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高機能材料の超精密ポリシング:研磨加工の基礎知識8

研磨加工の基礎知識

更新日:2017年3月3日(初回投稿)
著者:元東海大学 工学部 精密工学科 教授 安永 暢男

前回は、ポリシングの基本メカニズムと特性を解説しました。今回は、最終回です。最近の超精密ポリシング法と適用事例を紹介します。

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1. 高機能材料に求められる研磨性能

一般的な機械部品や構造材料の研磨では、多くの場合、平たん度や曲率などの形状精度が所定の範囲内で、光沢や平滑性が確保されれば十分とされます。そのため、通常は微小切削作用または熱流動作用に基づく機械的ポリシングで条件を満たします。しかし、シリコンをはじめとする半導体素子や、レーザ・LED用光学素子、磁気記憶・記録素子など、最近のエレクトロニクス・オプトエレクトロニクス用高機能材料には、表1に示すような厳しい研磨性能が要求されています。これらのニーズに対応するには、最先端技術としての超精密ポリシングの適用が不可欠です。

表1:高機能材料と研磨加工に対する要求項目(引用:安永暢男、はじめての研磨加工、東京電機大学出版局、2011年、P.112)

表1:高機能材料と研磨加工に対する要求項目

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2. 超精密ポリシングの特徴

高機能材料に対しては、以下に示す3つの品質が同時に達成される高度な表面研磨が必要とされます。

1. サブミクロンレベルの極めて高い形状精度(平たん度、平行度、真円度、曲率など)
2. サブナノメータレベルの極めて高い平滑度(マイクロラフネス、ナノトポグラフィ、ヘイズなど)
3. 加工変質層(クラック、スクラッチ、転位、非晶質層、ボイドなど)が残留しない高い表面品位

1の形状精度を確保するには、以下の3つが求められます。
a. ポリシング用定盤に機械的・熱的変形が生じないよう、十分な形状管理を行う。
b. 圧力付加時に粘弾性的変形を生じないよう、できるだけ硬質のポリシャを用いる。
c. ポリシャが偏摩耗しにくい研磨軌跡となる装置運動機構を採用する。

2の平滑度を向上させるには、以下の2つが求められます。
d. 粒度のそろった分散性のよい微細砥粒のスラリーを用いる。
e. 均一な砥粒分布を可能とする緻密な組織のポリシャを用いる。

3の加工変質層の残留を避けるには、以下の対応が必要です。
f. 個々の作用砥粒の負荷を小さくする超微細砥粒と、個々の砥粒の押し込み圧力を均斉化する軟質ポリシャを用いる。
g. 砥粒の押し込み・引っかき作用により生じる機械的ひずみを除去するエッチング能力を有する研磨液を採用する。
あるいは、
h. 機械的ひずみを生じない、力学的に軟質な砥粒を用いる。

しかし、これらの要求項目を全て同時に満足するようなポリシング条件を選定することは、簡単ではありません。例えば、bfとは互いに相反する要求特性です。そこで、シリコンウエハのポリシングで一般的に実施されているように、形状精度を確保するための1次ポリシング、平滑度向上のための2次ポリシング、さらに表面損傷や付着した汚染物質の除去を目的とした3次ポリシングの3工程からなる多段プロセスを採用することなどが、現実的な対応として考えられています。

3. メカニカル+ケミカルポリシング

前述したような高度な加工ニーズを同時に満足できる、あるいはそれに近い精度での加工が期待できるポリシング法を、超精密ポリシング法と規定します。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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