屋内・暗所でも抗ウイルス・抗菌。光触媒ガラス・ウイルスクリーン
掲載開始日:2013-03-13 00:00:00.0
日本板硝子株式会社
日本中に猛威をふるうインフルエンザやノロウィルスなどの病原性ウイルス。対策として予防接種やマスクなどありますが、身の回りにある建材自らが抗菌・抗ウイルス性能を持っていれば感染する可能性はグッと抑えられます。日本板硝子(東京都港区)の「ウイルスクリーン」は、屋内の光でガラス面に付着した菌やウイルスを減らせる特殊な光触媒技術を採用した抗菌・抗ウイルス性ガラス。病院や介護施設など医療関連を筆頭に、公共施設や一般住宅、さらには食品や医薬品製造工場などでも注目を集めています。そんな高機能ガラスの詳細について平井 利衛 主席に聞きました。
今回紹介する技術と製品
抗菌・抗ウイルス性能をもった光触媒ガラス「ウイルスクリーン™」
可視光応答型の光触媒ガラス「ウイルスクリーン™」は、蛍光灯などの可視光によってガラス面に付着する99%以上のウイルスを低減します。医療介護施設、公共施設、保育施設など衛生的な環境が求められる部位に最適です。いまならカタログプレゼント中です。
この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。
屋内の可視光、暗所でも光触媒効果を発揮!抗菌・抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン™」
建築ガラス事業部門
アジア事業部日本統括部
営業部 営業企画グループ
平井 利衛 主席
インフルエンザやノロウイルスなど危険なウイルス感染が流行し、生活環境の衛生や安全に対する要求が高まるなか、ガラスで何ができるかと考えた時に、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施している「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」に参画したのがウィルスクリーン™の開発のはじまりです。
プロジェクトでは、従来の光触媒材料よりも優れた抗菌効果と、これまで難しいと言われていた抗ウイルス性能を持つ“銅系化合物材料”を新たに開発。従来の酸化チタン系の光触媒は屋外の太陽光など強い紫外線でないと光触媒効果が得られませんでしたが、新しく開発した材料は室内の可視光でも光触媒効果が得られる「可視光応答型」で、暗所でも時間こそかかりますが抗菌・抗ウイルス効果を発揮します。銀(Ag)の抗菌効果はよく知られるなか、銅系化合物を使ったのがこの技術のポイントで、それをベースに抗菌・抗ウイルスガラスとして製品化したのが"ウィルスクリーン™"です。
ウイルスを60分で99%減少!大腸菌やレジオネラなどに対する抗菌性も
ウイルスクリーン™は、従来の酸化チタンの光触媒膜と銅系化合物の薄膜の2重のコーティング構造で抗菌・抗ウイルス性能を実現した高機能ガラスです。室内の蛍光灯の光だけでガラス面に付着したインフルエンザウイルスに相当するバクテリオファージQβの濃度を60分で99%以上減少させ、光のない暗所状態でも240分で90%近くも減らすことができます。抗ウイルス性ではインフルエンザウイルス、ライノウイルス、ネコカリシウイルスなど、抗菌性では大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、レジオネラなど、抗カビ性では黒麹かび、カンジタ・アルビカンスなどで効果を実証済みです。
透明性は通常のフロート板ガラスとほとんど変わらず、耐久試験では5年間は効果があるという結果が出ています。すでに医療機関向けとして病院や介護施設などへ試験導入され、院内感染の可能性を減らすものとして非常に期待されています。幼稚園や保育園などの保育施設、公共施設の窓やガラス扉などへの問い合わせも増えている状況です。
またユニークなところでは、医療器具のガラス扉やガラス棚、食品の冷蔵ケース、不特定多数の人が触るような店舗のショーケースなどでも使えるのではといったお話もいただいており、ウイルスクリーン™が使える分野はまだまだあると思っています。
これまで抗菌ガラスはありましたが、抗ウイルス性能まで備えたものはなく、当社も自信を持っておすすめできる製品となっています。現在は単板ガラスだけですが、今後、複層ガラスや強化ガラス、合わせガラスの仕様など、さまざまな加工品に対応できるよう開発を進めています。ぜひご期待下さい。