メニュー

太陽光発電の未来:太陽光発電の基礎知識6

太陽光発電の基礎知識

更新日:2019年12月4日(初回投稿)
著者:イー・エムケー・ワン協会 代表 小西 正暉

前回は、太陽光発電のコストを解説しました。太陽光発電は最大のテーマだった最廉価発電を達成し、次の大きな飛躍に向けて研究開発が進められています。最終回の今回は、太陽光発電の未来と題して、実用化が視野に入ってきた太陽電池搭載電気自動車、日本では注目されていないものの、将来的には必ず普及すると思われる洋上太陽光発電、夢のある宇宙での太陽光発電、最後に太陽光発電だけで全世界の発電を賄うジェネシス計画の4項目を解説します。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. 太陽電池で走る車

ヨーロッパを中心に、地球温暖化防止の観点から、2030年にはガソリン車・ディーゼル車の走行を禁止しようという動きが加速しています。しかし、代わりとなる電気自動車の充電に化石燃料由来の電気を使っていては、二酸化炭素の排出は減りません。そこで、自動車に太陽電池を搭載し、自身で作りだした電気で走行させようという試みが進められています。

現在の開発の進捗状況はというと、太陽電池を搭載した車が、公道で走行実験ができる段階に達しました。もちろん、太陽電池を搭載した車は、既に市販されてはいます。しかし、太陽電池による電力はカーナビなどの補機バッテリーに使用されるのみで、走行に使えるほどの発電はできていません(図1)。

図1:太陽電池を搭載した公道走行実証実験車

図1:太陽電池を搭載した公道走行実証実験車(出典:NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)

今回の実験車には、光電変換効率34%という超高効率太陽電池セルが使われています。この太陽電池は、満充電された場合、約50km走行できる能力を備えています(国内乗用車の平均的な走行距離は1日24km)。ただし、非常に高価なため、実用化には向きません。そこで、低価格化に向け、第2回で紹介した高効率シリコン太陽電池とペロブスカイト太陽電池を組み合わせた、新型の太陽電池セルなどの研究が進められています。

2. 洋上で太陽光発電

最近、多くの湖面に太陽光発電システムが設置されるようになりました。一方、波の高い外洋での太陽光発電は始まったばかりです。世界初のプロジェクトは、オランダのSolar-at-Seaです。同国デン・ハーグの沖合15kmに設置が始まりました。また、シンガポールもジョホール海峡に、浮体式太陽光発電所を建設すると発表しています。

洋上太陽光発電は、海に囲まれた日本こそ最適の場所と思われます。しかし、日本では話題にもなりません。そこで、筆者が経済性も含めて検討した可能性を紹介します。

まず、塩分の高い洋上で使えるソーラーパネルは、オーストリアのSwimsol社が環礁向けに市販しています。次に、巨大なフロートに関しては、1995~1999年に、国家プロジェクトとしてメガフロート研究組合が設立され、200億円近い国家予算を使って開発済みです。ただし、鉄材のフロートでは経済的に成り立たないため、筆者は浮遊空気式防舷(げん)材(フェリー乗り場などに設置してある、桟橋と船の間に挟み込むボールのようなクッション材)を提案しています。また、台風時のような巨大な波に対しては、防波堤が必要です。これについては、水深の深いところを対象にした、浮き消波提(しょうはてい)という防波堤についての論文があり、浮消波提は台風などで一部破損しても十分に効力を示すという結論が示されています(「内部水流振動型浮消波堤の設計と台風災害時の被災状況–鹿児島県幣串(へぐし)地区」、荒見敦史、河野豊、高木儀昌)。

詳細情報が集まっていないため大ざっぱではあるものの、1か所に1GW(1,000MW)規模の大型洋上太陽光発電所を建設すると仮定して、発電単価を計算すると、10円/kWhを期待できることが分かりました。これは、世界の発電単価に比べれば、まだ割高です。しかし、土佐黒潮牧場ブイのように、太平洋上にブイを浮かべて回遊魚を呼び寄せる漁法もあり、発電と漁業の海上版ソーラーシェアリングといった可能性も期待されます。

3. 宇宙で太陽光発電

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 世界中の太陽光発電所をつなぐ

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

    ピックアップ記事

    tags