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防振の仕組みと防振材料:防音の基礎知識4

防音の基礎知識

更新日:2018年7月26日(初回投稿)
著者:日本板硝子環境アメニティ株式会社 東京事業部建築エンジ設計部 建音CS設計グループ 課長(一般社団法人日本音響材料協会 音響基礎講習会 第2講 講師)齋藤 秀和

一般的に防音対策と呼ばれるものには、吸音、遮音、防振の3つの方法があります。前回は、その中から遮音を解説しました。今回は、防振の仕組みと防振材料について掘り下げます。

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1. 防振の仕組み

防振とは、振動する機械や空調機などの振動体から、建物へ伝達する振動(固体伝搬音)をできるだけ小さく制御することです。空気音の騒音の場合、壁などの遮音体を通過するたびに減衰するので、隣接していない部屋に大きな騒音が届くことはありません。一方、固体伝搬音は壁や床・天井などの構造物(固体)を振動させて音を発生させるので、大きく減衰することなく、離れた部屋まで騒音が伝わることがあり、注意が必要です。

固体伝搬音を抑えるためには、構造体の固有振動数(単位時間に振れる回数)を考える必要があります。固有振動数とは、ある物体が強く反応して激しく揺れる振動数のことで、どのような物体にも、固有振動数があります。一方、物体は固有振動数から大きく外れた振動数で揺すられても、ほとんど反応せず、大きく揺れることはありません。そこで物体を防振材で支持した時に形成される、振動系(防振系)の固有振動数を、対象となる騒音の振動から大きく離すことにより、振動の伝達を小さくすることができます。 防振系の固有振動数f0は、防振材の動的ばね定数をk、振動系の質量をmとした場合、下式で表されます。

防振系の固有振動数

この固有振動数と振動の伝達の割合(振動伝達率)の関係を表したものが、図1です。固有振動数を1とした時、その√2倍の周波数が伝わってきた時に実際のレベルと同じ振動が伝わります。それ以上の周波数の振動では、有効な防振効果が得られます。

図1:振動数比と振動伝達率の関係

図1:振動数比と振動伝達率の関係(画像提供:日本板硝子環境アメニティ株式会社)

なお、人間の耳の可聴範囲は20~20,000Hz程度です。音に関する問題は50Hz程度の低音域からが対象となりやすく、また対象となる周波数と固有振動数の差が4倍以上になると振動伝達率が10%以下になることから、一般的には固有振動数の目標値を15Hz以下とすることが多いです。ホールやスタジオなど、高い遮音性能が要求される時には、10Hz以下に設定されることもあります。

2. 防振材料の種類と特徴

防振材料とは、ある物体を防振材で支持することにより、振動の伝達を小さくする材料のことです。一般的によく知られている防振ゴムのほか、エラストマーや高密度の多孔質材料などを使用することもあります。

1:防振ゴム

防振ゴムは施工性がよく、ばね定数が広範囲に選べ、共振時の振幅も過大にならないため、よく使用されます。

一般的な丸型や角型の防振ゴムは、圧縮方向の力を支持することを主としており、せん断力や引張力に対しては非常に弱いので、取り付け時には防振ゴムの圧縮方向に荷重がかかるように取り付ける必要があります。また同時に、水平方向の振れ止めも必要となります。防振ゴムの選定は、固定荷重+積載荷重が防振ゴムの許容荷重以下となるように、かつ積載荷重がない状態でも固有振動数が目標値以下となるように選定します。この選定が適切に行われないと、意図した防振性能が得られないばかりか、対象周波数によってはかえって増幅してしまい、防振していない状態よりも悪い状況になることもあります。防振ゴムの選定には、細心の注意が必要です。

図2:さまざまなタイプの建築用防振ゴム

図2:さまざまなタイプの建築用防振ゴム(画像提供:日本板硝子環境アメニティ株式会社)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:一般社団法人日本音響材料協会

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