宇宙開発や排ガス処理を変える!高度なステンレス拡散接合技術

掲載開始日:2016-05-09 00:00:00.0

宇宙開発や排ガス処理を変える!高度なステンレス拡散接合技術

拡散接合(焼結)したステンレス素材はさまざまな業種、多彩な製造工程で使用されています。液体やガスのろ過用や充填ノズル、排ガス用のフィルタとして、食品業界から石油化学、医薬品、さらには航空宇宙業界でも活用され、その応用範囲はますます広がっています。ステンレス素材の拡散接合のエキスパートであり、多様なステンレス多孔質体を手掛けるニチダイフィルタに話を聞きました。

排気ガス浄化触媒 メタルメッシュ触媒

今回紹介する技術と製品

排気ガス浄化触媒 メタルメッシュ触媒

高い空隙率を維持できるステンレス焼結金網を触媒担持として、メタルメッシュ(MM)触媒の技術開発に成功。これにより従来のメタルハニカム(MH)触媒同等の排気ガス浄化性能に加え、触媒体積を1/2~1/3まで削減することが可能に。コスト削減に加え、カスタマイズ性・傾斜機能性を付加した排ガスフィルタが作成できます。

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ステンレス素材の拡散接合のパイオニア、かつエキスパート。
国産ロケット部品開発にも関わり続ける。

営業部 部長 池田 誠志 氏

 弊社はステンレス素材の拡散接合(焼結)を40年あまりにわたって手がけてきた、ステンレス素材の拡散接合のパイオニア、かつエキスパートです。1974年には国産初の焼結金網「アブソルダ」を市場に投入しました。この拡散接合(焼結)技術はすべて自社開発によるものです。

 1980年には、現在のJAXAの前身である東京大学宇宙研究所と拡散接合を使った純国産ロケット部品の開発を開始し、現在のH2-Bロケットに至るまでそれらの部品の製作を継続してきました。2007年にはタイに生産工場であるTSM(タイ・シンタード・メッシュ)を設立しています。

 2015年には日本とタイに焼結炉を各1基ずつ増強し、合わせて10基となりました。今や、ステンレス素材の拡散接合製品の供給量、供給能力は世界一であると自負しています。

エンジニアの発想が多孔質体の多彩な用途を生み出す

金属素材を焼結したステンレス多孔質体

 当社ではお客様の製造工程を踏まえたオーダーメイド型の円筒状のフィルターはもちろん、ステンレス素材を焼結した量産型の多孔質体の販売も強化しています。

 小さな孔をたくさん備えた多孔質体の最大の特徴は、ガスやエア、液体の流れを安定させる整流効果が高いこと。自動車やバイク、建設機械、工作機械、油圧機器、空圧機器などに利用されていますが、焼結技術を用いて作ったステンレス多孔質体はセラミック製と違って割れる恐れがなく、安全性が高い。液体をスムーズに吸い上げる毛細管現象も示すので、エンジニアの発想次第でさまざまな用途が考えられるはずです。

 現に、「こういった利用は可能ですか?」というエンジニアからの問い合わせがきっかけとなり、当社の想像もつかないような形で製品化されたものが数多く生まれています。あまり多くは言えないのですが、例えば、レーシング車のブレーキパッドなどでも、この技術が生かされています。

特許取得の「MM触媒」で、排ガス触媒を小型化、必要貴金属を低減。

従来のMH触媒(右奥)と、MM触媒(左手前は、MH相当性能となるMM触媒)

 今、当社が力を入れている分野の一つが排ガス触媒です。従来の排ガス触媒はMH触媒(メタルハニカム触媒)と呼ばれるものでした。金属板をハニカム状に成型し触媒を塗った円筒系のもので、排ガスとの接触面積を大きくするために、どうしても「体積」が必要でした。

それに対して当社が提案しているのがMM触媒(メタルメッシュ触媒)です。ステンレス製の金網を複数枚重ねて焼結を行い、排気管の形に合わせて形状に切り出します。その後、貴金属を塗り、再び焼いて浄化性能を持たせます。フィルター状になった金網を排ガスが抜ける時に、触媒に触れて有害成分を浄化します。

 こうすることでMM触媒は、HM触媒と同等の浄化性能でその体積を半分ほどにできます。また、排ガスをより効果的に浄化するので、必要な貴金属も低減出来ることで大幅なコストダウンが図れます。さらには、MH触媒には円筒形の形状が必要でしたが、MM触媒にはそれがありません。デザインの自由度が飛躍的に高まります。

 現在、MM触媒はすでに二輪メーカーとの浄化性能試験に入っています。今後、触媒メーカーやマフラーメーカー、エンジンメーカーなどとの試験を重ねながら、実用化まで持っていきたいと考えています。

「こんなことができないか?」ぜひ、ご相談をお寄せください。

触媒を塗布した焼結金網

 冒頭でも申し上げたように、当社は高度なステンレス拡散接合技術と、そこから生み出されるステンレス多孔質体により様々な課題を解決してきました。その際のキーワードはメッシュ、フィルター、ろ過、整流、脱気、極低温など、多岐に渡ります。もし今、「こんなことできないか?」という課題があれば、ぜひお気軽にご相談ください。きっと、お力になれるはずです。

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取扱会社

ニチダイフィルタ株式会社

ニチダイフィルタ株式会社は、独自の技術によるステンレス素材(金網、繊維、薄板など)の拡散接合(焼結)で、50年近くの実績を持つ、ステンレス素材の拡散接合のパイオニア、エキスパートです。焼結金網フィルタをはじめとした、ステンレス多孔質体は、石油化学・食品・製薬・繊維・フィルム・航空宇宙・原子力などの多様な分野のフィルタ製品・配管部品・計器部品として採用されています。 タイ東北部チェンマイ近郊にも営業・生産拠点を構えています。日本とタイで、ステンレス素材の拡散接合製品の生産能力はニッチな需要の中でトップレベルです。 要素開発から製品化~量産までを一貫した体制の中、お客様のニーズにお応えします。 ぜひお気軽にご相談ください。

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