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プラスチック製品の不具合:プラスチックの基礎知識8

プラスチックの基礎知識

更新日:2017年6月15日(初回投稿)
著者:田口技術士事務所 田口 宏之

前回は、プラスチック製品設計手順の後半、材料と成形法の選び方、図面・仕様書の作成を取り上げました。連載最終回の今回は、多くのプラスチック製品に共通する、強度および外観上の不具合について解説します。

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1. 強度上の不具合

壊れないプラスチック製品を作るための考え方は非常にシンプルです。プラスチック材料の強度を、製品に発生する最大応力よりも大きくする、これだけです(図1)。

図1:プラスチック製品の強度設計の考え方

図1:プラスチック製品の強度設計の考え方

しかし実際には、プラスチック材料の強度を把握するのは容易ではありません。材料の強度自体に大きなばらつきがあり、使用環境の影響で時間経過とともに強度が低下していくからです(図2)。

図2:プラスチック材料の強度変化

図2:プラスチック材料の強度変化

プラスチック材料の強度を正確に把握するためには、強度低下の要因を知る必要があります。表1は、代表的な要因をまとめたものです。

表1:プラスチック材料の強度低下の要因
 強度低下の要因の例
材料特性材料自体の強度ばらつき、温度特性、クリープ
成形・二次加工条件
(製品形状の問題も含む)
ヒケ、ボイド、ウェルド、異物、加水分解、残留応力、寸法ばらつき、傷、熱履歴、熱分解
使用環境・劣化熱、酸素、水、湿度、蒸気、薬品、溶剤、洗剤、ソルベントクラック

本記事で要因を全て紹介することは難しいため、今回はこの中からプラスチック材料の「温度特性」、「ウェルドライン」、「ソルベントクラック」をピックアップして解説します。

1:材料特性による強度低下の例「温度特性」

プラスチック材料で最も気を付けるべき特性の一つが、温度特性です。プラスチックは使用環境の温度で物性が大きく変化します。一般的に、温度が高くなるほどプラスチック材料の強度は低くなります。図3はABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)の曲げ強度の温度依存性を示すグラフです。

図3:「デンカABS」曲げ強度の温度依存性 ※GR-0500~3000はグレード名

図3:「デンカABS」曲げ強度の温度依存性 ※GR-0500~3000はグレード名(引用:デンカ株式会社総合カタログ、2016年、P.6)

曲げ強度以外にも衝撃強度や弾性率など、さまざまな物性が温度の違いによって変化します。強度設計を行う場合は、使用環境の温度とその時の物性を正確に把握しておくことがとても重要です。

2:成形・二次加工条件による強度低下の例「ウェルドライン」

プラスチック製品は、溶融・金型内への流し込み・固化というプロセスを経て形状を作ります。不具合の多くは、この一連のプロセスの中で発生します。ウェルドラインはそのような不具合の一つで、成形穴の回りなど溶融プラスチックが合流する部分で発生します(図4図5)。

図4:ウェルドラインが発生する仕組み

図4:ウェルドラインが発生する仕組み

図5:ウェルドラインの例

図5:ウェルドラインの例

ウェルドラインが発生すると、外観上の不具合になるだけでなく、強度も数十%低下します。溶融プラスチックが合流する部分には必ず発生するため、強度設計を行う際には十分な配慮が必要です。ウェルドライン部分に大きな応力を発生させないためには、成形穴の配置を工夫したり、溶融プラスチックを流す向きを調整したりといった対策を行います。

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3:使用環境・材料劣化による強度低下の例「ソルベントクラック」

プラスチック材料は使用環境の影響や材料の劣化により、強度が低下します。代表的な事例は、ソルベントクラック(薬品割れ)です。ソルベントクラックとは、一定以上のひずみ(臨界ひずみ)が生じている状態で洗剤や薬品などが付着すると、プラスチック材料が持つ強度より小さな応力で割れてしまう現象です。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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2. 外観上の不具合

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