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子供向けプログラミング教育の今!~15年後の若手社員が受ける教育とは?~

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著者:探究型プログラミング学習(探プロ) 研究責任者 小笠原 記子

皆さん、プログラミングと聞いて、何をイメージしますか? 製造業や建築業では、それを得意とする人もいれば、苦手と感じる人もいることでしょう。育った環境、大学や高専、高校での専攻、会社での業務が影響しているはずです。また、プログラミングとの接点は、大人になってからの人が多いでしょう。

今、英語と並び、注目されているプログラミング教育。今回は、特に子供向けに焦点を当てて、その最新動向をお伝えします。15年後に入社してくる若手は、小学生のときからプログラムを操る「つわもの」かもしれません。小さいお子さんを持つ、お父さん、お母さんも必見です!

1. 15年後に入社してくるのは、どんな子?

東京オリンピックが開催される2020年に向けて、教育業界では大きな改革が進められていることをご存知でしょうか? 大学入試制度の大改造、1人1台タブレット端末を配布するなど教育の情報化、小学5年生からの英語教育、そして小学校でのプログラミング必修化など、改革は既に始まっています。

こうした新しい教育を受ける子供たちが社会人となる15年後、彼ら彼女らを社会人として迎え入れる立場として、私たちはどのような心構えをしておくべきなのでしょうか。

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15年後の若手社員は、現在小学校低学年!

2. 世界的にプログラミング教育が注目されている

数ある変化の中でもひと際目を引くのがプログラミング教育です。イギリスでは2014年、5~16歳までの全児童生徒を対象に義務教育で、コンピューティングと呼ばれる内容のカリキュラムを導入しました。他国でも義務教育化に向けた動きが盛んです。また、アメリカから世界中に広がったプログラミング教育の普及活動「Hour of Code」では、全ての子供たちに無償でプログラミングの学習機会を提供しています。こうした動きは、世界が今IT人材の育成に力を入れており、技術を使いこなし、新しいサービスを自らの手で生み出す人材を求めていることを示しています。

一方、世界を代表するハイテク企業が検討に加わった、次世代の子供たちが身に付けるべき世界標準のスキルセット「21世紀型スキル(ATC21S:Assessment & Teaching of 21st Century Skills)」も注目されています。社会の中で活かす思考力やコミュニケーション力と同じレベルで、ICT活用力を重視しており、その点で従来のスキル・コンセプトとは異なります。プログラミングは、この21世紀型スキルを身に付ける新しい教育としても、注目されているのです。

3. 日本でも、小学校でプログラミング必修化

こうした動きを受け、数年前から日本でもプログラミング教育の必要性が検討されていましたが、当初はIT技術者を育てるための教育と受け止められ、さまざまな議論を呼びました。そして2016年6月、文部科学省は、有識者会議の議論の取りまとめを公開しました。この中には、2020年には国内の全ての小学校で、プログラミングを必修化すること、別教科としてではなく各教科の中に取り込むかたちとすること、プログラミングスキルではなくプログラミング的思考を身につけることを目的とすることなどが書かれています。

探究型プログラミング学習のワークショップの様子1

探究型プログラミング学習のワークショップの様子1

「いよいよ子供たちもプログラミングを習うことになるのか!」と驚かれたかもしれません。実は、既に中学校では、プログラミングは必修となっています。小学校での授業形式はまだ明らかになっていませんが、プログラミング自体を学ぶのではなく、プログラミングを通じて、思考力などを鍛えるものになるといわれています。

4. プログラミングの認知度は上がっている

こうした動きを先取りするかたちで、数年前から、民間企業やNPO団体などが運営する低年齢層向けのプログラミング教室やワークショップが増えています。まだ都市部が中心であるものの、新聞や雑誌で取り上げられる頻度も増えており、認知度は上がっています。

多くは、キーボードを使わずマウス操作だけでプログラミングできる「Scracth」を利用した学習です。他にもロボットを使ってモノづくりの基礎を学んだり、littleBitsなどの電子工作キットを使って、アルゴリズムを学んだりと、さまざまな学習の方法があります。

探究型プログラミング学習のワークショップの様子2:littleBitsを使用

探究型プログラミング学習のワークショップの様子2:littleBitsを使用

5. プログラミングを通じて、身に付けられるもの

これだけ多様な教育を受けて育つ子供たちと、それ以前の教育を受けている私たちとでは何が違うのでしょうか?

プログラミングを通じて身に付けられるスキルとして、最もよく言われるのが、論理的思考力と問題解決力です。プログラムとは簡単にいうと「命令」の集まりであり、プログラミングとはコンピュータが「命令」を実行できるようにすることです。コンピュータは正確な「命令」しか受け付けないので、プログラミングする人たちは、正確な「命令」を、いかに効率良く実行させるか? ということを考えなければいけません。これが、論理的思考力につながるといわれる理由です。そして、解決手段の一つとして効果的にプログラミングを行うことが、問題解決力につながるのです。

ここで、Tech Noteの読者の皆さんは、疑問を持つかもしれません。論理的思考力や問題解決力は、既存の教育でも十分に身に付くのではないか? プログラミングである必要はないのではないか?と。

実は、プログラミングが他の教育と比べて優れている点が一つあります。それは、何度もトライ&エラーを繰り返す試行錯誤を素早く行えることです。プログラミングの過程では、自分のアイデアをプログラムというかたちに可視化し、実際に動かして確認します。このときにコンピュータを使うことで、手軽に何度でも繰り返すことができ、かつサイクルを非常に早く回すことができるのです。

プログラミング教育のメリット

プログラミング教育のメリット

小学校でプログラミングを学んだ15年後に入社してくる新入社員、彼らは彼女らは、私たちよりもはるかにICTツールを使いこなし、簡単なプログラムやアプリケーションであれば、さくっと自分で作ることができるかもしれません。私たちがアイデアを伝えるのに何枚もの資料を用意する一方で、彼ら彼女らは簡単なプロトタイプをさっと作ってユーザに実際に触らせてしまうのかもしれません。

こうした仕事の進め方が当たり前になる時代には、モノづくりのスピードは一層速くなることでしょう。ただ、アイデアを伝えるだけの人よりも、実際に手を動かせる人の方が価値は高いのです。現役のモノづくりの技術者も、うかうかしていられません!

著者 小笠原 記子
探究型プログラミング学習(探プロ) 研究責任者

システムコンサルタントとしてシステム開発の最前線で仕事を続ける一方、子供向けプログラミング学習の可能性を追究している。自ら考案した『探究型プログラミング学習(探プロ)』は、身近な社会を通じてプログラミングの概念を学び、未来を創造する力(21世紀型スキル)を身に付けることを目的としており、プログラミング言語を操るだけの学習とは一線を画する。都内を中心にワークショップを実施中。Blog:http://dig-learning.hatenablog.com/

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