電力コスト90%削減!今すぐ純水製造コストを下げる方法とは?
掲載開始日:2012-09-03 00:00:00.0
研究室やラボにも省エネ・電力コスト削減が求められるなか、どこの電力をどう減 らすかが大きな悩みどころ。常に通電が必要な機器も多く、解決策を見つけるのが 難しいのが実情です。 医薬・化学品の世界的企業Merck KGaAの日本法人、メルク株式会社(東京、代表取 締役会長兼社長カール・レーザー)のラボラトリーウォーター事業では、研究開発 に欠かせない“純水・超純水”の製造にかかる電力コストを削減し、そこで浮いた 予算を新規の設備投資に充ててコスト削減と効率アップの両立を実現する「積極的 な省エネ」を推進中。そのラボラトリーウォーター事業を展開するメルクミリポア 事業本部の本田光雅事業本部長に、純水製造のコストを手軽に素早く削減する方法 について話を聞きました。
メルク株式会社 メルクミリポア事業本部
本田 光雅 事業本部長
純水とは、水から粒子やバクテリア、有機物、イオンなどの不純物を取り除いたもののことを指し、研究室や試験室、ラボなどで分析や検査時に使う水や器具の洗浄用などに使われています。研究室ごとに純水製造装置を置き、純水を作り溜めしておくのが一般的で、毎日使うため、水道代・電気代のランニングコストがかかります。
最近は研究室やラボにとっても省エネ・電力コスト削減は大きな課題となっていますが、一方で電気を止められない、減らせない事情もあります。そんな状況に対し当社では、まずは純水製造を省エネ化することで電力コストを抑えることを提案しています。省エネでランニングコストを削減するだけでなく、浮いたコストを新たな装置購入などの研究費に充てることで研究・開発のレベルアップにつながります。
耐えるイメージの強い省エネですが、そうではなく、積極的な省エネで技術力や効率アップにつなげて利益を生み出す、そんなサポートができれば、と思っています。
蒸留して純水を作る加熱式 と 逆浸透膜と連続イオン交換で不純物を除去する非加熱式
非加熱式の純水製造装置は加熱式に比べて90%も電力消費が少ない
逆浸透の原理と水道水の精製
純水の製造方法には加熱式(蒸留)と非加熱式の2つがあり、当社は非加熱式の製品を取り扱っています。加熱式(蒸留)は水の沸点を利用するもので、水を沸かすのに電力を、それを冷ますために水の力を使い、純水を作るために膨大なエネルギーを消費します。
一方で非加熱式は逆浸透膜で不純物を除去し、連続イオン交換を用いますので、使うエネルギーはポンプの送液などごく僅か。加熱式(蒸留)に比べて90%も電力消費を減らせる省エネ方式で、1日20L程度の使用量でも年間のランニングコストは20万円近くも節約できます。
両方式ともに水の性質はほとんど変わりはなく、すでに研究室の省エネを意識しているようなところでは切り替えが進んでいます。北里大学様などでは加熱式(蒸留)を止めて非加熱式にすべて替えることが決まり、この他のお客様からも非常に好評をいただいています。
純水製造装置と超純水製造装置が一体化!
もっと手軽に超純水が使える「Milli-Q Integral(ミリQ インテグラル)」
純水の種類には純水と超純水があり、超純水はより高精度で正確な結果が必要とされるような分析や検査用などに使われ、そのニーズも増えてきています。その製造装置もこれまでは純水と超純水で別々でしたが、当社では、それらを一体化した「Milli-Q Integral(ミリQ インテグラル)」を提供し、これまでよりもっと手軽に超純水を使えるようにしました。
別々の場合と比べて処理量・スピードは変わらずに純水・超純水を製造でき、設置スペースは約半分。1台で最大3個の分岐ができ、用途に合わせた最終カートリッジフィルターを選ぶだけで1台の装置で最大3つの用途に使い分けることができます。
水は重要なインフラ。不足したり止まってしまってはいけない大事な存在
不良や損傷した部品を無償で交換するサービス契約を提供中
研究開発現場にとって純水は不足したり、装置が止まって作れなくなったりしてはいけない大事なものです。
そこで当社では「治療」より「予防」=“水を止めない”ということで、1年に1回の点検の際に劣化や不良、損傷が見つかった部品を無償で交換するサービス契約を行っています。期間は8年間で、その間はずっと安心して純水・超純水を使っていただけます。
水は重要なインフラとして、当社には供給し続ける責務があり、純水製造装置を中心に理化学機器も含めて、研究室やラボの省エネ化のサポートを続けていきたいと考えています。
水を止めないことが最も重要
取扱会社
メルク株式会社ライフサイエンス(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社)
超純水装置・純水装置の開発販売 薬剤を製造するための遺伝子編集ツール、抗体、細胞株、エンドツーエンドのシステムの開発販売および原料供給