段階は、実践期と位置付け、方針管理による、業績に直結した課題解決型の活動を進めます。表1に、からくり改善の各段階について、基本的な考え方とロスのねらいや活動の進め方をまとめました。

表1:2段階のからくり改善の取り組み方
  基本的な考え方 ロスの対象・活動の進め方
問題点解決型
  • オペレーターが自らの手で、現場の困っている3ム(ムリ・ムダ・ムラ)を改善し解決する
  • 「お金をかけずに、知恵を出して、創造性に優れた楽しい作業改善」を目指す
  • 新たなエネルギーは使用せずに、既存の動力源を最大限に活用する。併せてテコや滑車など、力の伝達機能を複数活用する
  • からくり改善導入後の工程の変化は、作業標準書に落とし標準化する
  • ロス項目の対象  設備の効率:8大ロス  人の効率:5大ロス  原単位の効率:3大ロス
  • ロスの視点
    計画と実績の差、または目標と実績の差 ・からくり改善活動の仕組みづくり
  • からくり改善の理解促進、活動体制整備、達成感を得られる仕組み
課題解決型
  • 方針管理の目標を受け、生産性向上をねらいとした、あるべき姿を追求する・工程別、ライン単位の問題点を顕在化させ、その解決のためにからくり改善を実行する
  • 改善に際して、「お金をかけずに、知恵を出して、創造性に優れた楽しい作業改善」を目指す
  • LCAや自動化・無人化を目的として、からくり改善でさらに効果を高める
  • 技術部門では、設備設計・MP(保全予防)情報へと落とし込み、さらなるからくり改善へとつなげる
  • ロス項目の対象
    物流ロスなどを含めたロス項目の拡大。あるべき姿の追求のために見方や発想を変える
  • ロスの視点
    あるべき姿と現実の差などのロスの視点を掘り下げる
  • 現場観測から要素作業の問題を顕在化させ、その解決のために、多くのかりくり改善を実践する。その結果、サイクルタイムの短縮、作業時間のバラツキの低減などによって、ロスを徹底排除する
  • 方針管理の仕組みで活動を運営する。基本は自主管理であり、活動の結果は定期的に評価される

第2段階では、LCA(ロー・コスト・オートメーション)や自動化・無人化を目的とし、高い効果を狙います。からくり改善導入後は、図1に示すように、成果物のアウトプットにも気を配り、製造部門では作業標準書、技術部門では設備設計・保全が不要となる情報へと落とし込んで、さらなる改善へとつなげます。

からくり改善の活動の進め方

図1:からくり改善の活動の進め方

からくり改善活動は、職場で困っていることを皆で話し合って、明らかにすることが重要です。例えば、下記のような声を意識してみましょう。

  • 「ワーク取り置きの距離が遠く、疲れる」
  • 「ワークが非常に重く、肩や腰が痛い」
  • 「箱の出し入れに時間がかかる」
  • 「両手作業で手間がかかる」
  • 「小さいものを、毎回いくつも数えるのは面倒だ」
  • 「組立が難しく、正確に組めないことがある」
  • 「高所の点検で、毎回上がっていくのは面倒だ」
  • 「材料や油が無くなるのを、気にしなければならない」
  • 「くっつきやすい材料なので、取り出すことが難しい」

このようにして、職場で取り組んだからくり改善は、どのような効果が生まれるのでしょうか? 大きく6つの効果があります。

  1. メカニズムが簡単なので故障が少なく、トラブルが発生しても自分たちで修理できる
  2. 新たな動力を極力使わないため、製作や運転に多くの経費がかからない
  3. 現場の困りごとに対応するために、作業が楽になり周りから喜ばれる
  4. 周りから喜ばれると、製作者のモチベーションも上がる
  5. 職場が活性化する
  6. 1~5の結果、生産性向上・品質向上・故障低減・作業性向上・安全性向上につながる

からくり改善にも使えるベルトをチェック!

2. からくり改善の進め方

3. からくり改善のアイデア出しのコツ

4. からくり改善活動の上司の役割

5. からくり改善は人づくり

保管用PDFに掲載しています。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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