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配管の劣化とメンテナンス:配管の基礎知識6

配管の基礎知識

更新日:2018年4月12日(初回投稿)
著者:有限会社巌技術研究所 代表取締役 土井 巌

前回は、配管の施工に関わる法令と、施工手順、配管試験を紹介しました。今回は、配管の劣化とメンテナンスについて解説します。配管は、配管内部の腐食や、スケール・スライムと呼ばれる汚れが付着し、管断面が閉そく・縮小して劣化します。配管のメンテナンスは、電気・ガス・水道などのライフラインを、安全かつ安定して供給するために不可欠です。

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1. 配管の腐食

配管の劣化要因の一つに、腐食があります。配管材料によって、腐食の進行にも特徴があります。そのため、配管材料、施工、メンテナンスを通して、総合的な防食技術が必要です。腐食は、湿食と乾食の2つに分けられます。湿食は水が関与する腐食、乾食は水が関与しない腐食です。配管における代表的な腐食は、全面腐食、局部腐食、損傷を伴う局部腐食の3つです。

・全面腐食

全面腐食は、表面全体が腐食して、一様にさびを発生するか、均一に減肉する現象です。

・局部腐食

局部腐食は、表面の一部が特に腐食する現象です。その他の部分はあまり腐食しません。孔食、粒界腐食、かい食(エロージョン)、すきま腐食などの種類があります。

・損傷を伴う局部腐食

損傷を伴う局部腐食は、腐食環境下で、配管材料に応力が加わったときに割れのような損傷を生じる腐食反応です。応力腐食割れ、腐食疲労、水素ぜい性、脱亜鉛などの種類があります。

参考:腐食とは?:腐食の基礎知識1

2. 配管の劣化の状態・原因

配管の劣化の状態と原因を紹介します。亜鉛めっき鋼管、樹脂ライニング鋼管(給水用)、銅管、ステンレス鋼鋼管、鋳鉄管、塩ビ管(VP・HIVP)の腐食形態をまとめました。

1:亜鉛めっき鋼管の劣化

亜鉛めっき鋼管では、主に腐食による劣化が発生します。全面腐食・孔食・さびこぶなどの腐食が生じ、その要因はさまざまです。表1に、亜鉛めっき鋼管の劣化の状態と原因をまとめました。

表1:作動油と水の比較
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
直管・継手
(亜鉛めっき継手)
全面腐食

・亜鉛めっきの溶出により露出した鉄面表面に、赤さびが発生する

異物付着
(全面・局部)

・排水中の油脂や異物の付着(清掃不良)

局部腐食
(孔食・さびこぶ)

・亜鉛・鉄が溶出して、さびこぶ・孔食が起きる

管・継手のねじ接合部
および弁・水栓などとの
接続部
ねじ部(管・継手)の
腐食(ねじ谷部の貫通)

・ねじ露出部の防せい処理不良

弁・水栓および
異種管との接続部の
腐食(孔食)

・異種金属接触腐食

管・継手の外表面
(断熱材被覆
および露出)
局部腐食

・断熱材に含まれているCl2など

・結露部分や湿潤な場所での管傷部などの局部電池作用による腐食

2:樹脂ライニング鋼管(給水用)の劣化

樹脂ライニング鋼管(給水用)で劣化が発生しやすい部位は、直管、継手、管端・ねじ接合部、弁・水栓との接合部です。他の管と異なり、ライニング材やコーティング材の膨れ・剥離によっても劣化します。表2に、樹脂ライニング鋼管(給水用)の劣化の状態と原因をまとめました。

表2:樹脂ライニング鋼管(給水用)の劣化の状態と原因(引用:土井巌、図解入門よくわかる最新配管設備の基本と仕組み、秀和システム、2016年、P.103)
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
直管 ライニング材の
膨れ炭化

・給湯器などからの一次側への温水の逆流、冷熱の繰り返し

・管外部からの加熱(異常加熱)

継手
(コーティング継手)
コーティング材の
膨れ・剥離

・長期使用による劣化

・ライニング材の膨れ炭化

管端・ねじ接合部 管端部の腐食

・管端面の防せい処理不良

弁・水栓との
接合部
接続部の腐食
(孔食など)

・異種金属接触腐食

3:銅管の劣化

銅管の劣化は、直管・継手、管・継手接合部、給水・給湯栓との接続部、管・継手の外表面などで生じます。銅管では、保温材の材質に注意が必要です。牛毛フェルトやグラスウールを使用すると、強酸が染み出し、外表面を腐食させることがあります。表3に、銅管の劣化の状態と原因をまとめました。

表3:銅管の劣化の状態と原因(引用:土井巌、図解入門よくわかる最新配管設備の基本と仕組み、秀和システム、2016年、P.104)
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
直管・継手 局部腐食

・孔食

・かい食(エロージョン)

管・継手接合部 局部腐食
(フラックスによる
腐食)

・フラックスに含まれているCl

給水・給湯栓および
機器類などとの接続部
接合性(止水性)の
低下

・熱による伸縮の繰り返しによるナットの割れ、ゆるみ

・パッキンの劣化

管・継手の外表面
(保温材被覆部)
局部腐食
(保温材含有成分に
よる腐食)

・保温材として牛毛フェルトやグラスウールなどを用いた場合、湿潤な環境下で強酸(塩酸・硫酸)が染み出し、銅管外表面を腐食させる

4:ステンレス鋼鋼管の劣化

ステンレス鋼鋼管の劣化は、局部腐食によるものがほとんどです。劣化を抑えるには、腐食対策を講じることが重要です。表4に、ステンレス鋼鋼管の劣化の状態と原因をまとめました。

表4:ステンレス鋼鋼管の劣化の状態と原因(引用:土井巌、図解入門よくわかる最新配管設備の基本と仕組み、秀和システム、2016年、P.104)
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
直管・継手 局部腐食
(孔食・割れなど)

・孔食、応力腐食割れ(SUS304)、粒界腐食(溶接部)

管・継手接合部 局部腐食
(すきま腐食)

・すきま腐食

水栓・機器・異種管
などとの接合部
局部腐食
(異種金属接触腐食)

・異種金属接触腐食

管・継手の外表面
(断熱材被覆部など)
局部腐食
(断熱材に含まれている塩素イオンなどによる
腐食)

・応力腐食割れ

参考:アルミニウム、ステンレス鋼、銅の腐食:腐食の基礎知識2

5:鋳鉄管の劣化

鋳鉄管の代表的な劣化は、管・継手に発生する局部腐食と異物付着です。日頃から清掃を行うことで、異物付着による劣化を防げます。表5に、鋳鉄管の劣化の状態と原因をまとめました。

表5:鋳鉄管の劣化の状態と原因
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
管・継手 局部腐食

・かい食、さびこぶ、黒鉛化腐食

異物付着
(全面・局部)

・排水中の油脂や異物の付着(清掃不良)

6:塩ビ管(VP・HIVP)の劣化

塩ビ管の特徴は、物理的な損傷による劣化が起こりやすい点です。変形・割れ・抜けや、屋外暴露による物性低下に注意しましょう。金属管に見られた腐食劣化は生じません。表6に、塩ビ管の劣化の状態と原因をまとめました。

表6:塩ビ管の劣化の状態と原因(引用:土井巌、図解入門よくわかる最新配管設備の基本と仕組み、秀和システム、2016年、P.105)
 劣化発生部位 劣化の状態 劣化の主な原因
管・継手および
管継手接合部
変形・割れ・抜け

・高温水の流入

・繰返し熱応力による継手部の割れ・抜け

・接着接合不良

管・継手外表面 割れ

・ソルベントクラッキング

物性低下

・屋外暴露によるポリ塩化ビニルの物性低下

3. 配管の劣化対策

配管は、適切な劣化対策と保全を行うことで、寿命を延ばすことができます。使用材料の材質や用途、構造などの特性を理解することが重要です。最も腐食しやすい管継手との接合部は、接合方法を決める前にメーカーのマニュアルを確認し、使用管種と継手の相性をチェックします。耐食管材と管付属品について、劣化を防ぐための注意点をまとめました。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 配管の劣化診断

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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