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サーボ機構とは:サーボ機構の基礎知識1

サーボ機構の基礎知識

更新日:2019年11月8日(初回投稿)
著者:株式会社プラチナリンク 代表取締役社長 西田 麻美

昨今、AI(人工知能)やIoTなどの技術改革が急速に進められています。その中で、これらの技術を活用し、機械システムの自動化、ロボット化を検討する企業が増えています。このような機械システムのカギを握る技術の一つに、サーボ機構があります。本連載では、ものづくりに携わる技術者が知っておくべきサーボ機構の基礎知識を、全8回にわたって説明します。第1回は、サーボ機構の目的と特徴、構成要素、応用例を紹介します。

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1. サーボ機構とは

サーボ機構は、サーボモータを使った機械システムだと思われがちです。しかし、本来は、機構(メカニズム)の速度や位置、角度、姿勢などを高精度に動かすことができる技術、つまり、動作の位置決めができるシステムを意味します。従って、通常のモータを使って、カムやリンクなどの機械要素で位置決めを達成できれば、これは立派なサーボ機構です。また、位置決めを得意とするモータを使い、ソフトウェア側から機構を制御するというアプローチでも、サーボ機構を構成できます。平たくいえば、サーボ機構は、機構(メカニズム)と制御(ソフトウェア)の両機能を併せ持つ、いわばデュアルモード技術です。

今日のサーボ機構は、機械要素で位置決めするのではなく、ソフトウェアでより高度な動作を実現する方法が採用されています。これは、フィードバック制御を使って、指令通りに目的の位置まで追い込む方法です(図1)。

図1:フィードバック制御の分類とサーボ機構の位置付け

図1:フィードバック制御の分類とサーボ機構の位置付け

ちなみに、サーボ(Servo)の語源は、英語のServant(主人に忠実な使用人)からきています。高速・高精度で、意図した通りに動かしたいときは、命令に忠実に動くことを得意とするサーボ機構を活用する必要があります。

2. サーボ機構の構成要素

サーボ機構は、次の6つの要素技術から構成されています。

(1)メカニズムの技術: 機構や構造

(2)アクチュエータの技術:一般のモータ、位置決め系のモータ、油圧・空圧などの動力源

(3)増幅器(アンプ)技術:アクチュエータをドライブ(駆動)するために、パワー増幅したり、指令との誤差を演算して調整したりする技術

(4)コントローラ技術:位置指令や速度指令など目的の動作をさせるために命令する技術(制御技術、情報処理技術、コンピュータ技術なども含む)

(5)センサ技術:フィードバック情報を得るための検出器(センサ)の技術

(6)MACS(マックス)技術:上記の5つを統合(システムインテグレーション)する技術

各構成要素について補足すると、(4)コントローラ技術は、狭義のコントローラを指します。広義には、(3)増幅器(アンプ)技術、および(4)を併せてコントローラ技術といいます。(6)MACS(マックス)技術は、各要素技術の頭文字(メカニズムのM、アクチュエータのA、コントローラのC、センサのS)をとって、それらを擦り合わせる(システムインテグレーション)技術を意味しています(図2)。

図2:サーボ機構の構成要素

図2:サーボ機構の構成要素

サーボ機構は、位置決めを通して、付加価値の高いシステムを考えることから始まります。これには、(1)メカニズムの技術から、(5)センサ技術までの各要素を理解し、選定できること、さらには、サーボ機構システムとして統合する(6)までの、幅広い知識が求められます(図3)。

図3:サーボ機構の構成例

図3:サーボ機構の構成例

3. サーボ機構の応用例

工作機械、およびロボットにおけるサーボ機構の応用例を紹介します。

・工作機械

サーボ機構は、メカニズムの速度や位置、角度、姿勢などを高精度にすばやく制御できるため、産業界をはじめ、さまざまな分野で応用されています。これまでにサーボ機構を最もけん引してきたのは、工作機械(マザーマシン)です。工作機械では、μmから、サブμmオーダー、さらにはナノまで、高精度に位置決めできることが要求されます。例えば、光学系部品や、半導体などの精密部品は、細かな誤差も許されない部品です。サーボ機構の活用なくして、これらの加工・生産はできません。

日本には、優れた工作機械メーカーが数多く存在しており、ものづくりの世界をリードしています。これは、全ての機械システムを作り出す源のマザーマシン(母なる機械)の精度・品質管理が優れていていることの証(あか)しです。

現在では、宇宙・航空機、医療などの超精密部品(高級機能・高価格)から、自動車部品や電気精密部品(中級機能・中価格)など、豊かに精度よく加工できる工作機械があります。工作機械では、強い環境にも耐えて可動できるサーボ機構が設計され、その技術に支えられています。

・ロボット

少子高齢化が進む中、より高度で多様な製品を提供しようとしたとき、切っても切れないのがオートメーション技術とロボット技術です。これらは皆、用途に応じて個別に設計されるオーダーメイド製品です。産業用ロボットを動かす関節については、100%といってよいほど、基本形を同じとするサーボ機構が設計されています。

サーボ機構は、本来、位置や姿勢などを制御することを目的としています。

今後は、IoT(もののインターネット)やAI(人工知能)などディジタルテクノロジーの融合が発展し、必要なもの、サービスを、必要な人に、必要な時、必要なだけ供給し、社会のさまざまなニーズにきめ細かい対応ができるロボットが注力されます。それと同時に、位置決め制御によって質の高さを補償するだけはなく、視覚や感触となるセンサを駆使した通信技術とのコラボレーションがサーボ機構の未来に求められるでしょう。

いかがでしたか? 今回は、サーボ機構の目的と特徴、構成要素、応用例を紹介しました。次回は、サーボ機構に必要なメカニズムとして、ボールねじ駆動、ベルト・チェーン駆動、減速機駆動を取り上げます。お楽しみに!

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