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伝熱現象の基本1:熱工学の基礎知識5

熱工学の基礎知識

更新日:2020年11月18日(初回投稿)
著者:信州大学 名誉教授 平田 哲夫

前回は、冷凍機・ヒートポンプのサイクルを紹介しました。今回は、熱移動の3形態の、熱伝導と熱伝達を解説します。自然界では、伝熱現象を伴わない事象は皆無といっても過言ではありません。工業技術においても然りです。全てのエネルギーは、最終的には熱になってその役目を終えます。そのため、工業製品の製造においては、熱による材料の膨張、収縮の問題は避けられません。精密部品では、1/100℃の精度での温度制御が求められることもあります。

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1. 熱移動の3形態

熱移動の3形態は、熱ふく射、熱伝導、熱伝達に分類されます。自然の状態では、熱は高温物体から低温物体へ伝わります。図1に示す蓄熱装置では、太陽エネルギーにより集熱器の壁が加熱され、中の流体の温度が上昇します。太陽からの熱移動を、熱ふく射といいます。熱ふく射により集熱器外面が加熱され、その熱は壁内を伝わり、内面へ達します。この熱移動を、熱伝導といいます。さらに、集熱器内面に達した熱は、内部を循環する流体に伝わり、流体は加熱されます。この熱移動を、熱伝達といいます。

図1:熱移動の3形態

図1:熱移動の3形態(引用:平田哲夫、他2名、例題でわかる伝熱工学(第2版)、森北出版、2014年、P.3)

熱移動現象はこの3つの形態に分類され、それぞれ伝熱量の計算式が異なります。熱移動現象には、他に沸騰、凝縮(凝結ともいう)、凝固、融解など、潜熱の移動を伴うものもあります。ただし、基本的にはこの3形態のいずれかで取り扱うことができます。

2. 熱伝導による熱移動

固体または静止した液体や気体に温度差を与えると、熱は高温度から低温度の部分へ流れます。熱は温度の高い分子から低い分子へと伝わる性質を持つためです。これを熱伝導といいます。

図2(a)に、厚さLの平板内の温度変化を示します。赤色の線はその場所の温度を示しており、これを温度分布といいます。

図2:平板内の温度変化と温度勾配

図2:平板内の温度変化と温度勾配

図2(a)のaに示すように、最初は平板全体がT1で同一温度とします。その状態から右面の温度を急にT2まで下げると、平板内の温度は時間の経過とともにbからcへと変化します。そして、時間が十分経過すると温度は変化しなくなり、最後はdのように直線で表されます。これを定常状態といいます。一方、時間とともに温度変化している状態のb、cを、非定常状態といいます。

定常状態のときに平板内を伝わる熱量Qは、フーリエの法則により次のように求められます。フーリエの法則とは、物体中に温度勾配が存在するときに、定常状態において物体中を流れる熱流束が温度勾配に比例する法則です。

Q=-(伝熱面積A)×(平板の熱伝導率k)×(温度勾配(T2-T1)/L)

ここで、kは平板の熱伝導率です。右辺のマイナスは、座標Xを熱流方向にとると温度勾配(T2-T1)/Lの値は負となるので、熱量を正の値にするためにあります。温度勾配とは、図2(b)の青色の線で示すように、温度分布の傾斜を意味します。非定常状態の場合は、温度分布の任意の点の接線を引いて、その位置の温度勾配を求めます。

円管の管壁を外面から内面へ伝熱するときは、伝熱面積は管中心からの距離によって変化するので、伝熱量の計算は平板とは異なる形になります。

3. 熱伝導の伝熱促進

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 熱伝達による熱移動

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5. 熱伝達の伝熱促進

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