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EUの廃棄物処理とリサイクルの取り組み:廃棄物リサイクルの基礎知識6

廃棄物リサイクルの基礎知識

更新日:2017年5月16日(初回投稿)
著者:株式会社プリディクション郷事務所 兼 化学工学会SCE・Net 郷 茂夫
編集:株式会社イプロス Tech Note編集部

今回は、EUの廃棄物処理とリサイクルを見ていきましょう。EUの取り組みはドイツ、オランダを中心に日本より進んでいるともいわれます。EUの廃棄物に対する理念を解説し、特に取り組みが進んでいるドイツの事例を紹介します。EUの指導的立場にある欧州委員会のリサイクル理論は進んでいる面もあります。しかし、廃棄物のリサイクルついては、EU各国の施策には遅れている面が多いことも理解してください。

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1. EUと日本の外形的な違い

まず初めに、EUと日本の廃棄物制度やリサイクルの考え方の違いを見ておきましょう。ここでは、国情差や例外、別法には触れず、EUと日本の基本的な理念や法令の違いを解説します。EUと日本の大きな違いは、「ごみの分別と選別」であり、それが廃棄物リサイクルのポイントになります。

廃棄物の定義の違い

日本の廃棄物の処理および清掃に関する法律の冒頭に、廃棄物の定義が書かれています。その解釈は、占有者が自ら利用し、または他人に有償で売却することができないために不要になった物です。これに該当するか否かは、物の性状や排出の状況、通常の取り扱い形態、取り引き価値および占有者の意思などを総合的に加味して判断します。この廃棄物の定義を巡る、判定しにくい問題の例は次のようなものがあります。

・有価の原材料や製品と称した不適正処理の問題(不法投棄問題など)

・不要物に当たらないと判断したものが、生活環境保全上適正な管理が必要な場合(原材料や中古品の長期野ざらし放置、ごみ屋敷問題など)

EUでは、廃棄物はEUの廃棄物カタログと照合して決まります。欧州の廃棄物は、有価・無価に関係なく、廃棄物カタログに掲げるあらゆる物質(物体)であって、所持者が廃棄し、廃棄を意図し、または所持者が廃棄しなければならないものと定義されています。廃棄しなければならないものとは、「廃棄し」という事実的要素、「廃棄を意図し」という主観的要素ではカバーしきれないものです。すなわち、廃棄しているわけでもなく、また、占有者も廃棄の意思がないようなものについて、環境保全上適正に取り扱うべきものをカバーするための規定となっています。原材料の野ざらし問題やごみ屋敷問題などはここに当てはまるでしょう。

廃棄物の分類の違い

EUで規定されている廃棄物の分類は、日本の分類と大きく違います。この違いが廃棄物処理制度の構築に影響しています。

日本の廃棄物の分類は、第2回で説明しました。一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。爆発性、毒性、感染性などの性状を持つものは、特別管理廃棄物に分類されます。同じ廃棄物質でも、一般と産業とは違う分類となり、扱いも異なります。

EUの廃棄物の分類は、欧州廃棄物カタログ(EWC:The European Waste Catalog)のいずれかのカテゴリに入るとされ、細かく分類されています。図1に、廃棄物の基本的分類を示します。EWCによる分類では、有害か無害かにより監視の度合いが異なり、廃棄物が受ける規制も決まります。

図1:EUの廃棄物の基本的分類

図1:EUの廃棄物の基本的分類

一般廃棄物(無害廃棄物ともいえる)は、生産または消費の残余物で、リサイクル可能なものも含み、EWCでは849種類に分類されています。有害廃棄物は、成分に応じて有害廃棄物リスト(HML:The Hazardous Waste List)で404種類に分類されています。日本の分類との違いは、EUでは、家庭ごみも産業ごみも、まず「有害」か「無害」かにより分け、次に「処分する」か「利用する可能性がある」かで分けられるということです。

次に、上記のような廃棄物の分類に対し、規制はどう働くのか見てみましょう。無害な廃棄物でリサイクルできるものは監視強度が最も低く、自由にEU全域を移動できます。しかしながら、無害でも処分が必要な廃棄物や有害廃棄物の場合には監視が厳しくなり、移動が不自由になり、処理に手間やコストがかかります。つまり、社会全体の廃棄物が、監視の高い方(有害・処分)から監視の低い方(無害・再利用)へ向かうように制度が設定されているように見えます。

ドイツの廃棄物の分類を見てみましょう。基本はEUの分類に従います。しかし、運営上の利便性から図2のようになっています。廃棄物の出所による分類(日本とやや類似性がある)があり、次に有害、無害の分類に入ります。最終的に、リサイクルと処分の種類によって分類されます。処分は、リサイクルが不可能またはリサイクルより焼却や埋め立てをする方が環境適合的であり、リサイクルでは過大な経済的負担が発生する廃棄物の場合に適用します。

図2:ドイツの廃棄物の分類

図2:ドイツの廃棄物の分類

家庭ごみの排出時の分別の違い

家庭ごみの排出時の分別方法は、EU各国で違います。ドイツでも分別排出のやり方が統一されているわけではありません。ここでは、ドイツの家庭でよく見るゴミ箱2つの典型例を引用します。容器包装ごみと非容器包装ごみに2分別排出されています。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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2. EUの廃棄物政策

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. EUにおける廃棄物処理・リサイクルの状況

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 欧州の資源効率性(RE)をめぐるロードマップ

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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