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遮音の仕組みと遮音材料:防音の基礎知識3

防音の基礎知識

更新日:2018年7月13日(初回投稿)
著者:日本板硝子環境アメニティ株式会社 東京事業部建築エンジ設計部 建音CS設計グループ 課長(一般社団法人日本音響材料協会 音響基礎講習会 第2講 講師)齋藤 秀和

一般的な防音対策には、吸音、遮音、防振の3つがあります。前回は、その中から吸音を解説しました。今回は、遮音の仕組みと遮音材料について掘り下げます。

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1. 遮音の仕組み

遮音とは、遮音材料で音を遮ることです(図1)。ある材料に音が入射した時(Ei)に、その音のエネルギーは反射したり(Er)、材料内において熱エネルギー(摩擦熱)となって吸収され(Ea)、元のエネルギーよりも小さくなって背面に抜けます(Et)。

図1:遮音の仕組み

図1:遮音の仕組み

透過率τとは、入射する音のエネルギーEiに対し、背面に透過するエネルギーEtの比です。つまり透過率τは、Et/Eiで表されます。透過損失TLとは、透過率τの逆数をdB表示したもので、TL=10×log10(1/τ)の式で表します。この透過損失は、遮音の程度を表したもので、数値が大きいほど遮音性能は高くなります。

遮音を考える上で最も大切な法則に、質量則があります。質量則とは、ガラスやコンクリートのような単一の材料で構成された材料は、基本的には単位面積当たりの質量(面密度)が大きいほど、また同じ面密度(厚さ)であれば周波数が高いほど、透過損失(遮音性能)が大きくなるという法則です。透過損失をTL0dB、周波数をfHz、面密度をmkg/m2で示すと、透過損失は、TL0=20×log10(f・m)-42.5(dB)の式で求めることができます。この質量則からは、面密度(厚さ)を倍にしても、遮音性能は約5~6dB程度しか増えないことも分かります。

そしてもう一つ、均質単板の透過損失を左右する、コインシデンス効果という現象も重要です。これは透過損失(遮音性能)が特定の周波数において、質量則で算出される値に比べて著しく低下する現象のことです(図2)。材料が硬いほど、同一の材料では厚みが厚いほど、低い周波数で効果が生じます。

図2:質量則とコインシデンス効果

図2:質量則とコインシデンス効果(引用:公益社団法人日本騒音制御工学会、特集:建築音響の基礎知識、騒音制御Vol.32、No.5、2008年、P.331)

2. 遮音材料の種類と特徴

遮音材料とは、材料に音が入射した時に、音のエネルギーを透過させにくい材料です。しかし、遮音目的に特化した遮音材料と呼ばれる材料群が、数多く製造・販売されているわけではありません。通常、石こうボードや合板、コンクリートブロックなどの身近な建築材料が、遮音材料として用いられています。

遮音材料は、構造から4種類に分類されます。一重壁、二重壁、複合材料、窓・扉の4つです。一般的な遮音材料として、軽量・施工時の省力化といったメリットから、ボード系の乾式壁が多く用いられます。また、遮音特性だけでなく、耐火性能、強度、耐水性などが必要とされる場合もあるので、使用の際には併せて考慮しましょう。近年ではボード構成や下地の組み方を工夫することで、より高い遮音性能を有する遮音壁構造も開発されており、材料単体だけでなく、下地や構造まで含めた点から比較・選定していくことが大切です。

それでは、遮音材料を4つの種別ごとに見ていきましょう。

1:一重壁

一重壁の遮音材料には、コンクリート壁やガラスのように、単一の材料で構成されたものが該当します。中高音域では質量則やコインシデンス効果で性能は近似しますが、低音域においては板が振動しやすい周波数(共振する周波数)を中心に、性能が低下します。

例えば単板ガラスの場合、厚さによってコインシデンス効果が生じる周波数が変わります。周波数によっては、薄いガラスの方が、厚いガラスより遮音性能が高くなる場合があります(図3、1,500Hz周辺)。

図3:単板ガラスの音響透過損失

図3:単板ガラスの音響透過損失(公益社団法人日本騒音制御工学会、特集:建築音響の基礎知識、騒音制御Vol.32、No.5、2008年、P.331を基に作成)

2:二重壁

二重壁の遮音材料には、ボード系の中空壁や、間仕切り壁などが該当します。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:一般社団法人日本音響材料協会

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