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カーボンナノチューブ世界市場2015

ポイント

  • 2014年のカーボンナノチューブ(以下、CNT)世界市場規模は、590.8t、
    前年比137.3%と大きく伸長
  • リチウムイオン電池用途が世界市場をけん引
  • 2020年のCNT世界市場規模は、1,335t、うち単層CNT15t、多層CNT1,320tと予測

調査会社の矢野経済研究所は、2015年10月7日にカーボンナノチューブ世界市場の調査結果を発表しました。

市場概況

単層カーボンナノチューブ市場

従来、単層CNTは、主に試料として利用されていましたが、低価格・安定供給を打ち出すメーカーが参入したことで、2014年の単層CNTの世界市場規模はメーカー出荷量ベースで前年比266.7%の0.8tとなりました。

韓国では透明電極としての実用化が進んでいるほか、電動バイクに搭載されるリチウムイオン電池の導電助剤として利用され始めました。日本では電気二重層キャパシタ電極やゴム複合材料などとしての開発が進んでおり、2015年にはスーパーグロース(SG)法やeDIPS 法という合成技術による量産が本格化するなど、技術普及も加速する傾向にあります。

多層カーボンナノチューブ市場

多層CNT市場では、リチウムイオン電池向けの需要が好調です。2014年の世界市場規模は、メーカー出荷量ベースで前年比137.2%の590tと順調にその規模を拡大させています。

中国では、300t以上の多層CNTが、リチウムイオン電池の導電助剤として使われているものとみられ、地域別の需要構成をみても中国が50%超える一大需要地となっています。

樹脂複合材料としての需要も堅調に推移しています。主に電気・電子分野では半導体部品やHDD部品の搬送用トレー、キャリア、治具、自動車分野では燃料部品やボディ外板(フェンダー)向けの導電性材料として使用されるケースが多くなっています。

注目すべき動向

リチウムイオン電池用途では、民生機器(スマートフォン・タブレット端末など)、および車載用(HEV:ハイブリッド車、PHEV:プラグインハイブリッド車、EV:電気自動車)でCNTの採用が拡大傾向にあります。特に中国では、EVやPHEVといった新エネルギー車の発展促進に関する政府の支援策強化によって車載用リチウムイオン電池の需要が好調であり、導電助剤として使われるCNTはその恩恵を受けています。

導電助剤にはカーボンブラックなどの粒子状炭素材料も用いられていますが、繊維状であるCNTを添加すると、カーボンブラックよりも高い放電容量を維持でき、リチウムイオン電池の長寿命化につながります。

リチウムイオン電池へのCNT採用状況をみてみると、正極では、CNTを使用した導電助剤を添加することにより電池内部の抵抗を下げるために使われています。一方、負極では、主に用いられる黒鉛系の導電性が良好なため、導電助剤を添加しないケースが多く、CNTの採用も一部に留まっています。

将来予測

用途拡大に伴い、2020年のCNT世界市場規模は、単層CNT15t、多層CNT1,320tの合計で、1,335tに達すると予測されています。

単層CNT市場ではサプライヤーの量産体制が整い始めたことで、本格的な立ち上がりの時期が近づいてきており、今後はキログラム単位からトン単位で市場が動くものとみられています。

多層CNT市場では樹脂複合材料としての需要が底堅いほか、引き続きリチウムイオン電池用途が市場をけん引していくものと考えられています。2018年頃にはゴム複合材料などの新規テーマでの採用も期待できます。

カーボンナノチューブ世界市場_R

注1. メーカー出荷量ベース
注2. (見込)は見込値、(予測)は予測値

出典:矢野経済研究所 ニュースリリース

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