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原料ゴムの特性と種類:ゴムの基礎知識3

ゴムの基礎知識

更新日:2018年6月13日(初回投稿)
著者:東京理科大学 名誉教授 伊藤 眞義

前回は、ゴム材料のメリットとデメリット、その克服法を説明しました。今回は、原料ゴムにフォーカスを当て、その特性や種類を紹介します。

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1. 原料ゴムに求められる特性

ゴム材料は、原料ゴム中に架橋構造を形成させた純ゴム架橋物と、これに充填剤を配合した充填系ゴム架橋物に大別されます。充填剤を配合する主な目的は、材料に特殊な機能を付与することです(参考:第2回)。原料ゴムの基本特性は、原料ゴムを構成している高分子鎖の化学構造と、その長さ(分子量)および分子量分布に左右されます。一方、耐熱性・耐寒性・生体適合性などのゴム材料の基本的特性は、主に原料ゴムと架橋構造に左右されます。

分子量とその分布は、原料ゴムの加工特性と材料の力学特性に影響を与えます。一般に分子量が大きいほど、溶融粘度が高くなるため、金型内での流動性が低下するなど加工性が低下します。また、分子量の増加とともに、材料の強度は増加します。加工性と力学特性のバランスは、分子量分布で取ることができます(図1)。

図1:ゴム材料の特性に影響を与える要素

図1:ゴム材料の特性に影響を与える要素

ゴム材料の基本特性であるゴム弾性は、原料ゴム中に架橋構造を形成させることでより顕著になります。従って原料ゴムは、架橋構造を形成できる化学構造を有していなければいけません。最も一般的な構造は、分子鎖内に二重結合を含む構造です。二重結合付近では分子鎖内にラジカル(不対電子を持つ原子や分子、イオンのこと。遊離基)が発生しやすく、反応性に富むようになります。これを利用して、分子鎖同士を直接あるいは間接的に、化学的に結合させます。このようにしてできた構造を、架橋構造と呼びます。この構造により、分子鎖に力が働いても分子鎖は分離しなくなります。その結果、力による分子鎖変形が効率的に行われるようになり、エントロピー弾性が顕著になります。

架橋構造の形成には、100年以上も前に発見された硫黄を用いる方法が、今も活用されています。しかしその反応機構は、完全には解明されていません。現在提案されているポリイソプレンと硫黄の反応例を、図2に示しました。最近では硫黄に代わる物質の利用や、分子鎖の化学構造制御により、種々の架橋構造が形成できるようになっています。

図2:硫黄とポリイソプレンの反応によって形成される架橋構造

図2:硫黄とポリイソプレンの反応によって形成される架橋構造

架橋構造の発達程度は、架橋密度という物理量で表します。架橋密度が高くなるにつれて、ゴム弾性の弾性率が増加し、硬いゴム材料になります。

2. 原料ゴムの種類

原料ゴムは、非常に多くの種類が存在します。日本工業規格(JIS)では、原料ゴムの化学構造(主鎖の構造)で分類し、さらにモノマーの化学名の頭文字と化学構造から、略号を定めています(表1)。

表1:原料ゴム分類の概略(JIS K 6397 原料ゴム及びラテックスの略号を基に筆者作成)
JISによる分類
グループ
略号 原料ゴム名称 天然ゴム
/合成ゴム
汎用
/特殊ゴム
ジエン
/非ジエン系ゴム
(二重結合の有無)
NR 天然ゴム 天然ゴム 汎用ゴム ジエン系ゴム
IR イソプレンゴム 合成ゴム
BR ブタジエンゴム
SBR スチレンブタジエンゴム
CR クロロプレンゴム 特殊ゴム
NBR ニトリルゴム
IIR ブチルゴム 非ジエン系ゴム 
M EPDM エチレンプロピレンゴム
CSM クロロスルホン化
ポリエチレン
ACM アクリルゴム
FKM フッ素ゴム
O ECO エピクロロヒドリンゴム
U U ウレタンゴム
Q Q シリコーンゴム

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 特殊な原料ゴム

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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