機械・治具の構想設計がサクサク進む。使い勝手を追求した3DCAD

機械装置・治具の図面を顧客に見せるとき、3Dモデルで視覚的に伝えられると打ち合わせが円滑に進みます。ただ、いざ3D設計に挑戦しても工数がかかり、使い慣れた2Dに戻ってしまうケースも多いようです。クリエイティブマシン（宮崎県）は、スケッチ不要で拘束エラーにも悩まされない3DCADシステム『IRONCAD』の販売を展開。同製品がスムーズな3D設計を実現できるポイントを聞きました。

今回紹介する技術と製品

3DCADシステム『IRONCAD』

『IRONCAD』は、機械装置・治具を早く、簡単に設計できる3DCADシステムです。スケッチを描かずにドラッグ&ドロップで容易にパーツを作成できるほか、拘束エラーを気にすることなくオブジェクトの移動・コピー・配列ができます。さらに、パーツ・アセンブリを単一ファイルで編集できるため、トップダウン設計が行いやすいのも大きな特長。短期間で習得できる優れた操作性が魅力です。

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自社の設計業務で多数の3DCADを検証
2DCADから工数削減できた唯一のソフト

代表取締役　芳賀卓也　氏

FA関連設備・治具の機械設計事務所としてスタートした当社は、他社との差別化を図るべく2003年より3DCADを使った設計に乗り出しました。様々な3DCADを検証しましたが、米国・IronCAD社の『IRONCAD』は2Dより少ない工数で3D設計を実現できた唯一のソフトでした。

その後会社が直面した課題は、業務負荷の平準化です。機械設計業は受注の波が激しく、それに左右されずに安定した収益を確保できるような商材を必要としていました。そこで、その頃まだ全国的にも珍しかった“機械装置設計のフル3D化”に関するノウハウを活用できる事業として行き着いたのが、ソフトウエアの販売です。

「3D設計は工数がかかってしまう」「3DCADを導入しても使いこなせず、2D設計から抜け出せない」と悩む設計者の声は多数聞きます。業界の技術力の底上げに貢献するためにも『IRONCAD』をぜひ普及させたいと考え、2009年より本格的に販売を開始しました。

スケッチレスで簡単にパーツ作成。
2Dと同じ流れでアイデアを形にできる

機械装置・治具の設計に便利な機能が満載の『IRONCAD』

工数削減の要因は、機械装置・治具をゼロから構想しやすい機能にありました。“カタログ機能”はその代表例で、ブロックや円柱などの3D形状が並ぶ“カタログ”から必要な形状をドラッグ&ドロップしていくだけで、簡単にパーツを作成することが可能。スケッチを描かずに、積み木を組み立てたり、粘土を引っ張ったりするかのように3D空間上で機械を作り上げることができます。

また、“Triball ”（位置決めツール）は、拘束を極力使わずに複雑な配置操作が行える機能です。オブジェクトの位置変更や延長が容易で、データ修正が必要な際も拘束エラーに悩まされることがありません。さらに、パーツとアセンブリが同じファイル拡張子のため、単一ファイルで編集できるのも特長。構想の際には一つのファイルを使用し、バラシの際にパーツごとにファイルを切り分けることで、2D設計と同じようにトップダウン設計が容易に行えます。

ほかにも、2つのモデリングカーネルを搭載しておりデータ互換性が高い点など、ストレスなく作業を進められるポイントは数多くあります。単純形状の組み合わせが多く、構造段階から設計が必要となる機械装置・治具の設計において、使い勝手の良さを特に実感してもらえるはずです。

約1カ月での習得も可能な優れた操作性。
利便性をさらに高めるアドインも開発

『IRONCAD』が持つ7つの強み

このような特長により、過去に3D化につまずいた経験があっても短期間で操作を習得いただいており、「1カ月程度で図面が引けるようになった」との声がほとんど。設計者または設計経験者がお客様のサポートにあたるため、実務経験を基にした設計支援が行える点も、喜んでいただいています。

また、関連ツールの自社開発も手掛けており、これまでに『IRONCAD』上で使えるロボットシミュレータや、2D図面を3D空間に自動で配置・3Dモデル化できるアドインソフトを追加してきました。また、テレワーク時など遠隔でのやり取りがより便利になるツールをもうすぐリリースする予定です。今後も、さらに利便性が高まるよう企画を打ち出していきます。

同じ機械設計でも、量産品と一品物の機械装置・治具ではアプローチや考え方は大きく異なります。自社で3DCADを使いこなせていないと感じている方は、設計対象に合ったソフトを選べているかどうか、ぜひ見直してみてください。